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カテゴリ : JAZZ IT UP! CAMPAIGN 

掲載: 2009年10月18日 00:00

更新: 2009年10月18日 00:00

文/  intoxicate

昨日の香津美さんに引き続き、JAZZ IT UP! キャンペーンの小冊子から、お三方からのジャコパスへのコメントです。



ジャコ・パストリアス



愛のコメント from 渡辺香津美、松下佳男(ADLIB編集長)、中村梅雀(俳優、ベーシスト)



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『トミー・ストランド&ジ・アッパー・ハンド』ジャコ・パストリアス
[Holiday Park/King International KKJ-4] 
 



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from 渡辺香津美
僕は83年のワード・オブ・マウスのジャパン・ツアーに参加したんだけれど、リハーサルは譜面もなく、とてもユニークだった。ステージでは僕のソロの時「音が小さい」ってアンプのヴォリュームをフルにしたり、アンコールで予定外の曲をいきなりやりだしたり。「これはしちゃいけない」、という通常みんなが思う感覚は彼にはなかったけれど、そういうことがある意味すごく勉強になった。ただ音楽や楽器の可能性にリミットを設けなかった分、結局は自分自身の人生の枠からも外れていってしまった、という気がしてね。僕にとってジャコはつむじ風、でしたね。今でも時々風が吹いてくると思い出したりしてね。風になって音の世界を旅しているんじゃないかな。ベースの分野では永遠の存在だし、ある意味死んだことで永遠の命を得た、ということなんだと思う。



Hart_4 from 松下佳男(ADLIB編集長)
ベース革命を起こした『ジャコ・パストリアスの肖像』(1976年)は突然、目の前にたたき出された衝撃的な作品だった。当時多くのリスナーは「この男は何者?」という疑問が頭のなかを駆け巡ったに違いない。その後いくつかの疑問に対して、答えは明らかになった。様々 なインタビュー、分析記事、論評、解説、伝記まで発表された。それでも、多くの部分が未知のまま残されていた。そのミステリアスな部分が解明され始めたのは1976年以前の彼がプレイしていた音源を収めたサウンド・バイオグラフィー『ポートレイト・オブ・ジャコ』(2003年)がリリースされてからだった。そこにはジャコという天才の真実の起源を物語る音楽、言葉、写真が収められていた。ジャコの友人、ボブ・ボビングが、関係者、ミュージシャン仲間、家族などのサポートを得てプロデュースしたこのアルバムは、ジャコがどうして“あんなベース・プレイ”をしたのかの具体的な答えが発見できるものとなった。その壮大な作品を元にスタートした“ジャコ・アーリー・イヤーズ・シリーズ”の第2弾『トミー・ストランド&ジ・アッパー・ハンド』(第1弾:「ウッドチャック」)は、ジャコが“ベース革命”をスタートさ せた歴史的な瞬間が捉えられた画期的な作品だ。20歳のジャコが世界一のベーシストを目指す自信を胸に秘めながら、愛用のブラック・ベースでの先鋭的で、躍動するファンク・ビートが120%堪能できる。



Hart_5 from 中村梅雀(俳優、ベーシスト)
ジャコのプロミュージシャンとしてのスイッチが入り、集中力と吸収力の塊となって成長し始めた時期に「どうしても欲しい」と、熱望して手に入れた"Black Bass"。物凄く練習したであろうこのベース が、 運命的な出会いで我が家に来て以来、不思議な事が起きる様になりました。"Black Bass"でプレイした『トミー・ストランド&ジ・アッパー・ハンド』の音源がCDとして発売される事になったのも、その一つです。このCDを聴いているとジャコの成長ホルモンを感じる様で、心が熱くなって来ます。



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写真提供:松下佳男



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『ブライト・フォーチュン』中村梅雀
[ローヴィング スピリッツ RKCJ-2036 ]