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(第8回)どんな曲の入ったアルバムですか?

普段の会話やメンバーの言葉にヒントがあったりする

連載
LinQにQつのQuestion!
公開
2012/04/18   18:00
更新
2012/04/18   18:00
テキスト
インタヴュー・文/出嶌孝次


6. Fighting Girl



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Photo by Kayoko Yamamoto



Ladyメンがガツガツした肉食に豹変するかっこいいロック・ナンバー。ハイウェイ疾走系の雄大なスケール感は、振り幅の広いLinQの楽曲群においても異色のものでしょう。もともとこの曲を提供された茉奈佳奈のアルバム『Sweet Home』には、eichiや新屋豊(SHiNTAの師匠にあたる鍵盤奏者)ら当時のthree tight bメンバーがさまざまに尽力しています。

eichi「以前、日本テレビの番組『歌スタ!!』で茉奈佳奈さんに提供した楽曲をオリジナル・デモのままカヴァーしました。歌詞も違うのでカヴァーというのか、別ヴァージョンというべきか……」

SHiNTA「唯一バンド・アレンジしています。僕の時代がけっこうバンド・ブームでよく打ち込みをしてコピーしてたので、意外とこういう楽曲のほうが好みなんです。いずれ生音で再現できる日を楽しみにしています!」

SO「この曲の振付だけNORIKAというダンサーに依頼したんです。マイクスタンドありきのものをお願いしたら、とても格好いい振りを作ってくれました。Ladyメンバーが大好きな曲ですね」



7. Pretty Woman



先だっての“夏Magic”と同様、eichiとYANAGIMANがバンドを組んでいた頃に共作した楽曲に、SHiNTAが新たにハウス調のアレンジを施したもの。失恋がテーマながらもウェットにならずカラリと仕上がっているのは、洒落たトラックの軽妙さゆえでしょう。これも年齢相応にLadyのパフォーマンスが輝く一曲です。

eichi「これもYANAGIMANとeichiが手掛けた一曲です。実はオリジナルに近いLinQ Ladyが歌った別アレンジもあって、そちらも良いんです。いつか音源化したいですね」

SHiNTA「原曲はミディアムでゆったりしてたのですが、eichiさんからハウスにしてくださいとのことだったので悩みました! そして、どうしても元々のテンポのほうが僕的に好みだったので、〈LinQ Super Live〉ではオリジナル・アレンジも披露させてもらいました!」

SO「電話をかけるって小芝居が笑えます。Ladyの直子に注目の曲です」



8. きもち



eichiの作詞・作曲で、セカンド・シングル“カロリーなんて”のカップリングにも収められていたナンバー。リリック世界の設定年齢はもう少し高めですが、つたないラップの掛け合いによってQtyならではのプラトニックな魅力が表れています。下地が落ち着きのあるスムースジャズ・テイストになっているのもポイント。

eichi「95年頃に書いた曲を提供しました。音楽好きにも十分アピールできる楽曲だと思います。この曲や“夏Magic”“Pretty Woman”も書き下ろしてから17年ほど経ってるんですが、良曲と言ってくださる方も多くて嬉しいですね」

SHiNTA「僕は最初LadyがやるのかQtyがやるのかも知らずにアレンジを考えてて、Ladyだと思い込んで作ってました。そしたら実はQtyだったんです……! このままでいいのか悩みましたが、eichiさんからはいいと評価していただき、皆さんに届けることができました」

SO「振りのポイントは可愛さですかね」



9. さくら果実



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Photo by Kayoko Yamamoto



Perfume以降のマナーを巧みに取り込んだテクノ・ポップで、和風のメロディーも映えるQtyの代表曲。可愛い振付と童謡のような歌詞のリフレインにはたまらない中毒性があります。2月にサード・シングルとしてリリースされ、オリコンのウィークリーチャートで初登場15位を記録しました。

SO「曲を貰って歌詞を見た時に驚きました。〈さくら、さくら、さくら、いちご♪〉って……どうしようって(笑)。振り落としをしてる時にメンバーたちに〈カワイイ!〉って言われてホッとしましたね」

SHiNTA「もともとはeichiさんの〈さくら~さくら~らくだ~〉というしりとりから出来た曲だと僕は思っています(笑)」

eichi「最初は、らくだ……らくだ……って歌ってました。SHiNTAと2人でフランクなブレストをしながら出来たんですよ」

SHiNTA「でも、LinQの楽曲を作るときは普段の会話にヒントがあったり、メンバーの言葉にもヒントがあったりするので、僕はいつも携帯にメモしています」



10. なう。



福岡出身の3人組ヴォーカル・ユニット、ビーグルクルーのYASSが作詞・作曲を手掛け、SHiNTAがアレンジを担当した曲。これも“for you”と同じく現場で機能するキャッチーな仕上がりで、Twitterをテーマにしていることからノヴェルティ・ソングっぽい印象も受けますが、意外にエモいメロディーの展開がクセになります。

eichi「アンコール楽曲として使用することが多いですが、Twitterをテーマにした歌詞で、いまの時代を象徴した曲ですね!」

SO「リリカルダンスといって、歌詞に沿った振付にしました。〈なう〉の時に手で口の動きにしたところが最初に出来ました」



11. Shining Star



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Photo by Kayoko Yamamoto



現在のライヴでもクライマックスを飾ることの多いアッパーなハウス・チューン。ズラリと並ぶ総勢がタオルを使って魅せるパフォーマンスは大団円に相応しい開放感に溢れています。伸びやかに跳躍していくメロディー展開、飛翔感のあるコーラスも素晴らしく、他曲同様に待望のCD化といえるでしょう。

SO「eichiさんにタオルを回してほしいと言われたので、サビから作っていきました。カッコ良さを意識しました」

eichi「これはいちばんアイドル向きじゃないと思っていた曲で、eichiにとっては挑戦でした。これがファンに受け入れてもらえたら、われわれが作る曲も受け入れてもらえるかも、って思ってました」

SHiNTA「ずっと僕のなかではお蔵入りしていた曲で、eichiさんに救っていただきました。LinQメンバーがいちばん輝いて見える楽曲かもしれませんね」