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JETBOY、旅立つ――SISTER JETの新曲“SAY YES”

連載
bounce編集部のイマココ。
公開
2010/11/08   23:40
更新
2010/11/09   14:27
テキスト
文/土田真弓

 

SISTER JET_LIVE

 

KEISHI(Riddim Saunter)「いつリリースしたの?」

WATARU.S(SISTER JET)「6月(シングル“キャラメルフレーバー”を6月2日に発表)」

KEISHI「なんでいまツアーやってんの?」

WATARU.S「…………確かに」

といったやり取りが開演直前の楽屋で秘かに行われていたようですが(MCより)、
ニュー・アルバム『LONELY PLANET BOY』のリリースも発表されたことですし、
そのプレ・ツアーということでよいのではないでしょうか?

11月7日、いよいよ開幕したSISTER JETの全国ツアー〈DECEMBER'S JETBOY TOUR(AND EVERYBODY'S)*〉の初日、CLUB LIZARD YOKOHAMA公演に行ってきました。

大阪/東京のワンマン・ライヴを除き、各会場をツーマン体制で臨む今回のツアーですが、
初日のゲストはもうおわかりですね。Riddim Saunterでした。
終盤ではスペシャル・ゲストとしてカジヒデキも登場し、
突如カジヒデキとリディムサウンターに変貌するという嬉しいハプニングも。

会場全体を最大級の昂揚感で包み込んでいた彼らですが、
その熱気をきっちりと継承したのが、当夜の主役であるSISTER JETです。

この後もツアーが続くのでセットリストなどの詳細は避けますが、
この日のいちばんのトピックは、やはりアルバムからの新曲“SAY YES”が披露されたことかと。

この曲を耳にして真っ先に思い出したのは、
今年2月にタワーレコード限定シングル“MR.LONELY”が発表されたタイミングで行った取材のときに、彼らとしていた話。

直前のミニ・アルバム『JET BOY JET GIRL』の時点ですでに兆しは見えていたと思うのですが、
彼らはその頃、変革期のさなかにいて、
WATARU.Sはその変革の前後を〈ミッキーマウス・スタイル〉〈だんご三兄弟スタイル〉と表現していたんですね。
要は、少々複雑だった楽曲の構造改革を推し進めていて、
〈シンプル化〉という鬨の声と共に3人が鳴らした楽曲が“MR.LONELY”だった。

とはいえ、それ以前に発表された作品のなかにも良曲はあるわけです。

彼らのサウンドが持つ武器のひとつとして、
胸がいっぱいに膨らんで、もしくは逆に締め付けられてどうしようもなくなる感じというか、
泣き笑いしながら駆け出したくなる感じ、というのがあるのですが、
その方向の初期の代表曲となるのは、個人的には“La La Dance”と“hello goodbye days”かと思っています。

この2曲はライヴでもクライマックスに投入される鉄板曲なのですが、
“SAY YES”は、WATARU.Sの言葉を借りれば
〈だんご三兄弟スタイル〉で制作された“La La Dance”“hello goodbye days”ではないのかな、と思うのです。

それは決して曲が似ている、という意味ではなく、
自身の武器である〈あの感じ〉を、別の方法論で組み立てている。
かつ、強度も格段にヴァージョンアップしている。
ということなのですが、なんだかそこに頼もしさを感じたし、
あと、逆境にあってもストレートに〈YES〉と肯定する詞世界にも素直に感動を覚えました。

そんな“SAY YES”を入り口とするアルバムにも期待が高まりますが、
その話はまた別の機会にできればと思います。

で、ここまでちょっと〈いい話〉風のことを書いてきましたが、
そんな感じで終わるのも何か違うなあという気がするので、
当の3人は相変わらずカメラ目線ひとつもらうにも苦労するようなキャラクターで、
ちょっと困りましたよ、と付け加えておきます。

 

SISTER JET_1

 

SISTER JET_2

 

上は終演後の3人。
あと、楽屋で遭遇したカジさんとWATARU.Sとの2ショットも押さえたので、
共有させていただきます。

では、そろそろ帰ります。