1. The Beginning
フィールドこそ違えど、互いのグループで現場を共にした経験のあるMIGHTY CROWNのMC、MASTA SIMONとの共演。〈いい音楽にジャンルなんて関係ない〉という一言は、本作全体のテーマでもある。数々の客演でもお馴染みのSIMONのマイク力はここにも。*一ノ木
▼2013年のコンピ『MIGHTY CROWN Presents LIFESTYLE RECORDS COMPILATION VOL.5』(LIFESTYLE/ユニバーサル)
2. Super Sonic
このところのthe HIATUSではギター・ロックとやや距離を置いたアート志向を窺わせる細美武士だが、ここでは煌めくシンセと力強いビートに乗って、聴き手をグイグイと牽引するような歌声を披露。開放感に満ちたサビメロの爆発力と相まって、思わずガッツポーズしたくなるアンセムに! *北野
▼the HIATUSの2011年作『A World Of Pandemonium』(フォーライフ)
3. After The Rain
ライヴで、はたまた音源で、事あるごとに共演を重ね、前作にも顔を出したミクスチャー界の雄、Kjがふたたび参加。アイデアの段階からそれぞれがギターやベースを手にして曲のイメージを共有したという作業は、気心の知れた両者ならでは。Dragon Ashが見せるピースな側面とリンクする曲調も、Kjの勝手知ったるところだろう。〈誰も正解はなく苦しい/それでも世界は美しい〉の一節が暮れなずむトラックに染みる。Kjの一言から参加が決まったというLeyonaも、リラックスしつつツボを外さぬ歌唱でトラックに寄り添う。*一ノ木
▼左から、Dragon Ashのニュー・シングル“Here I Am”(MOB SQUAD)、Leyonaの2012年のコラボ・ベスト+ミニ・アルバム『you've got a friend/GO GO POWER』(cutting edge)
4. Mirror Ball
山嵐とはツアーなどで対バン歴のあるTOTALFATより、ShunとJoseがツイン・ヴォーカルで美しくエモーショナルなハーモニーを聴かせる爽快なロック・チューン。キラキラと光り輝くギター・サウンドはひたすらにポジティヴで眩しく、ソロ活動を経て軽快なスタイルにますます磨きをかけたRIP SLYMEのPESも、人生をダンスフロアになぞらえた彼らしいユニークな視点のラップで華を添えている。このアルバムには全体に音楽愛が漲っているが、それをとりわけ深く感じる1曲だ。*北野
▼左から、TOTALFATの2012年作『Wicked and Naked』(キューン)、PESの2012年作『素敵なこと』(unBORDE)
5. F
山嵐とはかねてより親交の深いJESSE(RIZE)が、AK-69とマイクを交わした“eyes”ほか2曲に参加した前作に続く共演曲。それぞれが楽器を持ち寄った曲作りは、Kjとの“After The Rain”と制作スタイルが共通している。ダンスホール的なシンセやクラップ使いを呼び水に、ヘヴィーなギター・サウンドが躍るサビへとトラックを導く。AK-69に代わって今回は3作目を発表したばかりのRYUZOを相手に回し、〈Fワード〉始まりのサビと共に〈全部こめて吹き込んでるヴァイブ〉を具現化。アルバムにハードコアなタッチを注入する、本作きってのワイルドな一発だ。*一ノ木
▼ジャケは登場順に、JESSEの2012年作『Stand Up』(TENSAIBAKA)、RIZEの2010年作『EXPERIENCE』(ユニバーサル)、RYUZOの2013年作『MESSAGE』(R-RATED)