息を吹き返した戦士たちと共に大団円へ……
SNUFF CREW
3:00
〈SECOND〉は注目のスナッフ・クルーのライヴ。覆面&目深にフードを被った姿はまるでオルターネイト(古っ!)を彷彿とさせ、音はド直球のシカゴ味アシッド・ハウス! いつの時代だ! でもその不穏な空気も含めて最高!!
RADIO SLAVE
3:30
〈MAIN〉に戻る。かつては後半にシュランツ工事を決行していたクロヒャー監督だが、今回は最後までテクノで押し通す。うーん、工事現場観たかったー! そしてレディオ・スレイヴ登場。あの広々とした〈MAIN FLOOR〉すら息苦しくさせるどヘヴィー・ディープ・テクノ! さり気に“Grindhouse”もプレイ! 数年前なら全員発狂だが、お客さんという名の戦士たちの疲労度合いも高いのか、意外に淡々と進む。
AGORIA
4:00
ぶっ倒れている戦士の屍を乗り越えて〈SECOND〉へ。〈WIRE〉初参戦となるフランスの巨匠、アゴリア。かつて彼がリリースしたミックスCD『Balance 016』で聴かせたような分類不能かつ、ひとつのノリだけでは突き進まないDJぶり。〈この曲カッコいい!〉と思う頻度、高し。
69(CARL CRAIG)
4:50
〈MAIN〉に降りる。今回の目玉、カール・クレイグの、〈WIRE〉コンピにも収録された“Jam The Box“や“Sound On Sound”などの神曲で有名な69名義でのライヴ! バックにアブストラクトな映像が流れるなか、白装束&白覆面のカールがプレイ。予想では名曲再現ライヴになると思いきや、結構セッション的な流れ。“Jam The Box”聴きたかったな~!
LEN FAKI
5:35
〈MAIN FLOOR〉、ラストのレン・ファキが登場。坊主だったっけ? お得意の重量疾走最新ハード・ミニマル! ここで蘇生する戦士たちも増え、フロアにふたたび活気が。
FUMIYA TANAKA
6:00
〈SECOND〉の守護神、現在はベルリン在住の田中フミヤ兄さん! もう空気感からして違うんだよね~。これぞテクノ!って感じの圧巻&貫禄のプレイ! セカンドも明け方なのに大盛況! フミヤ兄さんも激しく動く動く。フミヤ兄さんの着ていた初期とれまTシャツは超カッコ良かった(欲しかったが高くて……)。
LEN FAKI
7:00
〈SECOND〉もアンコールを含めて終了。ついに〈MAIN〉のみに。もう外はガンガン明るいなか、レン・ファキまだまだ疾走。ここでもJD“Plastic Dreams”がプレイされる。あの印象的なオルガンのフレーズに合わせてモニター内の〈WIRE〉ガールはシンセを弾く。
7:30
レン・ファキ、アンコールも込みで30分延長して終了。会場に明かりが灯るなか、モニターに〈WIRE〉ガールと〈WIRE12 see you next year〉と映し出されて大団円!!
……完走したよ! 寝落ちもしなかったよ! 今回完走して思ったのは、もう誰がプレイするとかのレヴェルではなく、〈WIRE〉という磁場は強固かつ不変のものになっていること。そして、年々細かくアップデートされ、より誰でも楽しめる場になっていること。最後に〈WIRE〉、そしてテクノ最高ですっ! 来年も行きます(完走するかは検討中)!!
PROFILE/石田靖博
クラブにめざめたきっかけは、プライマル・スクリームの91年作『Screamadelica』。その後タワーレコードへ入社し、12年ほどクラブ・ミュージックのバイイングを担当。現在は、ある店舗の番長的な立場に。カレー好き。今月のひと言→〈WIRE〉もそうでしたが、いまのフェスはTwitterなどで情報や感想を見ながら楽しむ、ってスタイルも定着しましたな。本文にもある〈FREEDOMMUNE〉の中止となるまでの情報戦も、非常にスリリングかつ有益でありました(自宅待機で終了)。