“ヴィンテージ・コレクション・+プラス”特別編「フェレンツ・フリッチャイの芸術」第1期
ユニバーサル ミュージックのご協力による『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション”』シリーズの最新作は特別編としまして、2013年に没後50年を迎えるハンガリー出身の指揮者フェレンツ・フリッチャイを2回に分けて、DGレーベルの合計10タイトルを取り上げます。
ユニバーサル ミュージックのご協力による『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション”』シリーズの最新作は特別編としまして、2013年に没後50年を迎えるハンガリー出身の指揮者フェレンツ・フリッチャイを2回に分けて、DGレーベルの合計10タイトルを取り上げます。
1914年、ブダペストに生まれたフリッチャイは若くしてその才能が花開き、わずか30代半ばにしてDGと契約して以来、その短い生涯にもかかわらず多くの録音が成されました。
そのどれもが当時センセーショナルとなり、革新的な驚きと躍動感が見事に表現された傑作です。今日聴く事ができる音源でもその音楽性を十分体験することができます。とりわけ病に倒れ復帰した後の盤はいずれも名盤の誉れ高いものですが、特に日本では彼の人気は高く、これまで幾度となく復刻がされてきたとはいえ少なからず現在廃盤のままとなっているのは残念な事です。
今年没後50年を迎え、さらに来年生誕100年という記念の年でもありますので、ここでもう一度彼の残した代表盤で現在入手不可能なものの中から特に後世に残したい10点を選びました。
今回も、全点DGのオリジナル・マスターより新規でCDマスターを制作。従来以上の鮮明な音質を実現したことにより、フリッチャイの音楽がより間近で体験できます。ブックレットには全作共通で「プロフィール」と「年表」、さらにストラヴィンスキーのアルバムには当時DGの制作部門チーフだったエルザ・シラー氏による、「追悼文集」のために1964年に書かれた貴重な文章も掲載しております。
これまで当社で制作しているCDと同様に、ジャケットは極力オリジナル・デザインを採用し、複数ある場合はブックレット中にもカラーで再現しています。
~新しくなった『タワーレコード“ヴィンテージ・コレクション・プラス”』(TOWER RECORDS VINTAGE COLLECTION +plus)では、これまでのコンセプトを踏襲しつつも、さらなるご愛顧に応えることを目指し、「+plus(プラス)」を末尾に付け加えました。デザインを一新し、オリジナル重視(アートワーク使用の増加、古いマスター音源はできる限り新規に)の姿勢はそのままに、音質の向上(ルビジウム・クロック・カッティングによるハイ・クオリティ・サウンド*を採用)と価格の見直しを行い、セットものはこれまでよりお求め安い価格設定としました。
*ルビジウム・クロックは人口衛星や超高精度レーザーなどに採用されており、従来のデジタル・オーディオに使用されていた水晶発振の1万倍の精度を誇ります。これをデジタル・プロセスに使用することにより、従来のCDでは得られなかった鮮明、且つ自然な音を実現するものです。
*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。
4/5発売予定の第2期はこちら>>>
第1期発売:3/8(金)リリース
生命感溢れるBPOとのベートーヴェンの交響曲を集成。初セット化!
<謹告>
ベートーヴェン:交響曲選集、他は不良が発生したため一時販売を中止しておりましたが、現在は良品の販売を再開しております。
以前ご購入いただきましたお客様には症状と交換のご案内を別途させていただいておりますので、詳細はそちらをご参照ください。
尚、店頭でも文章にて掲示をしております。
アメリカ・デビューを果たした全盛期とも言える1953年にベートーヴェンの交響曲をBPOと録音(1&8番)して以来、病の兆候が現れた1957年(9番)を経て、病と闘いながら胃と腸の手術を受ける直前までレコーディングを行っていた 1958年10月(3番)、そして新たに翌年開場予定のベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督として新たな一歩を踏み出そうとした1960年10月(7番)、最後に指揮活動を断念する直前の録音である1961年9月(5番)まで、このフリッチャイによるベートーヴェンは彼の残したオペラのいくつかと並び、真に賞されるべき巨人の遺産です。奇しくもステレオ録音の開始時期と共にフリッチャイの病気と闘っていく晩年が始まったと言うのは皮肉とも言えましょうが、それ以前の壮年期たる躍動感やパッションは多少影を潜めたものの、音楽そのものに生命感をより保持した表現が成されて行ったことにより、現在でも愛され続けるフリッチャイの音楽性が築かれたと言っても過言ではないでしょう。さらにフルトヴェングラー時代の音が残ったBPOの音も特筆もの。そして言い尽くされた感はありますが、9番は2012年に亡くなったフィッシャー=ディースカウが歌った唯一の第九(正規盤)ということでも有名です。また、この5番の録音で遂にBPOとの交響曲録音は途絶えてしまったのは非常に残念です。尚、1949年9月に初めてBPOとチャイコフスキーの交響曲第5番を録音して以来、この5番がBPOとの生涯最後のセッション録音となりました。これらの演奏は音質の向上による効果も大きく、名盤を超えて今後も残り続ける永遠のベートーヴェン録音です。今回初めて集成化。同時期に録音された序曲2曲と「フィデリオ」全曲盤より抜粋した序曲も併録しました。
※ 歌詞対訳付き(9)、初セット化
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット中にも複数採用)
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ 解説:ルッツ・フォン・プーフェンドルフ氏(茂木一衛氏訳)、長谷川勝英氏
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
ベートーヴェン:交響曲選集 他
【収録曲】
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:
<CD1>
1.交響曲 第1番 ハ長調作品21、2.交響曲 第8番へ長調 作品93
<CD2>
3.交響曲 第3番 変ホ長調作品55 《英雄》
4.《レオノーレ》序曲 第3番作品72a、5.歌劇《フィデリオ》序曲 作品72b
<CD3>
6.交響曲 第5番 ハ短調作品67、7.交響曲 第7番イ長調 作品92
<CD4>
8.《エグモント》序曲 作品84、9.交響曲 第9番 ニ短調 作品125《合唱》
【演奏】
イルムガルト・ゼーフリート(ソプラノ)、モーリン・フォレスター(アルト)、エルンスト・ヘフリガー(テノール)、
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、聖ヘトヴィッヒ大聖堂聖歌隊 (CD9)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(1-4,6-9)、バイエルン国立管弦楽団(5)
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1953年1月(1)、4月(2)、1958年4月(9)、9月(4,8)、10月(3)、1960年10月(7)、1961年9月(6) ベルリン、イエス・キリスト教会
1957年6月(5) ミュンヘン、ヘルクレスザール
モノラル録音:1,2
決定盤「ハーリ・ヤーノシュ」再録を含むオリジナル収録盤。世界初演した「交響曲」を併録!
フリッチャイが何度も取り上げたことでワールドワイドな人気を獲得していったコダーイに対する力の入れようは尋常ではなく、バルトークと並び生涯にわたって取り上げ続けました。1961年にはルツェルンで「交響曲」を世界初演しています(この盤のものは初演の約1ヶ月後のライヴ)。
コダーイの代表的な管弦楽作品である組曲「ハーリ・ヤーノシュ」はこの曲の決定盤と言っても過言ではありません。1954年に最初の録音を行ってから僅か7年後のこの再録盤はステレオとモノの違いはあるとは言え、より濃密にコダーイの世界を描き切っています。過度な民族性よりはむしろその普遍的な音楽性を重視した音楽作りは、多くの方が納得いく演奏に違いありません。
また、この録音はフリッチャイが指揮活動を断念する僅か2ヶ月前であり、最後期の録音のひとつであることも特別感を増大させる要素のひとつです。そして他の収録曲、ストラヴィンスキーとアイネムとの組み合わせが元々の初出時のオリジナル・カップリング。CD化時代になって初めてのオリジナル曲目での復刻となります。
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用(交響曲を除く)
※ 解説:寺西基之氏、西原稔氏、長木誠司氏
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
コダーイ:《ハーリ・ヤーノシュ》、交響曲 他
【収録曲】
1.ゾルタン・コダーイ:組曲《ハーリ・ヤーノシュ》
2.イーゴル・ストラヴィンスキー:ピアノと管弦楽のための楽章
3.ゴットフリート・フォン・アイネム:管弦楽のためのバラード 作品23
4.ゾルタン・コダーイ:交響曲 ハ長調
【演奏】
ジョン・リーチ(ツィンバロン)(1)、マルグリット・ウェーバー(ピアノ)(2)
ベルリン放送交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1960年10月(2)、1961年9月(4:ライヴ録音)、10月-11月(1)、11月(3)
全ステレオ録音
亡くなる2年前の、音楽の喜び溢れるウィンナ・ワルツ集。ステレオ録音。
実はヨハン・シュトラウスを大変得意にしていたフリッチャイはこの最晩年のセッション録音の以前にもBPOとも数曲録音しており、さらに放送音源やライヴも含めると数多くの音源を残しています。ウィーン・フィルによるヨハン・シュトラウスはもちろん究極の演奏ですが、ではそれ以外の演奏の最右翼は?と聞かれるとまず最初に思い浮かぶのがこのフリッチャイ盤かも知れません。
ウィーンでの煌びやかで大変美しいヨハン・シュトラウスと比較してフリッチャイによるこの演奏では、シンフォニックな響きを強調しつつも退廃的なニュアンスに富んだ感じがし、むしろ「個」の音楽作品として扱っているかのようです。クラシックのディープなファンはヨハン・シュトラウス作品を軽い音楽とみなす傾向が多少あるかも知れませんが、ここに聴くことができる音楽は紛れもなく後世に残る芸術作品であると気付かされるでしょう。同年の年末には指揮活動を断念するとは到底感じられない、生き生きとしたヨハン・シュトラウスの音楽が逆に哀愁を誘います。1961年の録音ながらも音質は優秀。
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ 解説:岩下久美子氏
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
ヨハン・シュラウス作品集
【収録曲】
1.ヨハン・シュトラウス2世:喜歌劇《こうもり》序曲
2.ヨハン・シュトラウス2世:アンネン・ポルカ作品117
3.ヨハン・シュトラウス2世:皇帝円舞曲作品437
4.ヨハン・シュトラウス2世:トリッチ・トラッチ・ポルカ作品214
5.ヨハン・シュトラウス:ラデツキー行進曲 作品228
6.ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ《美しく青きドナウ》作品314
7.ヨハン・シュトラウス2世:ポルカ《ハンガリー万歳!》作品332
8.ヨハン・シュトラウス2世:ワルツ《ウィーンの森の物語》
【演奏】
ベルリン放送交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1961年2月 ベルリン
DG初の「春祭」録音としても話題となった、現代でも屈指の鋭敏なストラヴィンスキー。
「春の祭典」は理解し難い現代音楽であった時代にあって、マルケヴィチと並んで当時から積極的に取り上げていたフリッチャイ唯一のセッション録音。DGレーベルとしても初の録音となったこの盤は1963年にカラヤンが取り上げるまで、DG唯一の「春の祭典」音源でもありました(その後2013年現在全11種あり)。当時まだ録音が非常に少なかった時代にあって、1951年にEMIに入れた前記マルケヴィチ盤と並んで切れ味鋭い名演奏として評価されてきた盤です。1947年版を使用。
「ペトルーシュカ」も当時としては最初期の録音。1911年版ではなく1947年版をいち早く採用し、組曲や抜粋盤が多かった当時にあってフリッチャイの思い入れが深かったことを示しています(マルケヴィチはmono時代に一部を残しているのみ)。
ブックレットには当時DGの制作部門チーフだったエルザ・シラー氏による、「追悼文集」のために1964年に書かれた貴重な文章も掲載。
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用(ブックレット裏に「ペトルーシュカ」LP発売時のジャケット・デザイン使用)
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ 解説:エルザ・シラー氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
ストラヴィンスキー:《春の祭典》《ペトルーシュカ》
【収録曲】
イーゴル・ストラヴィンスキー:
1.バレエ《春の祭典》(1947年版)
2.バレエ《ペトルーシュカ》(1947年版)
【演奏】
RIAS交響楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1953年4月(2)、1954年3月(1) ベルリン、モノラル録音
後の再録盤では聴けない、アンダとの濃密な響き溢れるブラームス。
<謹告>
バックインレイのトラック4が本来「第4楽章」となるところ、「第2楽章」と表記されています。大変申し訳ございません。
正しい印刷物をご希望のお客様は下記ユニバーサルのカスタマー窓口にお申し出ください。
ユニバーサル ミュ-ジック カスタマー・サービスセンター
電話:045-330-7213 (代表)
受付時間:月~金 10:00~18:00 (祝祭日を除く)
ユニバーサル ミュージックのホームページにあります「お問い合わせフォーム」での受け付けも可能です。
http://www.universal-music.co.jp/faq
ゲザ・アンダのこの曲の録音は後に同じくDGにカラヤンと録音する1967年の再録盤の方が有名かも知れませんが、ここにはフリッチャイの指揮による効果もあるのか、後の盤と比較してもよりアンダの特性が顕著に発揮されている名盤と言えるでしょう。
アンダ独特の明快なフレージングとブラームスらしい濃密なニュアンス、そして繊細さが奇跡的なまでに同居したこの演奏は、数ある同曲の中でも屈指の名演奏。音質の向上による効果も大。再録のカラヤン盤とはオケも同じBPOですので、比較するのも非常に面白いです。
尚、録音した1960年5月というのは翌年開場予定のベルリン・ドイツ・オペラの音楽総監督として前月に契約を結んだ直後であり、前年9月にベルリン放送響の指揮者として復帰したフリッチャイにとっては体調も回復してきたのでしょう、精力的に活動できる夢を持ちながらも、更に全力で音楽に取り組む覚悟を抱きつつ、今後短い期間ではありますがそれらを実践した充実した時期であったと思われます。
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用
※ 独エミール・ベルリナー・スタジオでオリジナル・アナログ・マスターよりハイビット・ハイサンプリング(24bit/192kHz)化したマスターを使用
※ 解説:長谷川勝英氏、福本健氏
※ フリッチャイ・プロフィール、年表付き:ヴェルナー・エールマン氏(歌崎和彦氏訳)、歌崎和彦氏作成
ブラームス:ピアノ協奏曲第2番
【収録曲】
ヨハネス・ブラームス:ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 作品83
【演奏】
ゲザ・アンダ(ピアノ)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
フェレンツ・フリッチャイ(指揮)
【録音】
1960年5月 ベルリン
カテゴリ : ニューリリース | タグ : タワーレコード オリジナル企画 ユニバーサル・ヴィンテージ・コレクション
掲載: 2013年01月31日 17:59