『LFJ~“熱狂の日”音楽祭 2013』主要作曲家【モーリス・ラヴェル】
毎年、恒例となりました『ラ・フォル・ジュルネ~“熱狂の日”音楽祭 2013』。
今回のテーマは「パリ、至福の時」(L'heure exquise;ルール・エクスキーズ)。
“L'heure exquise”は、ポール・ヴェルレーヌの詩「白い月」の最後のフレーズですが、フォーレやアーンはこの詩に音楽を付け、歌曲にもなっています。
19世紀から20世紀にかけて、パリは世界の芸術の首都としてさまざまなジャンルの芸術家が集い、交流し、素晴らしい作品の数々が生まれましたが、“L'heure exquise”という言葉をテーマタイトルに引用することによって、ルネ・マルタンは芸術家たちにとって至福の時代であった頃のパリを再現しようとしたのです。
開催期間を通して、19世紀後半から現代まで、パリを彩ったフランス、スペインの作曲家たちの作品を、色彩あふれ、情熱みなぎる150年間にわたる音楽のパノラマとして展開します。
【モーリス・ラヴェル(Joseph-Maurice Ravel, 1875年3月7日 - 1937年12月28日)】
フランス南西部、スペインにほど近いバスク地方のシブール生まれ。
パリ音楽院に14年間在籍し、ガブリエル・フォーレやエミール・ペサールらの下で学んだ。
1898年の国民音楽協会において作曲家として公式デビューを果たす。
ローマ大賞を勝ち取ろうと1900年から5回にわたって試みたものの、結局大賞は獲得できなかった。
すでに『亡き王女のためのパヴァーヌ』、『水の戯れ』などの作品を発表していたラヴェルは1905年に予選落ちしたことは音楽批評家の間に大きな波紋を呼んだ。
ラヴェルは軽度の記憶障害と言語障害を患っていた為、作品数は多くないが、『ボレロ』(1928年)、『左手のためのピアノ協奏曲』(1930年)、『ピアノ協奏曲 ト長調』(1931年)等、優れた作品を後世に残している。母方の血筋であるスペインへの関心は様々な楽曲に見出され、『ヴァイオリン・ソナタ』、『左手のためのピアノ協奏曲』などにはジャズの語法の影響も見られる。