『The Sultans Of Soul』 Wind Hit
20年以上に渡るハドリーの仕事にスポットを当てたコンピ。ブラック・アイスやエディ・ホーラン、リキッド・ブルーといったHDM所属組からミラージュ原盤のカール・ウェザーズ(「ロッキー」のアポロ役で知られた俳優)まで、ディープ・ソウル、ファンク、ディスコ、ブラコンなど多様な曲がハドリーの万能性を証明する。ハワード・ハンツベリー(元クリーク)が歌うバラードなど、盟友リッチ・ケイソンの関与作も収録。
SMOKED SUGAR 『Smoked Sugar』 20th Century/BBR(1975)
ハドリー・マーレルが制作した自作自演グループのアルバム。ハドリーとエディ・ホーランが書いたフリー・ソウル方面で人気の“I'm A Winner”を含み、ギャングスターがネタ使いした“Bump Me”などファンクをベースにしたグルーヴィーなナンバーを中心に、ヴォーカル・グループ然としたメロウ曲なども披露する。メンバーのジェイムズ・コンウェルは77年にソロ作を発表。
BLACK ICE 『Black Ice』 HDM/THINK!(1977)
HDMの看板ヴォーカル・グループによるデビュー作。擬音入りの美しいバラードを含み、〈へそダイヤ〉の愛称で親しまれる本作は、前年にアムハーストで出したLPから1曲を省き、代わりに長尺のディスコ・ファンク“Shakedown”を加えた改訂盤となる。シカゴ・ギャングスターズのカヴァーとなるスウィートなミディアム・スロウ“Blind Over You”の収録で人気を集める。
EDDIE HORAN 『Love The Way You Love Me』 HDM/THINK!(1978)
ハドリーの右腕として活躍し、ブラック・アイスなどに楽曲を書いていたソングライターによる唯一のソロ作。前半がラヴァーズ向け、後半がダンサー向けとなっているが、本盤を名作たらしめたのはリオン・ウェアにも似たメロウネスで迫るミディアム〜スロウが登場する前者だろう。絹のようにスムースなサウンドに乗って放たれるまろやかな歌唱が心地良い。
BLACK ICE 『I Judge The Funk』 HDM/THINK!(1979)
バリトンやファルセットが入り乱れ、5人で重厚なハーモニーを放つテンプテーションズ風のスタイルは前作同様ながら、よりディスコ色が強まった2作目。TK配給になった影響か、Pファンクやラテン調など楽曲のアプローチも多彩になり、賑やかな印象を受ける。スウィート系も好調で、メンバーの書いた“Fantasize”はドラマティックスの向こうを張るかのような好スロウだ。
BLACK ICE 『Black Ice』 Montage/HDM/THINK!(1982)
メンバーをひとり入れ替えてモンタージュから発表した最終作。HDMを離れたとはいえ、ハドリーが制作を手掛け、エディ・ホーランらが曲を書くなど制作環境はほとんど変わっていない。だたし80年代らしいシンセ音も交じるトラックは、前半のダンス曲、後半のスロウ曲共ににアーバン度高め。グループ最大のヒット“I Just Wanna Hold You”の美しさに酔いしれる。