THE YELLOW MONKEYディスコグラフィー

ALL TEXT BY タワレコスタッフ

アルバム

Bunched Birth

Bunched Birth

1991年

1991年リリース、唯一のインディースで発表されたアルバム。ライブでは節目節目のたびに欠かさず披露されていた定番曲「WELCOME TO MY DOGHOUSE」や、吉井和哉がTHE YELLOW MONKEYで初めて作った楽曲「LOVERS ON BACKSTREET」、タンバリンプレイが鮮やかで華やかなで艶やかな「SLEEPLESS IMAGINATION」など、シニカルで独特の世界観、美しくもどこか影のある中毒性を持った珠玉の名曲揃い。今聴いてもゾクゾク感が止まらない、まさにTHE YELLOW MONKEYの原点といえる1枚。(203🎵)

THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE

THE NIGHT SNAILS AND PLASTIC BOOGIE

1992年

記念すべきメジャーデビュー作。どれが本当の声か分からない繊細すぎる歌声、やたらカタカナの多い難解な歌詞、親の車でかけるのを少しためらう内容、どこか悲しい、なのにキラキラとした美しい旋律、そしてたまに切り裂くカッコ良すぎるギター、それらすべてを好きにさせているゆるぎないリズム。『ここから早く出たいよ!』と歌っていた頃から、そして今も、全部健在じゃないかと改めて気づく。万人に媚びない、ひねくれPOPソングたち②③④⑧⑩。最っ高に気持ちいいギターリフの⑤。『change's coming』というリフレインが心にまとわりつく名バラード⑨。リリース時10代だった私は即効でラバーソウルを脱ぎ捨ててロンドンブーツに履き替えました。(ぬま)

未公開のエクスペリエンス・ムービー

未公開のエクスペリエンス・ムービー

1993年

チャートインへの強い思いが込められた同時リリースシングル「アバンギャルドで行こうよ」。一転、アルバムでは1曲目からトップスピードで凡人置き去り、アブラカタブラ・・・と好きにならずにはいられない妖しい魔法をかけられてしまう。自らを卑下する負の感情と突き抜けたエログロ、背徳感、分かってもらいたいのに分からなくていいとひねくれる思い、好きなのに嫌い、でもにじみ出る純粋な愛、そういったモノがマーブル上に渦巻いている1枚。今聴くと、時代がやっと追いつき抜き去っていったように感じる。日中プレイは②③⑤⑦⑨、⑪は暗くなってから、深夜プレイは他全部。自作MIXテープは⑫で締めくくってピッタリ収録できた思い出。26年経った今も私史上最高傑作。(ぬま)

jaguar hard pain

jaguar hard pain

1994年

デヴィッド・ボウイが3枚目で宇宙人になったように、イエローモンキーは3枚目で日本兵になった!戦死したジャガーの魂がタイムスリップして恋人マリーを探すというコンセプトアルバム!そうです、2枚目「未公開のエクスペリエンス・ムービー」で登場するあのマリーさんです!つまりは2枚目の時点でこの3枚目の構想が出来あがっていたということ!只者ではないバンドの証明!①の間奏では2枚目の⑬の歌詞「ジャガーはライフルで~」が入ってます!今ではライヴでデッカイ電飾が降りてくることでお馴染みになった⑨、このアルバムの最後を飾るに相応しい⑫アルバム1枚でまるで演劇を観ているかのような完璧なコンセプトアルバム!これぞ名盤!(ヒラ)

smile

smile

1995年

当時第五のメンバーと呼ばれたキーボーディスト三国義貴の初参加アルバム。バンドの名がお茶の間にまで轟く、その風穴を開けた楽曲と言えるだろう”Love Communication”収録。歌謡曲やフレンチポップスなどの多様なエッセンスが散りばめられた”マリーにくちづけ”から”ラブコミ”へ畳み掛ける流れからは、ロックファンを含めた万人を熱狂させようとするバンドの強い意思が垣間見られる。特にロビンの歌声は曲ごと別人かのように変化。片や多重コーラスによるミサのような厳かな序曲に陶酔、片やエロスを前面に押し出した歌詞やメロディに吸い込まれてしまう。その多面性は発売から四半世紀が経とうとする今でも斬新に響く。(PR寺浦)

FOUR SEASONS

FOUR SEASONS

1995年

初の英国レコーディング作品で、かの歴史あるスタジオ・リッジファームも使用された。アッパーな曲が多く、初めて手に取るのにもオススメの1枚。再結成の軌跡を記録したドキュメンタリー映画「オトトキ」(2017)の中でメインメッセージを放った楽曲“FATHER”は必聴。ヒーセのベースリフが、父親との思い出を糧に前進する時の心情をメロディアスに表現しているかのようだ。8thアルバム収録の“カナリヤ”にも繋がるテーマを感じる。エマ作曲の”空の青と本当の気持ち”も言わずもがなの大傑作。全曲を通して聴き手の身体を突き抜けるように響き渡るブリティッシュ・サウンドは「野性の証明」と呼ぶに相応しい。(PR寺浦)

SICKS

SICKS

1997年

6作目のオリジナルアルバム。のちに「COMPLETE SICKS」として発売されたことから(DISC2デモ音源は必聴!)も重要作ということがわかるが、バンドの最高傑作と言っていい作品。4、5作目と明らかに変化が見られたが、その成功も周到しつつ初期の魅力も存分に備えた内容はまさに集大成。長尺の大曲①からSICKSの世界に惹きこまれ、先行シングル③をはじめ、ファンには堪らない表現の歌詞/名曲が続くが、中でも⑦の美しさ/激しさ・・は名曲度No.1と言ってもいいアンセム。他曲も曲ごとの完成度はもちろん、アルバムとしての世界観にもきっちりはまっていて、アルバム作品としての完成度は日本のロック史に刻まれていいもの。個人的には⑧を誰かとカラオケで完璧に歌いこなすのが夢。(ROCKSTAR)

パンチドランカー

パンチドランカー

1998年

一曲目から脳天に強烈なパンチ。印象的なドラムにギター、ベース、ヴォーカルが重なっていき、テンションは最高潮に!差し迫るような攻撃性を感じる、まさにライブのためのアルバムとも言える7枚目。このアルバム引っさげて、伝説となる史上最大の全国113本にも及ぶロングツアーを行う。シングル曲②⑩⑫⑬とヒット曲も多く収録。イエローモンキー流エロソング⑤も炸裂。へヴィなナンバーもあれば、朗読⑨もあり。そして最後ははポップに⑬で締めくくるという、多方向からのパンチの連続!攻撃性のなかにある弱さとエロスから感じる人間味に、戦わねば!と奮い立たされる。このアルバムに一言つけるとすれば『生命力』なのかもしれない。(佐藤)

SO ALIVE

SO ALIVE

1999年

唯一のライブアルバム。113本に及んだ「PUNCH DRUNKARD TOUR」から、メンバー自らがセレクションしたもので、1枚に納めていることもあり超エッセンシャルな内容。イントロから①のドラム~ベース~ギター‥と重なっていく始まりは今聴いても鳥肌もの。ライブならではの歌い回し、テンポ、迫力、熱狂が存分に楽しめるが、後に知るこのツアー時のメンバーの状態にも思いを馳せると、また違う感覚で聴こえくる。ツアーからの音源は⑪まで、⑫はボーナストラックとして「メカラ ウロコ・9」から収録だが、このオーケストラとの競演が圧巻でいつ聴いても感動を憶える演奏。シークレットトラック含め、映像ではなく音で当時の熱狂を想像して欲しい一品。(ROCKSTAR)

8

8

2000年

バンド史上最も長く過酷だったパンチドランカーツアー終了後、外部プロデューサーを起用したシングル曲とセルフプロデュース曲で構成された1枚!いち早くSPRING TOURで披露されたリズム隊の音が気持ちいい②やバンドのアレンジが加わりシングルとはまた違った顔を見せる⑤や⑧!意地で見事にストリングスを入れて完成させた曲⑩、今では歌詞がファンクラブの名前になるほどファンに愛されている⑬、日本大学で行われたゲリラライヴの後に元々仮で録音した音が使われていて、この時のバンドをリアルに鳴らしている⑭。音や曲構成など新たな引出しを開けまくって新たなイエローモンキーを探した今までにない作品!(ヒラ)

9999

9999

2019年

前代未聞の全曲生演奏というライヴバンドらしい豪華な世界最速試聴会で幕を開けた「9999」。19年振りだとか初のLAレコーディングだとかエンジニアはブラックキーズの「エルカミーノ」を手掛けたケニー・タカハシだとか話題は色々ありますが、聴いてもらえばただただ名盤だということが分かる。活動休止後のあの15年は空白なんかじゃないと思える結成30年50代の今のこの4人だからこそ鳴らせる無駄のないシンプルなサウンド!まさかのエンドロールから始まる①フェロモンがダダ漏れの③20,30代の頃には絶対に書かないであろう真っ直ぐで素直な⑦昭和歌謡臭プンプンの⑨既発曲と真っ新な新曲との流れもさすがです!愛の詰まった最高傑作!(ヒラ)

30TH ANNIVERSARY 9999+1 GRATEFUL SPOONFUL EDITION

30TH ANNIVERSARY 9999+1 GRATEFUL SPOONFUL EDITION

2019年

アルバム未収録曲3曲とLIVE DVD、超豪華ブックレットが付いたスプーン1杯では収まりきらない+1が付いた「9999+1」。CDは“ボナペティ”から始まり“ボナペティ”で終わる本当の「9999」。♦♥♧♠4種類のメニューのうち♦メニューの最終日の模様が丸っと収録されたDVD。会場内を練り歩くメンバーの様子もちゃんと収録されてます!SUCK OF LIFEで吉井さんが言う「ザ・イエローモンキーIS MY LIFE」は2019年の流行語大賞決定です!ツアー初日から最終日までの写真が盛り沢山のブックレットも必見!耳でも目でもツアーを堪能できるまさしくGRATEFUL SPOONFUL EDITION!♥♧♠の映像化も節に願う!(ヒラ)

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