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第50回――シスターズ・ラヴ・シスターズ

深まる秋のぬくもリイシュー

連載
IN THE SHADOW OF SOUL
公開
2010/11/26   13:29
更新
2010/11/26   13:29
ソース
bounce 326号 (2010年10月25日発行)
テキスト
文/出嶌孝次

 

新作も記憶に新しいソロモン・バークの訃報が届きましたが……偶然にもタワレコ限定で再プレスされた〈ATLANTIC SOUL 1500〉シリーズにて、彼の64年作『Rock 'N Soul』(Atlantic/ワーナー)も復刻されたばかりでした。ご冥福をお祈りします。

ちなみに同シリーズにはスピナーズやブルー・マジックの名盤が並んでいますが、そこにも初作がラインナップされているビギニング・オブ・ジ・エンドの、76年の2作目『Beginning Of The End』(Alston/Creole Stream)が折良く世界初CD化! バハマ仕込みの南国ファンクを泥臭く披露した初作も熱いですが、テディ・ランダッツォに采配を仰いだカリビアンな洗練性の味わいたるや……AORファンにも推薦ですよ。

レア皿の世界初CD化という点では、ブリーフ・エンカウンターの70年作『The Brief Encounter』(Seventy Seven/Pヴァイン)も破格! 南部らしからぬスウィートなハーモニーとグルーヴィーな演奏が同居した文句ナシの名盤であります。傾向は違いますが、南部産のブツならボビー・シーンのマッスル・ショールズ録音曲をまとめた編集盤『Too Many To Fight』(Soulscape)も耽溺すべき一枚。誠実なイナタさが響く佳曲のラッシュは正統派のサザン・ソウル愛好家なら悶絶レヴェルでしょう。

さて、残るは80年代モノ。まずは別掲したポインター・シスターズの末妹=ジューンがソロ・デビューを果たした83年作『Baby Sister』(Planet/BBR)を推薦しましょう。グループよりも攻撃性の薄い柔らかな聴き心地で、マーヴェレッツのカヴァーも良いです。最後はカーティス・マントロニックの後ろ盾で登場したジョイス・シムズのベスト盤『The Best Of Joyce Sims: Come Into My Life』(Warlock)。マントロニックの突き刺すようなエレクトロを中心に、ルイ・ヴェガやエリック・カッパーら後のハウスVIPらも馳せ参じた、80年代後半のNYらしい逸曲だらけ!

 

▼文中に登場した作品を紹介。

左から、ソロモン・バークの64年作『Rock 'N Soul』(Atlantic/ワーナー)、ビギニング・オブ・ジ・エンドの76年作『Beginning Of The End』(Alston/Creole Stream)、ブリーフ・エンカウンターの70年作『The Brief Encounter』(Seventy Seven/Pヴァイン)、ボビー・シーンの編集盤『Too Many To Fight』(Soulscape)、ジューン・ポインターの83年作『Baby Sister』(Planet/BBR)、ジョイス・シムズのベスト盤『The Best Of Joyce Sims: Come Into My Life』(Warlock)

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