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第25回──メイデンに震えろ!

連載
OSHIETAL
公開
2010/09/17   14:09
更新
2010/09/17   14:09
ソース
bounce 324号 (2010年8月25日発行)
テキスト
文/山口コージー

 

今月の鋼鉄連載〈OSHIETAL!〉は、結成30周年を迎えたいまなお現役バリバリで、今年最大の話題作『The Final Frontier』を発表したばかりのアイアン・メイデンを教えたる! UKメタル史を語るうえで欠かすことのできないムーヴメント、ニューウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィー・メタル一派として80年にアルバム『Iron Maiden』でデビュー。ヴォーカルにブルース・ディッキンソンを迎えた82年作『The Number Of The Beast』あたりから独自の音を追求しはじめ、不動の地位を築くことになるのである。90年代にはメンバー交替によって崩壊寸前まで追い詰められるも、99年にブルースとエイドリアン・スミス(ギター)が復帰! 以降、現在に至るまで人気と評価を高め続けている脅威のバンドなのだ。

さて、その4年ぶり15枚目となる新作だが、過去のどの作品とも違うオープニングが用意されていることをまず記しておこう(詳しくは聴いてみてからのお楽しみだ)! その後もスティーヴ・ハリス(ベース)が得意とするプログレッシヴなナンバーをはじめ、静と動を巧みに使い分けた緊張感のある優れた楽曲が並んでいる。今作を簡潔に説明すると、〈知性に溢れ、かつてないスケールと完成度を誇り、これまでの自信を凝縮した野心作〉! こんな衝撃を受けたのは、2010年代に突入して初めてのことだ! 深くて壮大……このメタル・シーンの新章を告げるメイデンの新作を聴かずして、ロックをカタルべからず!

 

▼このたび廉価版でリイシューされたアイアン・メイデンの作品の一部を紹介。

左から、80年作『Iron Maiden』、82年作『The Number Of The Beast』、84年作『Powerslave』、2000年作『Brave New World』(すべてCapitol/EMI Music Japan)