[ live report + review ]
11月3日に開催された東京ドーム公演〈Perfume LIVE @ TOKYO DOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11〉を大成功に収めたPerfumeが、ニュー・シングル“ねぇ”をリリースした。夢の大舞台を通過した彼女たちの現在地を照らすであろう同作について、bounceではロング・レヴューとライヴ・レポートの両面から迫ります!!
LONG REVIEW――Perfume “ねぇ”
夜通しゲームに熱中してたら、うっかり寝オチしてしまい、その間に何が起こったのかはよくわからないんですが、“ねぇ”と声を掛けられてハッと目が覚めたような、そんなニュー・シングル。というのはちょっと言いすぎかもしれませんが、それぐらいオッと思ったのは本当です。
すでに本人たちによって明かされているところによると、1つ前のシングルに収められた“VOICE”“575”と同時期に制作されたそうで、あきらかにギアをトップに放り込んだ彼女らの2010年を象徴する流れで生まれた楽曲、ということでしょうかね。ほとんど音源を通してしか彼女たちに接しない身からすれば、非常に頼もしい車線変更であります。
表題曲の“ねぇ”はアタッキーなダンス・トラックで、単純な言葉のリフレインで組み立てられたフックには昨今のK-Pop(というかUSエレクトロ歌謡)からの影響も感じられる、かも。メロディーにはひらがな的な柔らかさを纏いつつもバウンシーなオケのゴツさは半端じゃないです。日産車(?)でドライヴに出かけるような描写は出自ゆえでしょうが、リニアモーターカーとか夜間飛行とかを経て、どんどん身近な乗り物にトランスファーしながらも、速度はどんどん上がってるというか……海岸までドライヴしたその先は海の向こうというわけですね。
さらに注目なのはひねくれた歌詞も快いカップリング“FAKE IT”でしょう。最近だと“ナチュラルに恋して”のスカスカなファンク路線もおもしろかったですが、やはり3人に期待するのはこういう音だという人も多いんじゃないでしょうか。“The Streets Of Cairo”(ケシャも“Take It Off”で歌い込んでいました)似な童謡っぽいフックに近年の路線との接点を残しつつ、二等辺三角形じゃなく矩形波がギャーギャー歌うブリーピーな展開はやたらエッジー。1音目から暴れ回る極太なビートには久々に興奮させられました! こりゃ次のアルバムは期待できそうですねぇ。