今月も全然スペースが足りません。まずは、別掲のエドナ・ライトと同じく、90年代のフリー・ソウル人気でCD化されつつも長らく廃盤状態だったブツ……そう、ロイ・エアーズが送り出したエイティーズ・レディーズの唯一のアルバム、80年の『Ladies Of The 80's』(Uno Melodic/Universal Sound)が待望の再復刻! いまなら当然ディスコ・ブギーの逸品として受容されるべきですが、シルヴィア・ストリップリンらを擁する歌モノとしてのキレの良さも絶品ですよ。同じくアーバンなディスコ盤ではオデッセイの77年作『Odyssey』(RCA/BBR)も世界初CD化! かの“Native New Yorker”は12インチ・ヴァージョンも収録されています。
一方、ステイプル・シンガーズ改めステイプルズのワーナー音源が一挙リイシュー。入り口にはカーティス・メイフィールドの手掛けた76年の佳作『Pass It On』(Warner Bros./Wounded Bird)の洗練味をどうぞ。
で、彼ら同様にスタックスから飛躍したバーケイズは、76&77年作の2in1盤『Too Got To Stop & Flying High On Your Love』(Superbird)で堪能すべし。EW&Fの模倣ぶりも甚だしくカッコ良いファンク名盤で、KEN THE 390に継承されたあの“DUCK ROCK FEVER”の元ネタ“Shut Up The Funk”も聴けますよ! 同じスーパーバードからの復刻では、リビー・ジャクソンの『Centipede & Reaction』(Superbird)にも大注目。ジャクソン家の長姉として遅咲きのデビューを果たした彼女が、マイケルやティトら弟たちの援護も受けて発表した84&86年作の貴重な2in1です。
そして最後はスライ・ストーンのプロデュース仕事などを集めたコンピの第2弾『Listen To The Voices: Sly Stone In The Studio 1965-70』(Ace/Kent)を推薦。第1弾からずいぶん経ちましたが、スライ主宰のストーン・フラワー音源などをまとめた中身は圧倒的。初出音源も盛りだくさんですよ。
なお、前月のテディペンに続いてフィリー・インターの復刻も山盛りですが、紙幅の都合上ここではジョーンズ・ガールズの78年作『The Jones Girls』(Philadelphia International/ソニー)のみ紹介しておきます。この流れは数か月後にまとめて紹介する予定!
▼文中に登場した作品を紹介。
左から、エイティーズ・レディース『Ladies Of The 80's』(Uno Melodic/Universal Sound)、オデッセイ『Odyssey』(RCA/BBR)、ステイプルズ『Pass It On』(Warner Bros./Wounded Bird)、バーケイズ『Too Got To Stop & Flying High On Your Love』(Superbird)、リビー・ジャクソン『Centipede & Reaction』(Superbird)、スライ・ストーン『Listen To The Voices: Sly Stone In The Studio 1965-70』(Ace/Kent)、ジョーンズ・ガールズ『The Jones Girls』(Philadelphia International/ソニー)