前からそういう感じではありましたが、もはやマイケルはどこにでもいるものです。TVCMをぼんやり観ていたら、キムタクさんが帽子を傾けたりするのでビックリしてしまいますし、少し前には武井咲さんがカラフルな5人に扮して踊っていたりもしましたね。
そういうよしなしごとはいいとして、逝去後の大騒ぎに比べれば少しは落ち着いてきたものの、やはりそれなりの意味や意図や敬意をもったリサイクルの流れというのは止まらないようです。このままいけば、本当にマイケルのことを知らない遠く遠く先の世代にも、素晴らしい歌という形で伝えられていくことでしょう。そういえば、今回サントラという形を借りて登場する新作は『Immortal』と名付けられています。そう、マイケルは本当に万物に宿るのかもしれません。
2CELLOS 『2Cellos』 Sony Masterworks
クロアチアのハンサムガイ2人が、チェロでロックの名曲群をカヴァーした今年の話題作。そんななかでもやはりドギモを抜かれるのはマイケルの“Smooth Criminal”カヴァー。緩急自在なスピード感にヤラれます。一転して優しく響く“Human Nature”も聴きものです。
MARY MARY 『Something Big』 Columbia
ゴスペル界の大物姉妹デュオはこの最新アルバムのタイトル・トラックにて、ジャクソン5“Mama's Pearl”の冒頭部分をネタ使い。弾力に富んだタフなループがパワフルなコーラスをガッチリと支えていて、これは目からウロコの格好良さでしょう。
GHOST 『No Limit』 Monster Shack
リリースは去年末になるのですが……ちょうど次頁で紹介しているDJ CELORYの最新ミックスにも収録されているのでご紹介。ここではニッティ・クッチィを相手に回して、“The Girl Is Mine”を朗々と披露しています。なお、マイケルの“Ghost”とは関係ありません。
PATRICK STUMP 『Soul Punk』 Island
フォール・アウト・ボーイでも“Beat It”をカヴァーしていたパトリックのソロ・デビュー・アルバム。具体的に何かを引用しているわけではないにしろ、やはりファンを自認するだけにマイケル・フレイヴァーはあちこちに感じられるような、考えすぎのような。
CHRIS BROWN 『F.A.M.E.』 Jive
ライヴ・パフォーマンスの部分でも着実にマイケルを継承しているクリス。今年を代表するヒットとなっている本作では、SWVの“Right Here -Human Nature”を経由してマイケルの原曲にオマージュを捧げた“She Ain't You”を収録。直接カヴァーしないのが奥ゆかしい?