トップ > 最近のJAZZー二管の響き
編集部の中で一番の年長故に、他の二人に比べるといっそう鮮明に生もの中心になって来ている、ような気がする。本業(レコーディング・ディレクター)では、よりいっそう生楽器にこだわるようになってきている気がする。今年の始めに聴いたゴンサロ・ルバルカバの新譜は、いまだに、その印象が耳からはなれない。最近、編集部で聴いた『Roy Hargrove Quintet / earfood』(ユニヴァーサル)は、特に、耳あたらしいところがあるわけではないが、とても気に入っている。いきなり、シダー・ウォルトン(p)のファンキーな曲で始まり、途中、ラリー・ウィリス(p)がジェリー・ゴンザレス(tp)のフォートアパッチ(ジャコ・パストリアスも憧れた伝説のラテンジャズバンド!)在籍中に書いたラテンジャズの佳曲『TO WISDOM THE PRIZE 』を経由、全14曲というボリュームでアルバムが終了する。余談だが、最近、サウンドが一貫している音楽は、CDの収録ぎりぎりまで使い切る長時間のもので、いいような気がしている。そのほうが、たっぷり、ゆっくり楽しめる(DL派には関係ないか)。問題は時間を忘れさえてくれるようなレコーディングの質だし、演奏/音楽の質かな。さて、一時期のROY HARGROVEといえば、ミニマイルスあるいはウッディ・ショーのようなサウンドでこりかたまったトランペットという印象があった。あっ、これはもしかしたらウォーレス・ルーニーのことかもしれない。時間のせいか、気のせいかよくわからないが、こちらもそんなに熱心にジャズの新譜を聴いていたわけではないせいもあって、とてもフレッシュにファンキーなジャズが、耳に心地よく響いてくる。最近、菊地成孔のダブセクステットのライブを、新宿のクラブハイツで聴いた。こちらは、もっとマイルステイスト/コンセプトを躊躇いもなく露出させたサウンドなのだが、ゴンサロ、ロイ、今度新譜の発売が予定されている菊地、いずれのアンサンブルも二管をとても美しく響かせる。ファンキー/モードジャズのアブストラクトな美しさ、再発見か?そろそろ初期ウエザー・リポートを、二管にピアノの3リズムという編成でカヴァーするバンドが出てきても不思議じゃないような気がするのだが、どうでしょう? 実は、もうあったりして。ついでに、ジョン・ゾーン/ジョージ・ルイス/ビル・フリゼールのハードバッププロジェクト”News For Lulu”は、復活しないのだろうか?復活してたりして。