俊英ユロフスキ&LPOのラフマニノフ交響曲第3番&祖父ユロフスキ編曲の歌曲集
BBC、グラモフォンなど各音楽雑誌で絶賛されているユロフスキとLPOの録音、今回はラフマニノフ(1873-1943)の大作“交響曲第3番”の登場です。1936年“パガニーニ狂詩曲”に次いで作曲されたこの作品は、第2番に見られたような「美しい旋律を高らかに甘く歌い上げる」ものではなく、各動機を綿密に結び付け、オーケストラの機能を重視するというもの。もちろん指揮者には「曲を完全にまとめあげる」能力が要求されます。ユロフスキはその欲求に見事応え、細部に渡るまで目を配りつつ、壮大な楽想を見事に表現しています。同時に演奏された“10の歌曲”は、元々ピアノ伴奏であった作品を、同じファーストネームを持つユロフスキの祖父、ウラディーミル・ユロフスキ(1915-1972)がオーケストラ伴奏に編曲したというものです。彼は第2次世界大戦後のロシアで、ラフマニノフの音楽に初めて触れ、強く感銘を受けたといい、10曲の歌曲をロシアのテノール、イヴァン・コスロフスキーのためにオーケストラ伴奏に編曲したのです(ソフロフスキーはキリル・コンドラシンの指揮でこの曲をレコーディングもしています)。今回のグリフノフの演奏は、初のデジタル録音であり、その美しい声を楽しむとともに、ラフマニノフのピアニズムをオーケストラへと昇華させた祖父ユロフスキの手腕にも心奪われることでしょう。
(ナクソス・ジャパン)
【曲目】
セルゲイ・ラフマニノフ:
1~3.交響曲第3番 イ短調 Op.44
・第1楽章:Lento - Allegro moderato
・第2楽章:Adagio ma non troppo - Allegro vivace
・第3楽章:Allegro
4~13.10の歌曲~V.ユロフスキ(1915-1972)による編曲~
・キリストは立ち上がりぬ Op.26-6
・私の窓辺に Op.26-10
・すべては過ぎ去り Op.26-15
・小島 Op.14-2
・息がつけるでしょう Op.26-3
・なんと言う幸せ Op.34-12
・その日を私は覚えている Op.34-10
・そんなことはない Op.34-7
・眠り(夢) Op.38-5
・ここはすばらしい場所 Op.21-7
【演奏】
ウラディーミル・ユロフスキ(指揮)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
フセヴォロド・グリフノフ(テノール)…4~13
【録音】
2015年4月29日 ロンドン、サウスバンク・センター、ロイヤル・フェスティヴァル・ホール
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年01月19日 13:30