東京ドーーーーーーーーーーーム! ということで、やってきました2010年11月3日! Perfumeの結成10周年、メジャー・デビュー5周年を記念する初の東京ドーム・ライヴ〈Perfume LIVE @ TOKYO DOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11〉! すでにいろんなところでこのライヴの様子やレヴューが出ているので、当レポートではいかに今回のライヴが素晴らしく、かつこの素晴らしさはPerfumeのスゴさにリンクしているかをトピックごとに書いていきたい。
まずドームのデカさと、ファンの尋常ならぬ数と熱気! なんせ物販は最高1キロの列を作ったらしいし、毎度お馴染みのコスプレイヤーの方々を囲む即席撮影会も至るところで開催。何よりも、皆テンション上がりまくりの様子がダダ漏れで微笑ましい。そして女子率の高さ! 特に筆者の席の近辺には、相当可愛い女子グループが。そんな彼女たちが懸命に叫んだり当て振りしている様を見ているうちに、アガったり涙腺を刺激されたりして。
次にステージ・セット。ありがたいことに筆者の席はアリーナの中央ブロック(後輩経由のファンクラブ席)だったのだが、会場に入ってまず思ったのが、〈ステージデカっ!〉ということ。1から11までを象ったオブジェが置かれたエンド・ステージが奥に、メイン・ステージが中央にあって、そこからアリーナ全体を十字に分断するように花道が伸びている。そして、その十字はスタンド近くまである。つまり、ステージの端から端までは優に100メートルは超えるだろう巨大ぶり。
さらに、三人揃ってのダンスが主に行われた十字が交わる地点=中央の丸いメイン・ステージは上下に動くわ、回るわだし、十字の三方向の端もリフトとなってメンバー一人一人を乗せて上昇するわ、地車的移動ステージとなってグラウンド内を回るわ、メンバーはそこからサインボールを客席に投げ込んだりラケットで打ち込んだりしていくわで、アリーナ/スタンド含めてドームのどの位置からも彼女たちが最大限に近く見えること、どの席でもパフォーマンスを楽しめることを意識したようなレイアウトとなっている。
そのステージの隅から隅までを三人がまんべんなく動くというライヴ構成が可能であるのは、例えばロック・バンドなどのように機材スペースを必要としないPerfumeの利点である。筆者は十字張り出しステージの中間にいたので、右にのっち、左にかしゆか(あ~ちゃんも含んで順不同)で、どっちを観ていいのか悩む至福の瞬間も何回かあり、ここでも涙腺を刺激されたりして。
そしてサウンドの良さ。かつて武道館(2008年11月の〈BUDOUKaaaaaaaaaaN!!!!!〉、代々木第一体育館(2009年5月の〈DISCO! DISCO! DISCO!〉)と、元々ライヴ用に設計されてない会場でのステージでもかなり出音が良かったという印象があったが、あの、音には良い評判を聞かない東京ドームにおいてもベース音がキッチリ腹に響いていたので、これもスゴいなあ……と感心。
ステージといい、音といい、東京ドームという大箱中の大箱において、いかにすべてのお客さんを満足させるか、喜ばせるかという一点のみでデザインされていることが想像できて、これぞ真のエンターテイメントだなあ、と、またちょっと涙腺を刺激されたりして。
で、肝心のライヴの内容。何と言ってもオープニングが素晴らしすぎ! 場内が暗転、十字ステージの三つの端に純白のドレスに身を包んだ三人が登場し、厳かな表情でステージ中央の巨大テントに進んでいく演出。そこに流れるインダストリアル調の楽曲(タイトルも“GISHIKI”だそうで)も含め、本当に儀式のようで涙腺を刺激するほどに美しかった。そこから意表を突く“シークレット シークレット”で始まったライヴは、良い意味でいつも通りのPerfumeだった。会場が大きくなるにつれてどんどん長時間になってきているお客さんいじりのコーナーもあったし、皆でコール&レスポンスをしたり振り付け指導をされたりするP.T.A.のコーナーもあった。こういうPerfumeとお客さんとの数少ないコミュニケーションの場を削らないのもお客さん本位で、ブレがないなあと感心する。
選曲は、現時点での〈Perfumeです!〉な感じだろう。前半の“ナチュラルに恋して”から“575”までのカワイイ曲パート(特に“575”のしっとり情緒感は良かった!)、キレの良いダンスを見せ付けた“Perfumeの掟”から“VOICE”“コンピューターシティ”“エレクトロ・ワールド”の流れ、リフトで上昇しながら会場中を盛り上げまくった“ジェニーはご機嫌ななめ”や、上述の移動ステージからボールを投げるわ打つわした“Perfume”、そして“チョコレート・ディスコ”“Puppy love”で大団円へと突き進んで、久々にラスト曲に復活した“wonder2”で一回締め。
アンコールではあのジャケの衣装で登場し、新曲“ねぇ”を初披露し、あ~ちゃんいわく「チャンスをくれた曲」という“ポリリズム”でフィニッシュ! 微妙なタイミングで打ち上がる花火と共に会場中に舞い散るライブのロゴ入り銀テープ! まさにPerfumeの原点と現在を一気に見せた素晴らしいエンディングには、みんな涙腺が刺激されたはず。
個人的にはファン人気の高い“edge”や“SEVENTH HEAVEN”、そしてシングルなのに最近はセットから外され気味の“Baby cruising Love”や一時期はラスト曲だった“願い”なども聴きたかったという思いはあるが、3時間やったけどまだ聴きたい、と思わせる曲があるというのはアーティストとしての武器だろう。リリース当時は賛否両論であった“Dream Fighter”も〈どんだけイイ曲なんだよ!〉と改めて思い、またちょっと涙腺が刺激されたりして。
最後にアイドルとして、人としてのPerfume。前記の、オープニングでの三人は本当に美しかった。その後のライヴでのダンス、立ち振る舞い、すべて目が離せぬものであったが、やはり特筆すべきはあ~ちゃんである。東京ドーム公演でのMCにおいて、家のベランダにハトが巣を作って怖い、という話をオチもなしに展開できるトークの破壊力もスゴいが、最近のアンコールにおけるイイ話ぶりは、新書で「あ~ちゃん名言集」を出版すべきと思うレヴェルに達している。大体自分の人生において「ムダな日は1日もなかった」と語れる人はどんだけいるのか!? アンコールでの「かしゆかとのっちとの三人でここに立てるのが嬉しい」という涙の発言に、大変涙腺を刺激されまくったのですが。あ、筆者は当然三人揃ってPerfume派です!
余談ですが、テクノ警察的にはライヴでのコスチューム・チェンジ時の曲が映像も含めてオウテカっぽかったということと(特に“Gantz Graf”)、UKのハードミニマル外科医=サージオンが今回のドーム観戦のために来日し、しかもDJズチャートに自曲やジェフ・ミルズに混ぜて“VOICE"を入れる男っぷりを見せたということ、そして11月7日のDOMMUNEにおけるマイク・ヴァン・ダイクのDJの本編ラストが“ポリリズム”だったということ(マイクさん、最高の笑顔)も報告しておきます。
Perfume LIVE @ TOKYO DOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 セットリスト
01. GISHIKI
02. シークレットシークレット
03. 不自然なガール
04. ワンルーム・ディスコ
05. ナチュラルに恋して
06. love the world
07. I still love U
08. 575
09. Perfumeの掟
10. VOICE
11. コンピューターシティ
12. エレクトロ・ワールド
13. パーフェクトスター・パーフェクトスタイル
14. Dream Fighter
15. 「P.T.A」のコーナー
16. ジェニーはご機嫌ななめ
17. (コンピューター・ドライビング Intro)~Perfume
18. チョコレイト・ディスコ
19. Puppy love
20. wonder2
―アンコール―
21. ねぇ
22. ポリリズム