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JOHN FRUSCIANTE

新作を紐解く鍵はこんなところにも……

連載
360°
公開
2012/10/16   13:45
更新
2012/10/16   13:45
ソース
bounce 348号(2012年9月25日発行)
テキスト
文/山西絵美


親友のオマー・ロドリゲス・ロペスや奥方の在籍するスワヒリ・ブロンドとの絡みが濃密なせいで、ジョンは近しい人とだけガッツリ仲良くする内気なタイプだと思われがち!? 先行EP『Letur-Lefr』でイイ仕事をしているRZAとも、ウータン・クランの2008年作『8 Diagrams』への参加以来、何かにつけてツルんできましたしね(ジョンがギターを弾くN.A.S.A.“Way Down”もRZAのプロデュース)。でも、意外といろんなところに顔を出して、その経験をソロ活動にも反映させているんですよ。

ジョージ・クリントン作品に招かれたからというわけではないでしょうが、『PBX Funicular Intaglio Zone』にはPファンクっぽいアプローチも見られますし、要所で挿まれる90年代のドラムンベース(というかハードコア・テクノ〜デジロック?)風なサウンドは、もしかすると2年ほど前に結成したヴェネチアン・スネアズとのユニット(CD化を求む!)が影響しているのかもしれませんね。また、大の80sエレポップ好きとして知られるジョンのこと。〈プログレッシヴ・シンセ・ポップ〉の発案に際し、共演歴もあるデイヴ・ガーン(デペッシュ・モード)やニュー・オーダーから何らかのヒントを得た可能性だって大いにあるはずです。

本文にもある通り、作風の大胆な変化に戸惑うファンも多いかと思いますが、心配は無用。トリッキーやキャサリン・リンガー、メイシー・グレイにウォーペイントなど、これまでの多彩なコラボにも新作を紐解く鍵が隠されている気がしません?



▼関連盤を紹介。

左から、スワヒリ・ブロンドの2011年作『Psycho Tropical Ballet Pink』(Manimal Vinyl)、N.A.S.A.の2009年作『The Spirit Of Apollo』(Anti-)、ジョージ・クリントンの2008年作『George Clinton And His Gangsters Of Love』(Shanachie)、ヴェネチアン・スネアズの2006年作『Hospitality』(Planet Mu)、デイヴ・ガーンの2007年作『Saw Something』(Mute)

 

   DaveGahan_J



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