1. Take On Me xxx 岡村靖幸
オープニングで取り上げたのは、ノルウェー発のシンセ・ポップ・バンド、a-haが85年に生んだ一世一代のヒット・ナンバー。この曲をもっとも特徴づけているシンセのフレーズを活かしつつ、近年の岡村靖幸が得意とする4つ打ちを基調としたエレクトロニック・ファンクに仕立てている。
▼岡村靖幸の2013年のシングル“ビバナミダ”(V4)
2. Girls Just Want To Have Fun xxx N'夙川BOYS
オリジナルは80sを代表するポップ・アイコン、シンディ・ローパーのデビュー・シングル。カラフルなシンセを散りばめ、深いエコーに沈めたドリーミーな音像が心地良い。相変わらずワイルドなN'夙川BOYSの男性陣もさることながら、リンダdadaとカエラのキュートに弾けるツイン・ヴォーカルも聴きどころだ。
▼N'夙川BOYSのニュー・シングル“Hello,999”(Getting Better)
3. FUNKYTOWN xxx 石野卓球
ディスコ隆盛時代の終焉期に登場したプロジェクト、リップス・インクが79年に残した世界的ヒット・チューンを、日本随一のテクノ・マエストロを迎えてカヴァー。原曲の肝である明滅するようなシンセ・ベースを継承しながら、現代的な音像のダンス・ミュージックへとアップデートしている。
▼電気グルーヴの2013年作『人間と動物』(キューン)
4. Two Of Hearts xxx Chara
80sディスコ・シーンの歌姫、ステイシーQと言えばこの曲“Two Of Hearts”(86年)だろう。ここではユーロビート様式のダンス・ビートと哀愁を帯びたメロディーをすくい上げ、フレッシュに再解釈。鮮烈な印象を残すオリジナルのサンプリング・ヴォイスをCharaに担わせるというアイデアが光る。
▼Charaの2012年作『Cocoon』(キューン)
5. Heart Of Glass xxx チャットモンチー
後にセックス・シンボルとなったデボラ・ハリーを擁し、70年代のNYパンク・シーンに身を置いていたバンド、ブロンディがディスコへと接近し、メインストリーム・ポップ界隈でも存在感を発揮するきっかけとなった79年のナンバーをピックアップ。ここではチャットモンチーの2人を迎え、至極シンプルな骨格のダンサブルなロック・サウンドに料理しており、抜けの良い軽やかな味わいが印象に残る。
▼チャットモンチーの2012年作『変身』(キューン)
6. Crazy Little Thing Called Love xxx 斉藤和義
〈ロックの殿堂〉入りも果たしている説明不要のモンスター・バンド、クイーンの楽曲群からカエラが選んだのは、ロカビリーにアプローチした79年のナンバー“Crazy Little Thing Called Love”。オリジナルの意匠をストレートに汲み取ったアンサンブルはひたすらにご機嫌だ。斉藤和義のギター・プレイにも注目したい。
▼左から、斉藤和義のニュー・アルバム『斉藤』『和義』(共にスピードスター)