7. SUNDAY MORNING xxx 細野晴臣
ハリー御大と共に挑んだのは、パンク以降のアーティストにもっとも影響を与えたバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドによる66年の大名曲。ひたすら美しく可憐な原曲に即した仕上がりだが、ギターのカッティングと太いベースが描くしなやかなグルーヴ感は、今回のヴァージョン独自のものだ。
▼細野晴臣の2013年作『Heavenly Music』(daisyworld/スピードスター)
8. You Really Got Me xxx 奥田民生
ブリティッシュ・ロックのレジェンド、キンクスの代名詞的な64年曲をチョイス。ハードなギター・リフで押し通すこのナンバーはシンプルにカヴァーするのがいちばん!とばかりに、原曲に忠実なアレンジで一気に走り抜ける。楽しげに演奏する奥田民生の表情がありありと窺える、痛快な仕上がりだ。
▼奥田民生の2013年のシングル“風は西から”(キューン)
9. Fight For Your Right To Party xxx CSS
パンクとヒップホップを愛する永遠のキッズ、ビースティ・ボーイズのパーティー・アンセム“(You Gotta)Fight For Your Right (To Party!)”(86年)をブラジル発のディスコ・パンク・バンド、CSSとのコラボで再解釈。疾走感たっぷりのエレクトロ・ディスコになっていて、これは理屈抜きに盛り上がるでしょう。
▼CSSの2013年作『Planta』(Sub Pop)
10. SWEET DREAMS(ARE MADE OF THIS) xxx POP ETC
原曲は、80年代を席巻したポップ・ユニット、ユーリズミックスが83年に発表した官能的かつメランコリックなヒット・ナンバーだ。近年、エレクトロニックな方向に舵を切ったUSインディー界のポップ・ミュージック・オタク(!?)とこの曲との相性は抜群。ダンサブルで淫靡なサウンドが堪能できる。
▼ポップ・エトセトラの2012年作『Pop Etc』(Rough Trade)
11. MY GENERATION xxx 岸田繁(くるり)
ロック史上における最重要バンド、ザ・フーが65年に発表したモッズ・カルチャーの教典的なナンバーを、くるりの岸田繁と共にカヴァー。ラーガ風味のエキゾでサイケデリックな一大セッションを展開しており、アグレッシヴな原曲とはまったく異なるアプローチに驚かされる。
▼くるりのニュー・シングル“Remember me”(スピードスター)
12. RAINY DAYS AND MONDAYS xxx Predawn
洗練されたポップソングを次々と世に送り出し、70年代に絶大な人気を博したカーペンターズ。いまも多くのアーティストにカヴァーされ続けている彼らが71年に残した極上のピアノ・バラードを、女性シンガー・ソングライターのPredawnを迎えてフォーキーに変換している。静謐な音世界とふたりのハーモニーがただただ美しい。
▼Predawnの2013年作『A Golden Wheel』(Pokhara/HIP LAND)