前のページで紹介しているMYSSのアルバムと同時にリリースされるのが、リミックス・アルバムの『ROC TRAX JAM REMIXES』だ。これは、今年のアタマにリリースされたクルー・コンピ『LESSON.06 "ROC TRAX JAM"』の収録曲を、クルー内でスワッピング的にリミックスしたもの。例えばDEXPISTOLSの“NEW JACK HOUSE”をGALBITCHがビキビキのアシッド仕立てに再生していたり、M.S.K.によるダンクラのカヴァー“K-JEE”のグルーヴをBAZZがより極太に増強するなど、多種多様な改編マナーが楽しめるのと同時に、メンバー各々の個性を推し量るサンプルがまた増えたことになる。つまり、アルバムまで辿り着いたM.S.K.とMYSSに続くメンツの現在地も確認できるというわけだ。
その機会はすでにレーベル外の場へも広がっているようで、先日登場したクルッカーズ『Tons Of Friends』の日本盤ボーナス・ディスクには軍団からTAARとBAZZのリミックスが抜擢されていた。本誌では紹介できないが、後者の凄まじいDJミックスも記憶されるところかもしれない。一方、総帥DEXPISTOLSの動きもより華やかに活発化していて、ZEEBRAの最新シングルを2ステップに調理したり、Pragueの“Light Infection”をギザギザに電化したり……これらの動きはどこへ繋がっていくのだろう。夏?
▼関連盤を紹介。
左から、M.S.K.の2010年作『MASK MASK MASK』(ROC TRAX)、クルッカーズの2010年作『Tons Of Friends』(Southern Fried/avex trax)、ZEEBRAの最新シングル“Butterfly City”(ARIOLA JAPAN)、Pragueのニュー・シングル“Distort”(キューン)