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ゲイリー・ムーアが一度だけ行ったジミ・ヘンドリックスのカヴァー・ライヴ

Gary Moore

2011年2月6日にこの世を去ったゲイリー・ムーアが2007年、たった一度だけ行ったジミ・ヘンドリックスのカヴァー・ライヴが遂にリリースされる。

共演するのはジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスのミッチ・ミッチェル(ドラムス)、バンド・オブ・ジプシーズのビリー・コックス(ベース)。1969年、ウッドストック・フェスティバルでジミをバックアップしたリズム・セクションとの三位一体が実現した歴史的瞬間が、不滅のドキュメントとなった。

2007年10月25日、ロンドンのヒッポドロームで行われたコンサートは、ジミの映像作品『ライヴ・アット・モンタレー』DVD化を記念して行われたスペシャル・イベントを収録したもの。ジミのカヴァーで固めるセットリストは、ゲイリーの軌跡において一度限りのものだ。「紫のけむり」、「フォクシー・レディ」、「ヘイ・ジョー」、「ヴードゥー・チャイル」、「レッド・ハウス」など、ジミ・ヘンドリック・クラシックスの数々が、ゲイリーの壮絶なギター・プレイによって新たな生命を吹き込まれる。

ゲイリーは少年時代の思い出を歌った「リヴィン・オン・ドリームス」で「ハイウェイ・チャイル」のギター・フレーズを引用したり、アルバム『スティル・ゴット・ザ・ブルース』ジャケットでジミの写真を使用、さらに「ファイア」をカヴァーするなど、ジミからの影響と敬愛の念を、常に露わにしてきた。このライヴでの超絶弾きまくりや泣きむせぶ慟哭のソロもまた、彼のありったけの尊敬と愛情が込められているのが伝わってくるものだ。

スペシャル編成のライヴとあって、ゲイリーが通常と異なるギターを弾いているのにも注目だ。メインで弾くのは、1983年の初来日公演でも弾いていたサーモン・ピンクのストラトキャスター。さらに「レッド・ハウス」ではナチュラル・フィニッシュのストラトキャスター、「エンジェル」ではギブソン・フライングVなどで、ジミのトーンを蘇らせているのが興味深い。

ライヴの前半はゲイリーのソロ・バンドの一員であり、プライマル・スクリームのツアー・メンバーでもあるダリン・ムーニー(ドラムス)、エリック・クラプトンやドクター・フィールグッドとの活動で知られるデイヴ・ブロンズ(ベース)がプレイ。後半3曲でミッチ・ミッチェルとビリー・コックスがステージに上がる。ミッチもこのライヴの翌年、2008年11月12日に亡くなったため、本作は、もう二度と実現しえない最強のトリオのステージを収めた貴重なドキュメントだ。

ジミの楽曲の権利関係でリリースが遅れた本作は、生前のゲイリー自身も心待ちにしていた作品だ。ジミの魂がゲイリーに宿った、伝説の一夜がいま、永遠のものになる。

【参加アーティスト】
ゲイリー・ムーア (ギター、ヴォーカル)
デイヴ・ブロンズ (ベース)
ダリン・ムーニー (ドラムス)
ビリー・コックス (ベース、ヴォーカル)
ミッチ・ミッチェル (ドラムス)

 

 

 

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カテゴリ : 予約

掲載: 2012年07月19日 21:30