チャン・ギハと顔たちでギタリスト/プロデューサーを務める日本人メンバー・長谷川陽平が、ソウルは弘大(ホンデ)に集まるミュージシャンの生態に迫る連載! 今回はチャン・ギハ氏のラジオ番組における人気コーナーのお話です
2月になりましたが、何となく、1月って1年のなかでいちばん時の流れが遅く感じるんですよねえ。当然気のせいなんですけど、やはり正月ボケからの復帰がなかなかできないからでしょうか(笑)。
いよいよサード・アルバムのレコーディングへ本格的に突入するわれわれチャン・ギハと顔たちですが、2013年は東京でのライヴから始まりました。そのステージも好評で、いいスタートが切れたかなとホッとしております。
さて、また今回も手前味噌ではありますが……われわれの近況かつ宣伝などを。チャン・ギハはただいま、韓国のラジオ局・SBS Power FMにてレギュラー番組である〈チャン・ギハのどえらいラジオ!!〉を毎日やっておりまして、さらにそのなかで週1回、〈陽平 LP Bar〉というコーナーを私が担当させてもらっております。
収録中の長谷川氏(左)とチャン・ギハ氏(右)
実は韓国でも最近はアナログ(ヴァイナル)・ブームでありまして、ミュージシャンや若い音楽マニアがこぞってターンテーブルを買いはじめています。チャン・ギハもその一人で、先日の来日時のオフは私とレコ屋回りをし、タワレコ新宿店でもテレヴィジョンのファースト・アルバムやポール・マッカートニーの2012年のアルバムをヴァイナルで購入しておりました。ちなみに彼の帰りの荷物は盤だけで16キロくらいあった模様(苦笑)。
で、そのブームを巻き起こすのにひと役買ったと言われているのが私のコーナーだ、とも言われているワケです。選曲は私任せで、売りは〈全曲ヴァイナルでかける〉というものです。ですから、ラジオのゴールデンタイムと言われる時間に韓国の60~70年代歌謡や、欧米のサイケやパンク、南米やアジアなどのいわゆる〈辺境モノ〉などをごちゃ混ぜにして片っ端からバンバンかけるという無茶(!?)なコンセプトとなっております(笑)。具体的に言えば、浅川マキさんからシルヴァー・アップルズ、ダムド、シン・ジュンヒョン先生(祝・USから正規リリース!!)、インドネシアのベニャミンSがごっちゃに流れる……といった感じでしょうか。
当初はこんな選曲で大丈夫か?と思いましたが、ところがどっこい、聴き馴れない音楽に興味津々のリスナーたちに支えられ、〈番組の看板コーナー〉とまで言われるようになりました。スタジオにリスナーを呼んでの公開放送はかなりの応募数があってビックリ!! しかし、これまで集めてきたヴァイナルがまさかこんなふうに役立つとは思いませんでした。
こうして書いてもピンとこない方が多いでしょうね。〈どうせ聞けないしなあ……〉と思っていらっしゃると思います。いえいえ、そこはITの時代(笑)、簡単に聞くことができます。韓国のSBSのサイトより、リアルタイムでストリーミング可能でありまして、さらにスマホですとアプリ〈Gorealra〉をインストールすれば聞いていただけます。放送は毎日夜10時より2時間、107.7Mhzの〈Power FM〉を選択していただければOKです。
韓国から流れてくる〈アナログ〉な音、ぜひ一度聴いてみてくださいませ!!
PROFILE/長谷川陽平
韓国のバンド、チャン・ギハと顔たちのギタリスト兼プロデューサー。95年に韓国へ移住し、トゥゴウン・カムジャやサヌリム、ファン・シネ・バンドなどで活動。現在は他にもミミ・シスターズや美男美女の〈美男〉ギタリストを務めたり、若手パンク・バンドのLook & Listenのプロデュースなども手掛けている。いつもここでつぶやいてます→https://twitter.com/lghopper_Yohei