THE VIRGINS
ジュリアンの手を借りて再出発!
NYから彗星のように現れ、“Rich Girls”がローリング・ストーン誌の選ぶ〈2008年の100曲〉に。その勢いのまま初作『The Virgins』をリリースし、〈フジロック〉にも出演するなど大きな注目を集めたヴァージンズだが、長期に渡るツアーの疲弊から活動を停止。あれから5年の時を経て、中心人物のドナルド・カミングを除いたすべてのメンバーを入れ替え、このたび再出発を果たした。手を差し伸べたのは、かねてからバンドのファンであったというストロークスのジュリアン。セカンド・アルバム『Strike Gently』は彼が立ち上げたレーベルのリリース第1弾として発表される運びとなったのだ。カラフルでポップな印象が強かった前作に対し、本作はニューウェイヴ的な色を残しつつも、よりギター・ロックに寄った印象。全体的にストロークスにも通じる独特な揺らぎの感覚があり、そこがカッコイイ。*吾郎メモ
BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB
『Specter At The Feast』 Vagrant
ストロークスやホワイト・ストライプスを起点とするガレージ・ロックの新しい潮流のなかで、2000年代前半に頭角を現したバンド。だが、デイヴ・グロールのスタジオで録音されたこの新作を聴くと、彼らは西海岸のバンドでありながら、どちらかと言うとジーザス&メリー・チェインなどに通じるUK/ヨーロッパ的な湿り気があることに気付かされる。ダークな色気を開陳した転機の一枚か。 *吾郎メモ
THE THESPIANS
『Haven't You Heard?』 The Thespians/VINYL JUNKIE
リヴァプールの若き4人組が作った初のアルバム。青春の刹那を見事に切り取ったガレージーなナンバーに加え、男女ヴォーカルが甘酸っぱいモータウン調や、ジェイク・バグに通じるフォーキーな曲まで披露している。つまりストロークス以降のロックンロールを自分たち世代の音と信じながらも、ホームタウンの伝統だって決して忘れない、実に英国的なチルドレンと言えよう。 *山口智男