「おもしろくなくてもいいんですか?」と2度ほど訊ねられましたが、
今回はあえて(?)、おもしろさは追求しない方向で撮らせていただきました。
XA-VATの石井秀仁さんです。
先月リリースされたファースト・アルバム『艶℃』のなかには、
時代で言えば70年代後半~90年代前半頃でしょうか、
広義のニューウェイヴ、USのビルボード・チャート、
そして日本の歌謡番組などを横断する音楽性が――言うなれば、
退廃的な翳りも享楽的な華やかさも混在する音世界が広がっておりますが、
先日公開したインタヴューでは、サウンドはもちろんのこと、
ファッションやPV、アートワークについてまで、たっぷりと語っていただいております。
そのなかで、初回限定盤の2パターンは
全曲ぶんの歌詞が連なっているため非常に読みづらい、という発言があるのですが、
実物を見たところ、まったくもってその通りでございました。
歌詞カードから少し目を離すと、どの曲のどの部分を追っているのかわからなくなる。
石井さんは、
「『Lovesexy』現象が起きる」
とおっしゃっておりましたが……確かに。
プリンスの『Lovesexy』(→)は、
歌詞カードは1曲ごとに分かれているものの、
全曲が1トラックに収まっておりますので、『艶℃』とは逆のパターンですね。
通常盤は比較的見やすいようですが、購入された方、いかがでしたでしょうか?
そして、先日は新宿店で石井さん、Koziさん、小間貴雄さん、
つまりは大阪在住のSADIE PINK GALAXYさん以外のお三方が参加された
インストア・イヴェントがございまして、
わたくし、なぜだか唐突に司会役を務めさせていただきました。
Koziさんと小間さんとは、その日が初対面。
まずは「はじめまして」のご挨拶から始まった当日ですが、
せっかくですので、ここではバックルームでお話したことも交えて、
トークの内容をいくつかご紹介したいと思います。
・石井さんが寄稿した「UKニューウェイヴ本(→)」の話。
なぜか〈ポジティヴ・パンク〉の担当だったのだけども、
わりと知られていないアーティストも多いので、どこから説明したらいいのか考えた、と。
いまとなっては入手が難しい稀少盤も多く紹介されているガイド本ですが、
石井さんが書かれたものに関しては、ジャケも私物を使用されているそうです。
・トイレを我慢しすぎると、人は訳のわからない行動に出る話。
これはKoziさん。焦りのあまり、座るのが先か、脱ぐのが先かわからなくなったり、
なぜか上着を脱いでしまったり、というお酒の席の失敗談を、かなりの臨場感で。
あと、〈何かダイエットしているか?〉という質問に
「飲むものを発泡酒にするぐらい」と回答していらっしゃいましたが、
〈飲まない〉という選択肢はないそうです。
・それは仕方ないと思う話。
イヴェントの数日前に三人で決起集会(?)を行ったらしいのですが、
その時に〈小間さんが遅刻してきた〉と指摘する石井さん&Koziさん。
それに対し、「でも、Koziさんから〈19時集合〉っていうメールが送られてきたのが、
18時半だったんですよ……」と、さり気なく弁解する小間さん。
それは遅れても仕方ないかも……と思いました。
また、小間さんが何か発言されますと、石井さんがすかさずツッコむ、
もしくはフォローするというシーンがたびたび見られまして、
その石井さんの見事な拾いっぷりに、そこはかとない年季を感じた次第でございます。
そんなこんなで、司会者的にはあっという間に過ぎた30分。
ほぼぶっつけだったとは言え、非常にグダグダな進行になりましたことを、
全方位的にお詫びいたします……。
かつ、やはり全方位的に大きな感謝を。
トーク・ライヴって、普段行っているインタヴューとは、必要なスキルがずいぶん異なりますね。
TVやラジオなどの生放送とか司会業の方々とか、心の底から尊敬します。