≪ナクソス≫注目の現代音楽タイトルのご紹介
ナクソスより2010年11月以降のリリースから注目の現代音楽タイトルのご紹介致します。
シュトックハウゼン:マントラクセーニャ・ペストヴァ - Xenia Pestova (ピアノ)
パスカル・メイエ - Pascal Meyer (ピアノ)
【録音】
2009年9月7~10日、ルクセンブルク エスパス・デクヴェルト
[8572398]
この曲を作曲した頃のシュトックハウゼン(1928-2007)は、それ以前の不確定性を持った音楽を離れ、記譜法へと回帰していました。とは言っても、もちろん楽譜に書かれたことをそのまま演奏すれば、彼の意図した曲になるわけではなく、様々な要素が必要で、常に緊張感に満ちたものであることは間違いないのですが。「マントラ」は1970年に大阪万博で来日したシュトックハウゼンが、「何か」を得て作曲したとされていますが、それは常人には理解不能。彼のいうマントラは13のフォルメル(短い音楽的素材)からなり、ピアノの音は、変調機で歪められ、電子音と呼応します。そして様々な変遷を経て、果ては大宇宙へと拡散する?のだとか。ま、何も言わずに聴いてみてください。録音も優秀です。
ペンデレツキ:クレド/母校ヤゲロニカ大学をたたえるカンタータ
アントニ・ヴィト&ワルシャワ・フィル管弦楽団&合唱団、ワルシャワ少年合唱団
【録音】
2008年9月29日-10月1日…クレド
2008年9月9日…カンタータ
ワルシャワ・フィルハーモニー・ホール
[8572032]
1960年代のペンデレツキ(1933-)を知る人が、この「クレド」を聴いたら、あまりのロマンティックさに目を丸くするかもしれません。何しろ、冒頭から切なく激しくとも美しい響きに満ち、調性から逸脱することもないのですから。この音楽性の変容を拒否する人もいるかもしれませんが、祈りの心を伝えるには、このような調和に満ちた音楽も必要なのでしょう。「ペンデレツキらしさ」を求める人は、その30年ほど前に書かれたカンタータをどうぞ。こちらにはおなじみの破壊的な音が横溢しています。
※ナクソスより既出のペンデレツキ関連タイトルは、こちら。