【J-POPを極める】第1回:鍵盤男子を極める!
鍵盤男子を極める!
音楽をより深く楽しんでいただくための特別企画「極めるシリーズ」。J-POP第1回は「鍵盤男子」がテーマ。バイヤー厳選のアイテムを、コメントや紹介動画とともにお楽しみください。
1.さかいゆう 『さかいゆうといっしょ』
今、鍵盤を弾き語りながら唄う男性の像を思い浮かべたとして、さかいゆうのそれがまず出てくる、という人は多いと思う。この人の今に至るまでをたどったときに、「独学」でピアノを習得したというところに、おっ、となる。だからといって別段特殊なアプローチを行っているわけではなく、むしろ彼の作り出す音楽は実に現在的でそして普遍的に聴こえる。そんなさかいゆう初のコラボレーションとなる本アルバムは、普段の作品と比べてよりビートを感じさせる作品という印象。そういった意味で、他者と交わることでよりさかいゆうという人の趣味性が浮き彫りになっている作品とも言えないでしょうか。
2.大橋トリオ 『FAKE BOOK』
一人なのにトリオ。シンガーソングライター大橋トリオの歌は、不意にこちらの乾いた心に沁みこんでくる。本作は、そんな大橋トリオによるカヴァー・アルバム第1弾。宇多田ヒカル“traveling”や海援隊“贈る言葉”、マイケル・ジャクソン“HUMAN NATURE”といったスタンダード・ナンバーが彼の手にかかるとまるで違う顔をみせる。ロックもジャズもフォークも併せ持つ大橋トリオの音楽性は広がり続け、最新作となったオリジナル作品『PARODY』では、ほんとにカラフルで様々な表情をみせる作品を構築している。
3.原田真二 『ゴールデン☆ベスト 原田真二 OUR SONG~彼の歌は君の歌~』
CHAR、世良公則&ツイストとともに「ロック御三家」と呼ばれた原田真二のベスト・アルバム。“タイム・トラベル”、“キャンディ”、“てぃーんず ぶるーす”といったヒット曲を網羅。ほんとにこの人の存在が、日本の男性シンガーソングライターに与えた影響は大きいと思う。それまで、ピアノで弾き語ることは、フォークの系譜にあった。そこでこの若きカーリーヘアのベビーフェイスは、いとも軽快にピアノでロックしてみせた。松本隆の手掛ける歌詞とともに作り上げた「少年」的な世界は今もなお色褪せない。
4.大江千里 『WAKU WAKU』
シングル“ワラビーぬぎすてて”などを収録した、1983年リリースのデビュー・アルバム。プロデュースは、大村憲司が担当。
5.KAN 『テレビの中に』
1987年発表のデビュー・アルバム。アマチュアバンド活動時代の楽曲も数曲含まれている、フレッシュで未完成感あふれる作品。