オッド・フューチャーの次はどいつだ?
まさにゲームの如く目まぐるしく主役やトレンドが移り変わっていく現行のヒップホップ・シーンでは、近年アンダーグラウンド/ストリート/インターネット界隈を大いに沸かせ、ボーダレスに支持層を確立したコレクティヴ、オッド・フューチャーがついにメジャー・デビューしたことで、次なるブレイクスルー・アクトは誰か?ということに大きな注目が集まっている。そんななか、満場一致でその最右翼にあげられるのはNYはハーレム出身のラッパー、エイサップ・ロッキーだろう。“Peso”や“Purple Swag”といったストリート・ヒットでブレイクしてRCAとの巨額契約をゲットし、今夏には待望のファースト・アルバムのリリースが予定されているとか。同じNYからはバッド・ボーイと契約したフレンチ・モンタナや、ユニバーサル・リパブリックと契約したミスター・マザファッキン・エクスワイアら、キャラの強い新鋭MCたちもすでに大きな話題だ。
一方、LAからはドクター・ドレーのレーベル=アフターマスと契約し、そのドレーも参加した移籍第1弾シングル“The Recipe”を発表したばかりのケンドリック・ラマー、そのラマーとともにブラック・ヒッピーなるユニットでも活動しているスクールボーイQあたりが超ホットな存在。南部方面では、本誌が発行されている頃にはエピックからのデビュー作『Pluto』も出ている予定のアトランタ出身のフューチャーや、デフ・ジャムからのデビューが延び延びになっているミシシッピのビッグ・クリット、さらにはユニバーサル・モータウンからのデビューが噂されているアラバマのジャッキー・チェイン、ドレーも注目しているというメンフィスのドン・トリップあたりにも注目しておきたい。女性MCで括ってみれば、先の〈SPRINGROOVE〉で来日したクレイショーンやアゼリア・バンクス、そしてT.I.率いるグランド・ハッスルへの加入も話題なイギー・アザリアらがメジャーと契約を交わしており、本格的なデビューが待たれている。
▼関連盤を紹介。
左から、エイサップ・ロッキーが参加したスモークDZAの2011年作『Rolling Stoned』(iHiphop)、フレンチ・モンタナが参加したDJドラマの2011年作『Third Power』(eOne)、ケンドリック・ラマーが参加したジェイ・ロックの2011年作『Follow Me Home』(Strange Music)、フューチャーが参加したヤング・ジーズィの2011年作『TM:103 Hustlerz Ambition』(CTE/Def Jam)、アゼリア・バンクスが参加したジミー・エドガーの2010年作『XXX』(!K7)