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第11回――【今月のレポート盤】SONIC YOUTH 『Smart Bar, Chicago 1985』

連絡ノート

連載
ろっくおん!
公開
2013/02/18   11:30
更新
2013/02/18   11:30
ソース
bounce 351号(2012年12月25日発行)
テキスト
文/生麦 温

 

部室に置かれたキャンパス・ノートを覗き見しちゃいましょう! 何やらおもしろそうなリイシュー盤が紹介されていますよ!!

 

僕だってCDを買いすぎなければ大掃除なんてやらずに帰省できたんだけどな。まあ、気になるタイトルがたくさん出ちゃったんだから仕方ないですけどね。

で、まず絶対にハズせなかったのがマニック・ストリート・プリーチャーズ。92年のデビュー作が『Generation Terrorists 20th Anniversary Edition』(Columbia/ソニー:1)として新装されたんです! デモを中心としたすべて未発表音源から成るボーナス・ディスクと、PVや今回のために製作されたドキュメンタリー映像が収録されたDVD付きの凄い内容。僕とマニックスは同い年だから感慨もひとしおです。

さらにグラスゴーのブルー・ナイルが89年に放った『Hats』も、レア音源を追加した2枚組『Hats Collector's Edition』(Linn/Virgin:2)で再登場。ポール・ブキャナンによる夜の帳を感じさせるような静謐なメロディーと、周到に練られたサウンドはいま聴いても全然古びていないです。これこそ〈大人のオルタナ〉と呼びたい大傑作、買わずにはいられませんでした。

そしてワーキング・ウィークの『Working Nights Deluxe Edition』(Virgin/Cherry Red:3)もスルー厳禁。元ウィークエンドのサイモン・ブースが組んだユニットによる85年のデビュー作に、別テイクやライヴ音源を加えた2枚組で、ソウルやジャズ、ラテンをクロスオーヴァーしたようなサウンドがかなりお洒落。アシッド・ジャズの先駆者と言えるんじゃないかな。

最後はオーティス・レディングらに数多くの楽曲を提供したことで有名なソングライター、ダン・ペンによるお蔵入り曲ばかりの自作自唱集『The Fame Recordings』(Ace/Pヴァイン:4)。黒くて熱くて……タワレコで聴いた瞬間に思わずレジまで直行していました。普段あまり聴かないタイプの音楽だけど、ここに宿っているディープなソウル魂には圧倒される以外ないです。

ではでは、2013年も素敵なリイシュー盤に出会えますように。ちなみに、大晦日は1人で〈紅白歌合戦〉を観る予定です。

 

▼文中に登場した作品を紹介。

左から、マニック・ストリート・プリーチャーズ『Generation Terrorists 20th Anniversary Edition』(1)、ブルー・ナイル『Hats Collector's Edition』(2)、ワーキング・ウィーク『Working Nights Deluxe Edition』(3)、ダン・ペンの自作自唱集『The Fame Recordings』(4)