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JOHN FRUSCIANTE

過去のソロ作を振り返ればイマが見えてくる?

連載
360°
公開
2012/10/16   13:45
更新
2012/10/16   13:45
ソース
bounce 348号(2012年9月25日発行)
テキスト
ディスク紹介/小泉いな子


『To Record Only Water For Ten Days』 Warner Bros.(2001)

『Californication』でのレッチリ復帰後初となるソロ2作目は、直情的なギター演奏を中心に据えた比較的ストレートなロック盤。リズムマシーンとシンセをわざとローファイで録音し、歌メロを際立たせているのが印象的だ。ドラッグ中毒から抜けた彼の再出発点である。

 

『Shadows Collide With People』 Warner Bros.(2004)

〈レッチリと同じメンタリティーで臨んだため、初めてソロで葛藤した〉と語っているが、ファンの間では人気の一枚。ここではエレクトロニカとオルタナ・ロックとの融合を図っている。なお、『By The Way』との兼ね合いで発表が1年遅れ、ジョンはメジャー嫌いに。

 

『The Will To Death』 Record Collection(2004)

1年間にアルバム6枚を発表するプロジェクトの第1弾。デジタル機材は使わず、ミスがあっても1〜2テイクで録音したそうだ。〈死への意思〉という表題通りバラードなどで孤独が表現され、その痛々しさに胸を打たれる。レッチリのジョシュがベース/ドラムス/ピアノで関与。

 

『Inside Of Emptiness』 Record Collection(2004)

6連作の第4弾は、エレキを前面に出した一枚。ツアー先で書かれたという楽曲は、ガレージ・パンク的な匂いも漂うアッパーな仕上がりで、エモーショナルなギターは言わずもがな、怒りに満ちたシャウトに震えが止まらない。盟友のオマー・ロドリゲス・ロペスも参加。

 

『A Sphere In The Heart Of Silence』 Record Collection(2004)

ジョシュとの連名で発表された6連作の5枚目。2004年作〈Shadows〜〉をアンビエント寄りにしたような作りで、ヴォーカルを楽器のように配すなど実験的なアプローチが目立つ。また、シンセに重点を置いていて、新作への繋がりも強く感じさせる内容だ。

 

『Curtains』 Record Collection(2005)

6連作のラストは、ほぼアコギorピアノの弾き語りで作られたアコースティック作品に。アシッド・フォークから着想を得たと思われる靄がかったサウンドと、温かいヴォーカルがリスナーをそっと包み込む。メロディーメイカーとしての素晴らしさが、もっともダイレクトに伝わる一枚。

 

『The Empyrean』 Record Collection(2005)

アルバムを通じてひとつの物語を紡いだという10作目。ティム・バックリーのカヴァーやファンカデリック“Maggot Brain”を元にした楽曲を挿みながら、ジョニー・マー、フリーらとサイケでエクスペリメンタルな音世界を構築している。ダイナミックなミックスにトリップ必至。

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