@ニュージャージー・パフォーミング・アーツ・センター(2009/12/5)
世界最高峰のジャズ・オーケストラが待望の初来日!
現代ニューヨーク・ジャズ・シーンを代表するラージ・アンサンブル、マリア・シュナイダー・オーケストラが、待望の初来日を果たす。サド=メル・オーケストラのメインアレンジャーだった、故ボブ・ブルックマイヤー(tb)に才能を認められ、晩年のギル・エヴァンスの最後の愛弟子、片腕として頭角を顕し、1993年に自らのリーダー・グループ結成以来、数々の問題作をリリース。全米、ヨーロッパ、南米諸国でも演奏、楽曲提供、指揮を依頼され、高い評価を受けている。2004年には『Concert In The Garden』で、遂にグラミー賞ラージ・ジャズ・アンサンブル部門の栄冠に輝き、名実共にコンテンポラリー・ジャズ・ビッグバンドの最高峰に登りつめた。日本でも90年代半ばから注目を集め、大学、社会人ビッグバンドからも絶大な支持を得ている。今回の来日メンバーには、93年の結成当時からのオリジナル・メンバーのリッチ・ペリー(ts,ss)、スコット・ロビンソン(bs)、グレッグ・ギスバート(tp)に加え、長年行動を共にしているフランク・キンボロー(p)、ジェイ・アンダーソン(b)、クラレンス・ペン(ds)の最強リズム・セクションに、『Concert In The Garden』でグラミー賞ベスト・ソリストに輝いたダニー・マッキャスリン(ts)、チャールス・ピロウ(as)、イングリット・ジェンセン(tp)と、ニューヨークのファースト・コールが結集したベスト・メンバーで、繊細かつ壮大なサウンドを奏でる。
マリア・シュナイダーにかつて「あなたはご自分をどういう作曲家と考え、また、どう認識されたいと思うか」と問うたことがある。「私の作品を演奏するには、ジャズのバック・グラウンドがないと難しいから、狭義にはジャズ・コンポーザーということになるが、アメリカン・ミュージック・コンポーザーと言われたい」と応えてくれた。その言葉を裏付けるように、2007年リリースの最新作『Sky Blue』に収録され、再びグラミー賞ベスト・インストゥルメンタル・コンポジションを授賞した《セルリアン・スカイ》は、自身の趣味のバード・ウォッチングからアイディアを得て、セントラル・パークに休息する、南米から北米へと移動する渡り鳥の長い旅を、鳥笛やアコーディオンを効果的に生かして描いた21分に及ぶ壮大な音楽叙事詩へと昇華した。
2008年から、マリア・シュナイダーはソプラノ歌手のドーン・アップショーの依頼で、チェンバー・オーケストラへの作曲を開始し、出身地のミネソタ州のセント・ポール・チェンバー・オーケストラにより初演、昨年春には、ニューヨークのカーネギー・ホールでも演奏され、新たな境地を拓いた。今年の9月には、このプロジェクトを、さらに追求し、セント・ポールとオーストラリアのチェンバー・オーケストラ、フランク・キンボロー、ジェイ・アンダーソン、スコット・ロビンソンやも参加し、自己のジャズ・フィールドとの融合を図った新たなチェンバー・ミュージック・プロジェクトをレコーディング。来年3月にリリースの予定である。
もちろんラージ・アンサンブルの分野でも、リスナーから製作資金を募るアーティスト・シェアのシステムで、今年のニューポート・ジャズ・フェスティヴァルでプレミア演奏された最新作を含む、3曲のコミッション・ワーク(委嘱作品)が制作されている。
11月の第3週のサンクスギヴィング・ウィーク(感謝祭週間)には、ニューヨークのジャズ・クラブ、ジャズ・スタンダードで、毎年恒例のレジデント・ギグがある。5日間12セットのライヴで、最強布陣の精緻なアンサンブルは、来日前に、さらなるタイトな高みに到達するであろう。ジャンルを超えて現代アメリカン・ミュージックの最先端に位置するマリア・シュナイダー・オーケストラの全貌が、いよいよ日本でも明らかになる。
Maria Schneider Orchestra
12/17(月)〜20(木)
19:00開演/21:30開演(2回公演)
会場:ブルーノート東京
www.bluenote.co.jp