映画『東京無国籍少女』の主演、清野菜名インタビュー
映画『東京無国籍少女』公開を記念して、主演の清野菜名さんにインタビュー!初主演作となる今作の見どころや、アクションシーンについての裏話などをお話してくださいました!
主演として選ばれてどうでしたか?
自分が好きなアクションだったので、得意分野ですし手を抜かずに出来ることはやりたいし、妥協はしたくないなと思いました。
『TOKYO TRIBE』に引き続き、今作でもアクションが多いですが、
『ウロボロス~この愛こそ、正義。』や、「生茶」のCMを見ていると両極端なイメージなのですが―
『TOKYO TRIBE』が初めてだったのでアクションが続いている部分があるんですけど、今まで演じた事のないキャラクターも多くて、アクションがないキャラは可愛いし、普通の女の子という役柄が多くて、(アクションするよりは)すごく難しく感じて新鮮ですね。役に対して考える事が多く、勉強になっています。アクションがない方が難しいです。
今作でのアクションシーンについて―
練習期間が3日しかなく、1日目はアクション監督がどれだけ出来るのか見たいという事で、基礎練習しか出来ず、2日目は軍事練習。銃を持ったり、床を這ったり。3日目でやっと立ち回りが出来た感じだったので、1日しか覚えられる時間がなく、大変でしたね。
吹き替えなしでやられているかと思うのですが、『TOKYO TRIBE』でもアクションシーンは多かったと思いますが、かなり大変でしたか?
『TOKYO TRIBE』とは全く違うアクションだったので、今までやった事のない新境地的な感じでしたね。だいたいアクロバットが盛り込まれたりするんですけど、今回は全くそれがなく、銃とかナイフばっかりだったので、全部初めてづくしで1から覚えていく感覚で、知恵熱がでました!(笑)
1日しかなかったら、そうなりますよね(笑)
しかし、短期間で覚えたと想えないくらい、ダイナミックなアクションでした!
よく頑張りましたよねー(笑)
監督のこだわりはありましたか?
銃が馴染む事が難しくて。「普通の女の子がただ銃を持っているように見えるのは嫌だ」と言っていたので、強く見せたい。でもその強さというのが「ロシア兵にも勝てるような雰囲気をかもしだす」とのことだったので、苦労しました。銃の持ち方も最初見てもらった時に「まだなんか持ち慣れてないなー」「馴染んでないね」って言われて、悔しくて銃を家まで持ち帰りました(笑)扱う銃が重くて長くて片手では支えられないんですよ。腕が痛くなっちゃうぐらい重いんです。片手で持つのに慣れるまで、壁と肩で挟んで、自分が持ちやすいポジションをたくさん探って、マガジンチェンジも見ないでやって欲しいって言われたので、テレビを見ながら何となく手を動かして慣れる。感覚的に慣れる練習をひたすらしました。
アクションや、銃の扱いに監督はこだわりが強かったんですね。
監督はこういう事にかなりオタクなので(笑)めちゃくちゃ詳しいんですよ!こだわりもすごく強いし、それに自分もこたえたいと思いましたし、期待を越えていきたい、出来るところを見せつけたい!と思い、頑張りました。
意外と大変だったシーンは、金子さんに後ろからつかまれて叫んでるシーンです。他のシーンよりも何回も何回もやり直しました。監督のこだわりが強く、声がガラガラになるまでやりました。
光の色とか、照明にもこだわっていたので、撮影している画がちょっとずつ変わっていったのがすごいかったです。オブジェがある部屋も、外から照明を仕込んだりすると、全く違う雰囲気に見えて、その部屋に入ると気持ちが切り替わったり、作品の空気感が感じられる場所でしたね。
監督との撮影現場などはどうでしたか?前半部分での演技は難しくなかったですか?
最初にもらった台本が、プロット状態でストーリーが想像できないぞ(笑)って事があって、監督に「これで完成だから、これを撮ったら短いかもしれないけど、撮影しながら全部で85分の映画にしたいんだ」って言われて、「現場に行ってみないとわからない事もあるから、現場で色々たしていく」ということで、それがすごくプレッシャーでした。主演という立場での現場も初めてでしたし、今まで台本を読み込んで自分の中で想像していくやり方だったので、「現場で色々つけられたらどうしよう。アドリブとかどうしよう。」とか、「今はこんなに優しいけど、声も小さいけど、現場に言って怒鳴られたりしたらどうしよう」とか不安がどんどん出てきました。実際現場に行ったら、そのままの優しい監督だったから、良かったんですけど(笑)前半は抑えながら感情が揺れ動いてる演技だったんですが、ニュアンスが難しくて。悩むたびに監督に聞いて、監督は納得するまで何回も何回も説明してくれました。監督と話し合いながら撮影する事が初めてだったので、納得したシーンを毎回出来たなと。そういう関係性がすごくよかったです。
現場では監督と話し合う事が多かったんですね。
監督に全部聞いてました。「これどういう事ですか?」って。でも声聞こえなくて(笑)
そんなに小さい声だったんですか?(笑)
マスクしていたんですよ!現場で。さらに聞こえないよー(笑)って。聞くたびに、マスク取って笑顔で説明してくれてたんですが。
ほかに監督の印象は?
すごく優しいし、だけど思った事をすべて言ってくれるので、撮影中得る事もいっぱいあったし、本当に監督が優しいから、重い話だけど現場の雰囲気はすごくキラキラしていて笑顔がたえなかったので助けられました。
今作で監督は挑戦している事が多いそうですが—
血糊も初めてって言ってましたよ。
清野さんは挑戦した事はありましたか?
私も初めてが多かったです。
セリフがなく表情だけで演技する事も初めてだったので、どうやって差を表現したらいいのか現場で考えて演じました。
銃やナイフの扱いも初めてだったし、工具も使った事がなかったので監督に教えていただきました。電動のやすり部分を替えるところも監督直々に伝授してもらいました!
普通の女の子を演じている清野さんをもっと見てみたいなと思ったのですが、清野さんはどうでしょうか?
アクションは自分の得意分野でもあるので自信をもって出来ますが、アクションがない役は経験も少なく、日々勉強という感覚です。色々な役に挑戦させていただける事はとても光栄ですし、現場で吸収できることもたくさんあるので、役の幅を広げるためにも、これからもどんどん挑戦して行きたいです!
最後に見てほしいシーンや、見どころなどを教えてください。
最後にナイフだけで戦うシーンがあるのですが、最初の1テイクで監督にOKをもらったんです。でも、この監督のOKは最低ラインのOKだなと思って、自分でも納得がいかず、このシーンにかけていたので、「もう一回やらせてください」とお願いして再度撮影していただきました。そのカットは、アクションしているところだけクリアに見えて、藍になれた瞬間が撮れたんです。初めての体験でした。だから、最後のアクションは注目して見てもらいたいです。
とはいえ前半の伏線、抑えた藍があってこそアクションが際立つので、藍の心の変化や、後半から一気に変わるストーリを楽しんで欲しいですね。2回3回見ても、また違った捉え方が出来て、楽しめる作品だと思います。ぜひ映画館で観てほしいですね。
【担当のこぼれ話】
1つ気になったシーンが食事をするところだったのですが、かなり不味そうでして…どうだったか聞いてみると、「あれ。ちょーまずいんですよ。海外の缶詰ご飯だったんです。缶に入ってたドリアがひどくて、くさっ!みたいな(笑)」でもそれが伏線になっていたりするとか!細かい演出だなとびっくりしました!
短い時間でしたが、楽しいインタビューとなりました!清野菜名さんありがとうございました!
Text:Naomi Jomori
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