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BOB DYLAN

連載
NEW OPUSコラム
公開
2013/09/18   00:00
ソース
bounce 359号(2013年9月25日発行)
テキスト
文/ダイサク・ジョビン


派手なアレンジを施したキャリア屈指の異色作『Self Portrait』には別の顔があった!?



ボブ・ディラン〈The Bootleg Series〉の第10弾にあたる〈Another Self Portrait〉は、69〜71年の間にレコーディングされた音源が中心。プロデューサーのボブ・ジョンストンによってオーヴァーダブされる前の、『Self Portrait』(70年)収録曲のオリジナル・セッションや、同年発表の『New Morning』収録曲も含めたアレンジ違いの別ヴァージョンにデモ・トラック、そして未発表ナンバーが2枚のディスクに渡って計32曲収められている。

新旧フォークのカヴァーが中心だった『Self Portrait』の未発表曲は、〈どうしてボツになったの?〉と言いたくなる出来映えで、ディランのヴォーカリストとしての魅力が十二分に堪能できる。また、オリジナル・セッションのほうは音数少ないシンプルな演奏によって〈歌〉の素朴な良さが際立ち、〈原曲よりも良いのでは?〉と思えてしまうほど。ジョージ・ハリソンが参加したナンバーを含む、アレンジ違いの別ヴァージョンも新鮮に聴こえてとっても良い仕上がりだ。なお、デラックス・エディションは、69年のワイト島フェスティヴァルでのライヴの完全版と、『Self Portrait』のリマスター盤を加えた4枚組となっています。



▼70年に発表されたボブ・ディランのアルバム。
左から、『Self Portrait』『New Morning』(共にColumbia)