NEWS & COLUMN ニュース/記事

Monolake Live - The Ghosts in Surround

カテゴリ
EXTRA-PICK UP
公開
2012/08/23   13:06
ソース
intoxicate vol.99(2012年8月20日発行号)
テキスト
text:西山伸基

Monolake(左)Tarik Barri(右)

モノレイク、ニューアルバムを立体音響でライヴ再生!

モノレイクの単独公演が行われる。ベーシック・チャンネルによって定義された「終わらないグルーヴとテクノにおけるダブの再発見」を受け継ぎ、エレクトロニック・ミュージックとテクノロジーが交わる地点の最新フォームを伝えるロバート・ヘンケによるニュー・アルバムを、新たに多次元没入型オーディオ・ヴィジュアルの「体験」として提示する公演だ。

『Ghosts』と銘打たれたそのアルバムは、初期はゲルハルト・ベールズ(現Ableton社CEO)との、そしてその後はT++とのコラボレート・プロジェクトとしての意味あいが強かったモノレイクが、ふたたびヘンケ個人のプロジェクトとして帰結した段階を記す3部作の第2作目となる。前作である1作目『Silence』に続いて、またもいくぶんアイロニカルなタイトルだ。徹底してテクノロジーとサウンドデザインの観点から自らを発展させてきたモノレイク(Ableton Liveの共同設立者であり、「Granulator」ほか、さまざまな音楽ツールの開発者でもあるという側面もそのひとつ)にとって、「Ghost」、つまり「幽霊」とは、なんとも奇異な組み合わせに思えるかもしれない。しかし、その組み合わせの間に横たわる違和感こそが、モノレイクを端的に表す一つの指針であろう。

『Ghosts』は、アルバム全体を通じて何かが立ち現れてくるような不穏なムードに統一されており、それはつまり、「気配」という言葉に置き換えることが可能だといえる。「幽霊」なる超常的な現象を、本質的な要素にまで還元化してシンセシスでデザインすること。そこで浮かび上がってくるものが「気配」というわけで、また、その「気配」は、マルチ・チャンネルのサラウンド環境でこそ最大限に表現が拡張されるものでもある。

Tarik Barriによるヴィジュアルとのコラボレーションで展開される『Ghosts in Surround』。立体音響の可能性が、この日もう一段階アップデートされることだろう。

LIVE INFORMATION
『Monolake Live - The Ghosts in Surround』 

9/7(金)19:00開演
会場:Rockets(大阪)
出演:Monolake Visuals by Tarik Barri

9/8(土)
20:00開演(1st show)/24:00開演(2nd show)
会場:代官山UNIT
[1st show]出演:Monolake Visuals by Tarik Barri
[2nd show]出演:Monolake Visuals by Tarik Barri、DJ NOBU (FUTURE TERROR/BITTA)、NUMB (Revirth/ekoune)、 KYOKA(raster-noton)

(関連公演)
Robert Henke + Tarik Barri Talk & Live Sessions

9/9(日)16:00開演
会場:SuperDeluxe

トークセッション:Robert Henke (monolake)、Tarik Barri、高橋啓治郎 (Unity Technologies Japan)
ライヴ:Tarik Barri、DUB-Russell (+MUS/TMUG)、eli walks(motion±)、QUREA (moph records)

※ Robert Henkeはトークセッションのみの参加