タワーレコード "Sony Classical" スペシャル・セレクション第9期第3回10タイトル
第3回発売のラインナップは、まずバーンスタインの没後25周年を記念して、彼の膨大なソニー・クラシカル録音の中でも極めて個性的な輝きを放つ2タイトルをセレクト。ブルックナーの交響曲第9番は、バーンスタインが生前に正規録音として残した唯一のブルックナー作品であり、当盤はニューヨーク・フィル音楽監督のポストを去る最後のシーズンに収録した名演です。初出LPに掲載されていた黒田恭一氏の名エッセイも再掲載いたします。「ラテン・アメリカン・フィエスタ」は、「ヤング・ピープルズ・コンサート」で「ラテン・アメリカン・スピリット」というテーマで取り上げられたことでも知られる作品を収めたもので、1963年に発売されたオリジナルLPのジャケット・収録曲順を再現します。
毎回ベストセラーを続けているジョージ・セルとクリーヴランド管弦楽団の名盤からは、管弦楽曲の名演集を3枚。グリーグ、ビゼー、シューベルト、ロッシージ、ヨハン・シュトラウスと、彼らの絶頂期を記録したステレオ録音の名演が詰まっています。
今回の発売では、個性的なヴァイオリニストが3人揃い踏みです。まずポーランドの名手でいまだにファンの多いヘンリク・シェリングが、世界的にブレイクするきっかけになった若き日のRCA録音から、コンチェルト3曲と室内楽1曲をコンパイルした2枚組。コンチェルトの伴奏に、モントゥー+ロンドン響、ミュンシュ+ボストン響、ヘンドル+シカゴ響というメジャー・オケが起用され、シェリングらしい正統派の名演が当時のリビング・ステレオの鮮明なサウンドで捉えられています。シェリングがボストン響・シカゴ響というアメリカの2大メジャー・オケと共演した録音は当アルバムに含まれる2曲のみです。
日本を代表する新旧の名手、海野義雄と堀米ゆず子の海外録音による協奏曲も復活します。特に巨匠スヴェトラーノフ&ロンドン響と共演した海野義雄のメンチャイは、20世紀後半の日本の音楽界を牽引した名ヴァイオリニストのデビュー25周年を記念して録音されたものであり、今回が世界初CD化。堀米ゆず子は、自らのトレードマークともいうべきシベリウスの協奏曲をイヴァン・フィッシャー指揮コンセルトヘボウ管と共演しています。
ビーチャムの「メサイア」は、録音史上最も華やかな「メサイア」演奏として知られるグーセンス編曲版を使用したものです。ホルン、トロンボーン、トライアングル、シンバル、ハープなど金管楽器と打楽器を特別に加えた荘厳華麗なもので、最近では2004年のベルリン・フィル・ジルヴェスター・コンサートでラトルがこの編曲による「ハレルヤ・コーラス」をアンコール演奏しています。ビーチャムによるRCAへの唯一のステレオ録音ですが、録音は名手ケネス・ウィルキンソンをはじめとするデッカ・スタッフによっているのも聴きもの。ブックレットに掲載するビーチャムの解説(初出盤に掲載されていたもの)はおそらく日本初登場となります。
そして、20世紀を代表するサクソフォーンの巨匠、ダニエル・デファイエによる70年代の貴重な名盤2枚が全曲復活します。カラヤンが、ベルリン・フィルとサクソフォン・ソロが必要な作品を録音する際には、必ず起用されたというフランスの名手の真髄を味わっていただくことが出来ます。
9/23(水)発売の第1期はこちら>>>
10/21(水)発売の第2期はこちら>>>
ブルックナー:交響曲第9番/レナード・バーンスタイン
バーンスタイン没後25年記念リリース。ニューヨーク・フィルとセッション録音した唯一のブルックナー。
膨大なレパートリーを誇ったレナード・バーンスタインですが、ブルックナーの交響曲の演奏に当たっては非常に慎重で、セッション録音が残されたのは交響曲第9番のみで、1969年のニューヨーク・フィル、1990年のウィーン・フィルとの2種類しかありません。当アルバムは、ニューヨーク・フィル音楽監督としての最後のシーズン中、1969年1月下旬に行なわれた4回の定期でモーツァルトのピアノ協奏曲第9番(ソロはジョン・ブラウニング)との組み合わせでこの曲を取り上げた直後、2月4日にフィルハーモニック・ホールで行なわれたセッションで収録された第1回目の録音です。ノーヴァク版を使用し、遅めのテンポで堂々たる響きを一貫させながら、博覧強記で知られ作曲者としての視点も併せ持っていたバーンスタインらしい、緻密な分析が随所に光る個性的な名演です。
ジャケット:日本盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:黒田恭一、横原千史
[収録曲]
ブルックナー
交響曲第9番ニ短調WAB109[ノーヴァク版]
ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
[録音]1969年2月4日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール
[オリジナル・プロデューサー]ジョン・マクルーア
ADD/STEREO
ブラジル風バッハ第5番&センセマヤ~ラテン・アメリカン・フィエスタ/レナード・バーンスタイン
バーンスタイン没後25年記念リリース。溢れんばかりの鮮やかな色彩感とリズム。
1963年に発売されたオリジナルの小品集「ラテン・アメリカン・フィエスタ」は、メキシコやブラジルなど南アメリカの作曲家の作品を中心に編まれたLPで、さまざまな打楽器がフィーチャーされ、色彩感に満ち、躍動感あふれるリズムが作品の個性を際立たせています。バーンスタインの指揮もエネルギー漲る若々しさが特徴です。当CDはオリジナル・アルバムの収録順に並べ替え、ボーナストラックとしてメキシコ民謡を素材としたコープランドの「エル・サロン・メヒコ」をカップリングしています。コープランド以外の5曲は1963年2月6日のセッションで収録されましたが、その3日後にはTV放映された「ヤング・ピープルズ・コンサート」でも取り上げられています。「エル・サロン・メヒコ」以外は、バーンスタインにとって唯一の録音であり、その意味でも貴重です。「ブラジル風バッハ第5番」では、ヴァンガード・レーベルから発売されていた名盤「オーヴェルニュの歌」で知られるウクライナの名ソプラノ、ネタニア・ダヴラツ(1931-1987)が参加しているのも聴きものです。
ジャケット:アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:アメリカ盤初出LPに掲載の解説(無署名)
「ブラジル風バッハ第5番」歌詞対訳付き
【収録曲】
ヴィラ=ロボス
1.ブラジル風バッハ第5番
(1)I.アリア(カンティレーナ)
(2)II.踊り(マルテロ)
カマルゴ・モザルト・グアルニエリ
2.ダンサ・ブラジレイラ(ブラジル舞曲)
レブエルタス
3.センセマヤ(マヤの夜)
オスカル・ロレンソ・フェルナンデス
4.バトゥーケ(「レイサド・ド・ポストレイオ」組曲、第3曲)
コープランド
5.ダンソン・クバーノ(キューバ舞曲)
チャベス
6.交響曲第2番「インディオ」
[ボーナストラック]
コープランド
7.エル・サロン・メヒコ
ネタニア・ダヴラツ(ソプラノ)[1]
カール・スターン(チェロ)[1]
ニューヨーク・フィルハーモニック
指揮:レナード・バーンスタイン
[録音]1963年2月6日、ニューヨーク、フィルハーモニック・ホール(1-4、6)
1961年5月20日、ニューヨーク、マンハッタン・センター(5,7)、
[オリジナル・プロデューサー]ジョン・マクルーア
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]フレッド・プラウト、ラリー・ヒラー、ジョン・ジョンソン
ADD/STEREO
グリーグ:ペール・ギュント、ビゼー:アルルの女、シューベルト:ロザムンデ/ジョージ・セル
20世紀オーケストラ演奏史に残るセル&クリーヴランドならではの精緻を極めた名品集。
グリーグ「ペール・ギュント」、ビゼー「アルルの女」、シューベルト「ロザムンデ」ともに、アナログLP時代の定番とされていた名演です。いずれも1966年と67年というこのコンビの最円熟期に収録されたもので、隅々まで精緻に磨きあげられ、よく鳴らしたサウンドが聴きものですが、それに加えて個々の曲に込められた気分や情景を鮮やかなまでに切り取って聴き手に届けるセルの手腕は、20世紀最高のオーケストラ・ビルダーの名にふさわしいものです。グリーグとビセーはセル唯一の録音であり、シューベルトにはコンセルトヘボウ管との旧録音(1957年)があります。
ジャケット:アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:間洋一
【収録曲】
グリーグ
1.「ペール・ギュント」組曲
(1)朝の気分(組曲第1番、第1曲)
(2)オーセの死(組曲第1番、第2曲)
(3)アニトラの踊り(組曲第1番、第3曲)
(4)ソルヴェイグの歌(組曲第2番、第4曲)
(5)山の魔王の広間にて(組曲第1番、第4曲)
ビゼー
2.「アルルの女」組曲
(1)前奏曲(組曲第1番、第1曲)
(2)メヌエット(組曲第1番、第2曲)
(3)アダージェット(組曲第1番、第3曲)
(4)鐘(組曲第1番、第4曲)
(5)ファランドール(組曲第2番、第4曲)
シューベルト
3.劇音楽「ロザムンデ」より
(1)序曲
(2)間奏曲第3番
(3)バレエ音楽第2番
クリーヴランド管弦楽団
指揮:ジョージ・セル
[録音]1966年1月21日(1)、1966年3月25日&26日(2)、1967年1月7日(3)、クリーヴランド、セヴェランス・ホール
[オリジナル・プロデューサー]ポール・マイヤース
DSD MASTERING
日本盤独自カップリング
ADD/STEREO
ロッシーニ、オーベール&ベルリオーズ:序曲集/ジョージ・セル
圧倒的なスピード感と躍動感を持って描き出されるロッシーニの粋。
アナログ時代には、トスカニーニ/NBC響のモノラル盤、ライナー/シカゴ響やカラヤン/ベルリン・フィルのステレオ盤と並び賞された、セル/クリーヴランド管のロッシーニ序曲集。1967年というこのコンビの最円熟期に収録されただけあって、オーケストラとの呼吸は一分の乱れもなく、ロッシーニが作品のあちこちに仕掛けた驚きを圧倒的なスピード感と躍動感を持って、鮮やかに示してくれます。ロッシーニ・クレッシェンドの巧みさ、柔軟なカンタービレに込められた歌心、そして何よりも作品全体に注ぎ込まれた生命力の強靭さこそ、このコンビの真骨頂といえるでしょう。1957年録音の「フラ・ディアヴォロ」、1958年の「ローマの謝肉祭」も、作品の真価を高めるほどの名演です。
ジャケット:アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:間洋一
【収録曲】
ロッシーニ
1.歌劇「ランスへの旅」序曲
2.歌劇「絹のはしご」序曲
3.歌劇「アルジェのイタリア女」序曲
4.歌劇「イタリアのトルコ人」序曲
5.歌劇「どろぼうかささぎ」序曲
オーベール
6.歌劇「フラ・ディアヴォロ」序曲
ベルリオーズ
7.序曲「ローマの謝肉祭」作品9
クリーヴランド管弦楽団
指揮:ジョージ・セル
[録音]1967年1月14日(1)、1967年5月12日(2)、1967年5月5日(3、5)、1967年1月14日(4)、1957年11月2日(6)、クリーヴランド、セヴェランス・ホール、1958年3月15日(7)、クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアム
[オリジナル・プロデューサー]ポール・マイヤース(1‐5)
DSD MASTERING
日本盤独自カップリング
ADD/STEREO
美しく青きドナウ&「こうもり」序曲~ウィンナ・ワルツ名演集/ジョージ・セル
セルの音楽家としてのルーツを作り上げたウィーンの魅力満載のワルツとポルカ。
ブダペストに生まれ、3歳からウィーンで学び、指揮者としてのデビューもウィーン交響楽団を指揮して行なっているなど、ハンガリー・オーストリア帝国の残照の中で多感な青春時代を過ごしたセルにとって、ウィーンの音楽ともいうべきシュトラウス一家の作品は自分の血肉ともいうべき親しみのある存在でした。セルの指揮活動50周年を祝って作成されたアルバム「魔法のウィーンMagic Vienna」にシュトラウスのワルツやポルカが選ばれたのもその証左といえるでしょう。圧倒的な精緻さでクリーヴランド管をコントロールしながらも、あちこちに郷愁に溢れた歌心を覗かせています。「常動曲」の最後ではセル自身の声も聞くことが出来ます。
ジャケット:アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:間洋一
【収録曲】
J.シュトラウス2世
1.ワルツ「美しく青きドナウ」作品314
J.シュトラウス2世&ヨゼフ・シュトラウス
2.ピチカート・ポルカ
ヨゼフ・シュトラウス
3.ワルツ「うわごと」作品212
J.シュトラウス2世
4.ワルツ「春の声」作品410
ヨゼフ・シュトラウス
5.ワルツ「オーストリアの村つばめ」作品164
J.シュトラウス2世
6.常動曲作品257
7.喜歌劇「こうもり」序曲作品362
クリーヴランド管弦楽団
指揮:ジョージ・セル
[録音]1962年1月5日(1‐6)、1958年3月1日(7)、クリーヴランド、セヴェランス・ホール
[オリジナル・プロデューサー]トーマス・フロスト(1‐6)、(7)
DSD MASTERING
日本盤独自カップリング
ADD/STEREO
ブラームス&チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲、ラロ:スペイン交響曲/ヘンリク・シェリング
名手シェリングがステレオ初期にRCAに録音した若き日の名演集。
ポーランド出身の名ヴァイオリニスト、ヘンリク・シェリングが1950年代後半にRCAに残した貴重な協奏曲録音を集めました。清潔で芯の通った美しい音色と卓越した技巧を兼ね備え、作品の核心に肉薄しようとする深い精神性を感じさせるシェリングの演奏は、今でもスタンダードな解釈として数多くの音楽ファンを魅了しています。モントゥー、ミュンシュといった名指揮者、ボストン響、シカゴ響といったアメリカのメジャー・オケとの共演になるブラームス、チャイコフスキー、ラロの協奏曲は、後の再録音からは聴くことのできない40代初頭のシェリングの若々しい輝きを感じ取ることが出来ます。ブラームスのホルン三重奏曲は、シェリング唯一の録音です。
ジャケット:「ブラームス:ヴァイオリン協奏曲」ドイツ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:岩田亮、柴田龍一
[収録曲]
DISC1
ブラームス
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77[カデンツァ:ヨアヒム]
2.ホルン三重奏曲変ホ長調作品40
DISC2
チャイコフスキー
3.ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
ラロ
4.スペイン交響曲ニ短調作品21
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
1.ロンドン交響楽団
指揮:ピエール・モントゥー
2.ヴィクター・バビン(ピアノ)、ヨーゼフ・イーガー(ホルン)
3.ボストン交響楽団
指揮:シャルル・ミュンシュ
4.シカゴ交響楽団
指揮:ワルター・ヘンドル
[録音]1958年6月18日~20日、ロンドン、キングスウェイ・ホール(1)、1959年3月13日&14日、ニューヨーク、RCAスタジオB(2)、1959年2月9日、ボストン、シンフォニー・ホール(3)、1959年2月28日、シカゴ、オーケストラ・ホール(4)
[オリジナル・プロデューサー]ジェームズ・ウォーカー(1)、ピーター・デルハイム(2)、ジョン・ファイファー(3、4)
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]ケネス・ウィルキンソン(1)
日本盤独自カップリング
ADD/STEREO
チャイコフスキー&メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲/海野義雄、スヴェトラーノフ&LSO
日本の名手・海野義雄・生誕80年プレ・リリース。巨匠スヴェトラーノフと共演した円熟のメンチャイ、世界初CD化。
1959年、23歳の若さでN響のコンサートマスターに就任し、江藤俊哉とともに20世紀後半の日本のヴァイオリン界を牽引した名手海野義雄。中村紘子、堤剛らとともに、1968年創設のCBSソニーの日本人専属アーティストの一人となり、1970年代を通じて活発な録音活動を行なっています。当アルバムは、1980年11月にロンドンでデジタル収録された「メンチャイ」で、海野にとっては、実質的なデビュー盤であった1967年のシュミット・イッセルシュテット指揮北ドイツ放送響とのDG盤(未CD化)以来13年ぶりの再録音となったもの。堂々たる遅めのテンポで熱く歌い込んだ海野40代の円熟の名演が刻み込まれています。指揮者にロシアの名匠エフゲニー・スヴェトラーノフを起用しているのも聴きもの。なんとスヴェトラーノフによるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は当盤が唯一の録音です。
ジャケット:日本盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:木村重雄
世界初CD化
[収録曲]
チャイコフスキー
1.ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品35
メンデルスゾーン
2.ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
海野義雄(ヴァイオリン)
ロンドン交響楽団
指揮:エフゲニー・スヴェトラーノフ
[録音]1980年11月26日&27日、ロンドン、トゥーティング、オール・セインツ教会
[オリジナル・プロデューサー]ロイ・エマーソン
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]ボブ・オーガー
DDD/STEREO
シベリウス&メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲/堀米ゆず子、イヴァン・フィッシャー&RCO
日本を代表する名ヴァイオリニスト、堀米ゆず子がコンセルトヘボウ管と共演した若き日の名演。
1980年のエリーザベト王妃国際コンクールで優勝後、国内外で活発な演奏活動を行なっているヴァイオリニスト、堀米ゆず子。堀米が1980年代後半に集中的にCBSソニーに録音した名盤の中から、名門アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団との共演になるシベリウスとメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲が1988年の初発売以来久しぶりに復活します。シベリウスの協奏曲は堀米にとって、エリーザベト・コンクールのファイナルで弾いて優勝を飾った所縁の曲でもあり、このアルバムは同コンクールでのオクトール/ベルギー国立管とのライヴ録音以来の再録音として大きな注目を浴びました。指揮は、近年「バッハ:マタイ受難曲」「ベートーヴェン:交響曲全集」などでコンセルトヘボウ管と密接な関係を築いているハンガリーの名匠イヴァン・フィッシャーである点も、大きな聴きどころと言えるでしょう。日本の録音スタッフがコンセルトヘボウ管を本拠地で録音したほぼ唯一のアルバムという点でも日本の録音史上貴重な価値を持つアルバムです。
ジャケット:日本盤初出CDのジャケット・デザイン使用
解説: 藤田由之
[収録曲]
シベリウス
1.ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47
メンデルスゾーン
2.ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
堀米ゆず子(ヴァイオリン)
アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
指揮:イヴァン・フィッシャー
[録音]1988年5月2日&3日、アムステルダム、コンセルトヘボウ
[オリジナル・プロデューサー]金子哲理
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]馬場徹夫、ジム・ジョーンズ
DDD/STEREO
ヘンデル:メサイア[グーセンス編](全曲)/ビーチャム
荘厳華麗なビーチャム生涯最後の「メサイア」。補遺録音も合わせて復活。
ビーチャムはヘンデルの作品を好み、生涯にわたって演奏・録音しています。代表作「メサイア」も1927年、1947年、そして1959年とほぼ20年おきに再録音しているほどです。当アルバムは1959年6月~7月にかけて収録された生涯最後の「メサイア」録音で、同僚で指揮者・作曲でもあったユージン・グーセンス(1893-1962)がモダン・オーケストラのために編曲を施した版を使ったほぼ唯一の録音。グーセンスの編曲はホルン、トロンボーン、トライアングル、シンバル、ハープなど金管楽器と打楽器を特別に加えた荘厳華麗なもので、20世紀にヘンデルが生きていればこのような楽器編成で書くだろう、という想定のもとに作成されました。ビーチャムは1959年9月のルツェルン音楽祭の閉幕コンサートでフィルハーモニア管弦楽団を指揮してこのグーセンス版を演奏しましたが、それがビーチャム最後の「メサイア」演奏となりました。近年では1999年のプロムスで復活上演されたり、2004年のベルリン・フィル・ジルヴェスター・コンサートでラトルが「ハレルヤ・コーラス」をアンコール演奏したりして、認知度が高まっています。ビーチャムによるRCAへの唯一のステレオ録音ですが、当時のRCA=デッカ間の事業提携を反映して、収録は名手ケネス・ウィルキンソンをはじめとするデッカ・スタッフによっており、今なお鮮明なステレオ・サウンドによってビーチャム最晩年の矍鑠たる指揮ぶりを堪能していただけます。ボーナストラックとして、1950年コロンビア録音の「忠実な羊飼い」を収録しています。ブックレットにはビーチャムが初出時に寄せた解説の日本語訳を掲載しています。
ジャケット:アメリカ盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:サー・トマス・ビーチャム、グラハム・メルヴィル=メイソン
歌詞対訳付き
[収録曲]
ヘンデル
1. オラトリオ「メサイア」HMV56(全曲)
[オーケストレーション:サー・ユージン・グーセンス]
DISC 1 第1部
DISC 2 第2部・第3部
DISC 3 補遺 00:00
[ボーナストラック]
2.歌劇「忠実な羊飼い」演奏会用組曲
[編曲:サー・トマス・ビーチャム]
ジェニファー・ヴィヴィアン(ソプラノ)
モニカ・シンクレアー(メッゾ・ソプラノ)
ジョン・ヴィッカーズ(テノール)
ジョルジョ・トゥッツイ(バス)
ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
(合唱指揮:ジョン・マッカーシー)
指揮:サー・トマス・ビーチャム
[録音]1959年6月9日~13日、15日~17日、20日、24日、26日、7月3日、17日~18日、ロンドン、ウォルサムストウ・アッセンブリー・ホール(メサイア)、1950年4月24日&9月28日、ロンドン、キングスウェイ・ホール(忠実な羊飼い)
[オリジナル・プロデューサー]マイケル・ウィリアムソン(メサイア)
[オリジナル・レコーディング・エンジニア]ケネス・ウィルキンソン、アラン・リーヴ(メサイア)
ADD/STEREO(メサイア)、MONO(忠実な羊飼い)
日本初CD化(忠実な羊飼い)
日本盤独自カップリング
サクソフォーン・アンサンブルの至芸/ダニエル・デファイエ・サクソフォーン四重奏団
20世紀を代表するサクソフォーンの巨匠、ダニエル・デファイエによる70年代の貴重な名盤2枚を完全復刻。
ダニエル・デファイエ(1922-2002)は、20世紀を代表するサクソフォーンの巨匠。マルセル・ミュールの薫陶を受け、国立パリ高等音楽院を首席で卒業後、1940年代からパリ・オペラ座やオペラ・コミークを始めとするパリの各オーケストラのゲスト奏者として名指揮者と共演し、1953年にソリストとしてデビュー。また同じ頃「ダニエル・デファイエ・サクソフォーン四重奏団」を結成、1988年の解散までフランス内外で精力的に演奏活動を行ないました。カラヤンが、ベルリン・フィルとの「アルルの女」「展覧会の絵」「ボレロ」などサクソフォン・ソロが必要な作品の録音では、わざわざデファイエを起用したことも、その卓越した音楽性の証左といえましょう。当アルバムは、デファイエ四重奏団が1970年代に日本のCBSソニーのために録音した2枚のLPを全曲復刻したもの。DISC1は、1978年の来日時に優れた音響効果で知られた上野の石橋メモリアル・ホールで収録されました。DISC2は、1975年に名手アンドレ・シャルランの録音プロダクションによってパリで収録されています。いずれもサクソフォーン・ファンから長らく待ち望まれたCD化です。
ジャケット:「エスプリ・ヌーヴォ・ドゥ・フランス」日本盤初出LPのジャケット・デザイン使用
解説:川畑真一、大室勇一
[収録曲]
DISC1 『サクソフォーン四重奏の至芸』(1978年)
J.S.バッハ/マルセル・ミュール編
1.G線上のアリア [管弦楽組曲 第3番 ニ長調BWV1068、第2曲]
D.スカルラッティ/ガブリエル・ピエルネ編
2.3つの小品[原曲:チェンバロのためのソナタ]
ボッケリーニ/ミュール編
3.メヌエット[弦楽五重奏曲 ホ長調 G275、第3楽章]
モーツァルト/ミュール編
4.アヴェ・ヴェルム・コルプス K.618
シューマン/ミュール編
5.スケルツォ[弦楽四重奏曲 第2番 ヘ長調 作品41の2、第3楽章]
チャイコフスキー/ミュール編
6.アンダンテ・カンタービレ[弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 作品11、第2楽章]
アルベニス/ミュール編
7.カディス(カンシオン)[「スペイン組曲」 第1集 作品47、第4曲]
8.コルドバ(夜想曲)[「スペインの歌」 作品232、第4曲]
9.セビーリャ(セビリャナス)[「スペイン組曲」 第1集 作品47、第3曲]
ドビュッシー/ミュール編
10.小さな黒人
11.小さな羊飼い [組曲「子供の領分」、第5曲]
12.ゴリウォークのケークウォーク[組曲 「子供の領分」、第6曲]
DISC2 『フランス・サクソフォーン四重奏の新たなエスプリ』 (1975年)
ジャニーヌ・リュエフ
1.サクソフォーン四重奏のためのコンセール(演奏会用四重奏曲)
アントワーヌ・ティスネ
2.アリアージュ
クロード・パスカル
3.サクソフォーン四重奏曲
ダニエル・デファイエ・サクソフォーン四重奏団
ダニエル・デファイエ(ソプラノ・サクソフォーン)
アンリ・ルネ・ポラン(アルト・サクソフォーン)
ジャック・テリー(テナー・サクソフォーン)
ジャン・ルデュー(バリトン・サクソフォーン)
[録音]1978年10月11日&12日、石橋メモリアル・ホール(DISC1)、1975年2月3日、4日、5日、パリ、サル・アディヤール(DISC2)
DISC 1 [オリジナル・レコーディング・プロデューサー]渡部幸世 [オリジナル・レコーディング・ディレクター]武田文夫 [オリジナル・レコーディング・エンジニア]半田健一
DISC 2 [オリジナル・レコーディング]シャンゼリーゼ録音センター[CECE](アンドレ・シャルラン・レコーディング・プロダクション)
カテゴリ : ニューリリース タワーレコード オリジナル企画
掲載: 2015年09月28日 13:00