音楽家、久石譲が贈る珠玉の“クラシック音楽”
『Joe Hisaishi Classics』シリーズ発売決定!
映画「となりのトトロ」や「崖の上のポニョ」、「おくりびと」などの数々の名曲を生み出した作曲家・久石譲が、“クラシック音楽”と向き合った!
ミニマル・ミュージックをベースに数々の作品を生み出す作曲家・久石譲が、09年、クラシックの指揮者デビューを果たした。このアルバムシリーズは、久石譲がクラシック指揮者として演奏したオーケストラのコンサートをライブ録音し、会場の感動をそのままに、アルバム化したものである。
「学生当時は、クラシック音楽には見向きもせず、前衛音楽ばかりに夢中になっていた」という久石が、いつしか意識し始めたクラシック音楽の偉大さ。映画音楽やCM曲、ポップスから現代曲の作品まで、幅広いジャンルの楽曲を独自の世界で作りつづける久石だからこそ感じたクラシックの素晴らしさを、作曲家独自の解釈で指揮者として表現することによって多くの人と共有したい。そんな熱い想いが詰め込まれている。
クラシック作品でありながら、新しい!!――その新たな視点で捉えたアプローチは、聴く者を久石ワールドに連れ込むであろう。そして、作曲家だからこそわかる偉人達の作品の凄さを、≪クラシック愛好家≫にはもちろんのこと、かつて久石自身がそうであったように≪クラシック初心者≫にもわかりやすく、豊富な経験と知識をもとに新鮮な感覚をもって、存分に魅力を届けてくれるコンセプチュアルなアルバムである。
ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」&シューベルト:交響曲第7番「未完成」/久石譲(指揮)、東京フィルハーモニー交響楽団[2009年5月24日;サントリーホール、ライブ録音]
■ドヴォルザーク:交響曲第9番
ドヴォルザークはチェコの偉大な作曲家だ。彼は今で言う最も優れたキャッチーな作曲家であろう。スコアを追っていくとよくわかるのだが、とても緻密に、色々なモティーフ(音型)を散りばめ、沢山構築している。ところが、幸か不幸か、あまりにもメロディがキャッチーすぎるため、我々はその裏側に隠された彼の緻密さになかなか気づくことができないのである。
■シューベルト:交響曲第7(8)番
シューベルトの一番わかりやすい天才的な部分は、ハーモニー感覚の凄さだ。普通は、ある調からある調に移るには正当な手続きを踏んで新たなキーに転調するように書くのだが、シューベルトはたった一音で次の調に自然に転調してしまう。これほどの天才は他に見たことがない。
以上、2009年5月24日、サントリーホール、久石譲プレトークより抜粋
■第2弾■
ブラームス:交響曲第1番&モーツァルト:交響曲第40番』/久石譲(指揮)、東京フィルハーモニー交響楽団[2010年2月16日;Bunkamuraオーチャードホール、ライブ録音]
■ブラームス:交響曲第1番
ブラームスはまさに地上の音楽である。例え天地創造を謳ったとしても、この北ドイツのハンブルクで生まれた天才の音楽には、悩み苦しみ希望に向かって生きていく、地に足をつけた人間の姿がそこにある。だからこそ人はその音楽に共感し感動するのではないだろうか。
■モーツァルト:交響曲第40番
曲の美しさと完成度は人類が到達できる最高峰のものであることは間違いない。しかし、この名曲は同時に当時では考えられない調性の実験をしている。……展開部では刺激的な転調を重ねながら対位法的な声部の交差で劇的なクライマックスへと上り詰める。これは全てを超越したまさに天上の音楽である。
以上、2010年2月16日、Bunkamuraオーチャードホール、久石譲プレトークより抜粋
【久石譲(Joe Hisaishi)プロフィール】
1950年長野県生まれ。国立音楽大学在学中よりミニマル・ミュージックに興味を持ち、現代音楽の作曲家としてコンサート、演奏、プロデュースを数多く行う。1981年「MKWAJU」を発表、翌82年「INFORMATION」を発表し、ソロアーティストとして活動を開始。以後、「Piano Stories」をはじめ、2009年発表のロンドン交響楽団演奏による「ミニマリズム」まで、多数のソロアルバムを生み出し、ジャンルにとらわれない独自のスタイルを確立する。
映画『風の谷のナウシカ』(84)以降、宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』(01)や『崖の上のポニョ』(08)などすべての作品の音楽を担当するほか、北野武監督の『HANA-BI』(98)、滝田洋二郎監督『おくりびと』(08)等の音楽を手掛け、現在までに70本近い映画作品の音楽を担当。日本アカデミー賞最優秀音楽賞をはじめ国内外で数多くの賞に輝く。日本における映画音楽の第一人者として高い評価を得ている。2009年秋、芸術分野における長年にわたる素晴らしい功績を讃えられ紫綬褒章を受章。また、2004年よりスタートした新日本フィルハーモニー交響楽団との共同プロジェクトであるワールド・ドリーム・オーケストラでは初代音楽監督に就任するほか、2006年のアジア4都市を巡るアジア・オーケストラ・ツアーや、2008年8月に開催した日本武道館で開催した「久石譲in武道館~宮崎駿と共に歩んだ25年間~」コンサートでは総勢1200名を超える演奏者と共に指揮・ピアノ共演を果たすなど、大胆かつ自由な発想でプロデューサーとしての手腕もあますことなく発揮し、各地で大成功を収めている。
2009年より、クラシックコンサートの指揮者として本格的な活動を開始し、同年5月「久石譲Classics vol.1」、2010年2月「久石譲Classics vol.2」を開催。作曲家の視点から捉えたクラシックの曲目解説付きコンサートは、幅広い層に支持され、好評を博した。ますます今後の活躍が期待されている。