「後宮」の決定盤のひとつであるクリップス&VPOの1966年再録音盤を、最新復刻盤として世界初SACD化!最上の音質を目指し新規で本国アナログ・マスターテープより復刻。歌詞対訳、新規解説付。シリアル・ナンバー付800セット限定盤
クリップス&ウィーン・フィルによる当時最高峰の「後宮」を最新で復刻。DGのベーム盤と並ぶ往年の名盤が最高音質で復活しました。クリップスは同じくウィーン・フィルと1950年にもこの曲を録音していますが、この1966年盤ではより明瞭な表現や歌手陣の充実さが図られ、音質の向上も合わせて現代でも通じる高い完成度を誇る名演を披露しています。個性的かつ魅力的な歌手陣、より喜劇の楽しさも味合わせてくれるウィーン・スタイルのこの演奏は大変魅力的です。岸 純信氏による作品の詳細な楽曲解説やあらすじを記した新規解説書も必読。今回の発売のために本国のオリジナル・アナログ・マスターテープから192kHz/24bitでデジタル化したマスターを用い、SACD層、CD層別々にマスタリング。歌詞対訳、新規解説付。永久保存盤です。800セット限定のシリアル・ナンバー付。
クリップスは同じくウィーン・フィルと1950年にもDECCAレーベルで「後宮」を録音しており、この1966年収録盤は再録音となります。時期的な隔たりもあって歌手陣は入れ替えられているものの、オーケストラと合唱団は同じであり、指揮も基本的な解釈はその延長上にあると言って良いでしょう。しかしながら違いもいくつかあります。クリップスの指揮は余裕が出てテンポはゆったりとしており、歌手がより歌いやすい場面が増えたように思われます。音楽的な成熟を感じさせ、全体として落ち着いた演奏となっていることが名盤として支持される理由のひとつでしょう。そして一番の魅力は、多くの歌手含めウィーン・スタイルで統一されている点が挙げられます。戦後ウィーン国立歌劇場を再興し、モーツァルトの演奏スタイルを確立させたクリップスの手腕が随所に活かされているのは、他のどの名盤でも味わえない魅力です。ローテンベルガー含め実力のある歌手で固められていることで完成度の高い情感や表現が際立っている点も名盤度を高めています。また、この盤では収録時27歳であったルチア・ポップが加わっていることも華を添えています。モーツァルトを得意とした彼女の声質は可憐でありながらもしっかりとした存在感があり、その後の活躍を思わせるに十分な力量を感じさせます(尚、2023年は没後30年にあたります)。作品としては他の有名作品ほど聴く機会は少ないかも知れませんが、実力を伴ったこの盤はモーツァルトの素晴らしさ、オペラの楽しさをリスナーに届けてくれる重要な盤であることは間違いありません。今回復刻の1966年盤はステレオ録音でもあり、音質も最上です。そのため、SACD化により収録時の雰囲気を高音質で堪能できる点も見逃せません。
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タワーレコード(2023/05/26)
今回、本国にあるオリジナルの2Chのアナログ・マスターテープから、192kHz/24bitでデジタル化を行ったフラットマスターを使用し最新でマスタリングを行っています。マスターは総じて整ったバランスであり、経年変化も少ない状態でした。そのため、極力オリジナルのバランスを重視し、音楽的な観点でのマスタリングを心掛けました。それにより楽器の距離感や奥行きなど見通しが良くなり、さらに定位が向上したことでストレスなく最上の演奏をお楽しみいただけます。尚、解説書には岸 純信氏による新規文章を掲載しました。
このシリーズでは、SACD層では伸びのある高域と柔らかなニュアンスと共に高い解像度と豊かな音場を、CD層はまとまったしっかりとした音と共に押し出される実在感ある音色を目指しています。CD自体のポテンシャルも高く、むしろ両方の良さを堪能できるSACDハイブリッド盤としてもお楽しみください。今回のDefinition Series第56弾は、計2タイトルを発売いたします。
<オペラ復刻コンセプト>
旧EMIレーベルはオペラ音源が多数ありますが、CD時代においては一部の有名な音源以外は再発が少なく、尚且つ国内盤では再発時に歌詞対訳が付いていない状況が長く続いていました。最近では輸入盤含め復刻自体が少ないのもご承知の通りです。そのようななか、このDefinitionシリーズではこれまで何作かオペラの復刻にトライしてきました。旧EMIレーベルのポリシー含めわかってきたことのひとつに、オリジナルのアナログ・マスターテープの保存と維持は概ねしっかりしており、LP時代含め再発や新規リマスターが少ないアイテムに関しては、マスターテープ(2ch)の再生頻度が少ないため良いコンディションのものが多いということです。とりわけ再発が少ない盤のなかには、デジタル初期にCDマスターが1度だけしか作られなかった音源もオペラでは多数あることが判明しました。そのため、それらの音源を最新で復刻した場合、昨今のデジタル変換プロセスにおいては従来盤以上に最良の音質で復刻できるため、従来盤との音質差は歴然となります。またオペラの復刻は、録音面において当時はそれぞれ相応のコストをかけて収録されているものも多く、そのクオリティを高音質化でより活かせるという点もプラス要素です。尚、マスターテープの経年変化という問題も存在しますが、旧EMIの音源に関しましては他のメジャーレーベルと比較すると劣化は少な目でした。むしろ前述の再生頻度による差の方が大きいようです。いかに埋もれている名盤の数々をリリースまで持っていけるかということにも注力した上で、今回も復刻アイテムを決定いたしました。以上の事を踏まえ、オペラの重要録音を今後もリリースしていく所存です。
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タワーレコード(2023/05/26)