メキシコシティ在住のライター・長屋美保が、メキシコのローカルな音楽情報をお届けする連載! 第2回は、バイカーやロカビリー愛好家が集まった粋なフェスティヴァルの模様と、USで活気付いているメキシコ伝統音楽のソン・ハローチョについて!
¿Qué Onda Güey?(調子はどうだい、メ~ン?)。寒中お見舞い申し上げます。
アメリカ合衆国に到来している大寒波の影響か、ここのところ冷え込むメキシコシティです。暖房はないので、家の中でダウンを着て凍えております。ああ、日本のラーメンが恋しい!!
ラーメンはさておいて、2014年最初の〈ハポチランガ・クロニクル〉は、ヴィンテージ・カーやバイク、ロカビリー愛好家が集まるフェスティヴァルのレポートと、アメリカ合衆国各地で盛り上がっているソン・ハローチョ(メキシコ東部ベラクルス州発祥の伝統音楽)シーンを牽引するアーティスト、セサル・カストロについて紹介します。
まず、2013年12月28日に開催された、ヴィンテージ・カーやバイク、ロカビリー愛好家が集まるフェスティヴァル〈La Onda Kustom Festival(ラ・オンダ・カスタム・フェスティヴァル〉について。
フェスティヴァル会場のグランフォーラム入口
会場の駐車場にはクラシックな車体がズラリ! メキシコにはフォルクスワーゲンの工場があるため、
ワーゲンのビートルや古いヴァンをたくさん見かけるのです
メキシコの年代もので状態のいい車にはアンティーク・カー専用のナンバー・プレートが付くんですよ!
バイカーたちが集合
会場前にはクラシックなバイクが並んだ
会場はメキシコシティ南部、地下鉄Tasqueña(タスケーニャ)駅近くにある、Gran Forum Paseo Cultral(グラン・フォールム・パセオ・クルトゥラル)という音楽家組合の運営する文化施設。コンサート・ホール、音楽教室も付属しています。
この組合が主催し、毎週火曜日に行われる中古楽器の露天市は、音楽ファンならば知らない人はいません(その露天市に関しては、またの機会にレポートします)。
建物中庭には、(左から)藤子不二雄A、仲本工事、矢沢永吉、手塚治虫の銅像が!!
……とビビったのですが、この音楽家組合のために貢献したメキシコの音楽家の方々でした
音楽クラスの案内や、〈楽器売ります、買います〉の案内が建物内の掲示板に貼られています
このフェスティヴァル、メキシコシティの中心部・セントロ地区にある、バイカー/ロッカーのためのファッション雑貨ショップ兼タトゥー・スタジオ〈La Onda Show Room And Tattoo( ラ・オンダ・ショールーム・アンド・タトゥー)〉の開店1周年記念のために開催されました。
〈ラ・オンダ・カスタム・フェスティヴァル〉の主催者たち。
(左から)レノとステファニー、パムとエリオット
会場には気合いの入ったファッションの人たちがたくさん集合し、眺めているだけでも楽しかったです。
会場風景
ヴィンテージ・カーが続々登場
ローライダーも! アステカの女神とカウ・ガールのペイントがイカす!
ヴィンテージ自転車もあった
気合いの入ったお姐さんたちにヴィンテージ・カーの横でポーズを取ってもらいました
ロカビリーやサーフ・バンドのコンサートに、ヴィンテージ・カーの展示、ロッカーやバイカー系、オールディーズ系のファッション雑貨露店市も行われ、大盛況でした。
バイク・グッズからレトロな雑貨まで、いろんなお店がたくさん出店
パンク、ロック、ガレージのアナログ販売もあり
バイク・カルチャーやタトゥー、ヴィンテージにインスパイアされたファッションを提供する
ショップ〈Loose Blues〉の出店も
(左)素敵なピンクの髪のレディーがロカビリー・メイクをしてくれるブース
(右)必ず男前な髪型にしてくれそうなバーバー・ショップ
身だしなみの必需品・ポマードは飛ぶように売れていました
フード・セクションでは50sスタイルのLucys Dinerが出店して、ハンバーガーやシェイクを提供
コンサート・ホールでは、パンク、サーフ・ガレージ、ロカビリーのバンドが出演するライヴも行われていました。でもいちばん盛り上がったのはロカビリーで、お兄ちゃん・お姐ちゃんたちがペアで華麗なダンスを披露しておりました。
コンサート・ホールの様子
客席の様子
来場者たちはロカビリーで踊りまくり。写真には収まっていませんが、
かなりアクロバティックなダンスを繰り広げていました
ファッションと音楽やライフスタイルが直結していて、とてもイイ感じ。メキシコでは全編オールディーズな学園ミュージカル映画「グリース」(78年)がいまだに根強い人気なのですが、その理由がよくわかったような気がします。
ロックンロールの粋な不良さを漂わせながらも、子どもから大人まで楽しめる、アットホームなイヴェントでした。