チェリビダッケ、スウェーデン時代のモーツァルト&シューベルト交響曲集(2タイトル)
スウェーデン放送交響楽団首席指揮者時代の、最盛期のライヴ音源を発掘するシリーズの最新作。今回はモーツァルトとシューベルトの交響曲をリリースします。モーツァルト交響曲第36番“リンツ”は初出レパートリー。放送用音源で全てステレオ、音質の良さも特徴です。
※英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付
チェリビダッケ&スウェーデン放送交響楽団/モーツァルト:交響曲第36番“リンツ”&交響曲第38番“プラハ”、6つのレントラー
CDで聴けるチェリビダッケのモーツァルトの交響曲と言うのは極めて少ない。
交響曲第36番「リンツ」は、初の公式発売のレパートリーである。この曲をチェリビダッケはミュンヘン時代にも演奏しているからレパートリーから外していた訳ではない。音の出だしが何時もながら独特だ。ラヴェルやドビュッシーのようだ。
第38番「プラハ」はモーツァルトが古典様式の交響曲に回帰したと言われる三楽章制の交響曲だが、この演奏は晩年のチェリビダッケが獲得した荘重な演奏様式を早くも獲得している。実にロマンティックな演奏と呼ぶほかない。
(東武ランドシステム)
【収録曲】
モーツァルト:
1.交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」
2.交響曲第38番 ニ長調 K.504「プラハ」
3.6つのレントラー風舞曲 K.606
【演奏】
セルジュ・チェリビダッケ(指揮)
スウェーデン放送交響楽団
【録音】
1971年3月21日(1)
1970年2月8日(2,3)
ステレオ音源
チェリビダッケ&スウェーデン放送交響楽団/シューベルト:交響曲第9番“ザ・グレート”&交響曲第3番
音の始まりが柔らかで美しい故に、テンポはミュンヘン時代に比べて常識的(46分)ながら、全体にゆったりした印象を受ける。ティンパニのアタックも鋭角的ではない。これは意図的である。第2楽章が、まるでラヴェルのように鳴り響く。第3楽章ではメロディの繰返しの執拗さをさらに強調している感がある。第4楽章では、熱血漢チェリビダッケの顔が飛び出す。柔らかに美しくを目標にしていても、どうしても血の気が騒ぐのだろう。怒鳴り声、足音とともに音色のエッジが立ってくる。こういう箇所がチェリビダッケは面白い。血の通った芸術家なのである。
第3番について、チェリビダッケは第1楽章から目いっぱい遅いテンポを採用し、“ザ・グレート”同様のエッジの柔らかい演奏を繰り広げている。こんな演奏は聴いたことがない。第4楽章フィナーレのディミヌエンドなど、全く“ザ・グレート”のフィナーレと同様の解釈をしている。相似を意識していたのではないか?
(東武ランドシステム)
【収録曲】
シューベルト:
1.交響曲第9番 ハ長調 D.944「ザ・グレート」
2.交響曲第3番 ニ長調 D.200
【演奏】
セルジュ・チェリビダッケ(指揮)
スウェーデン放送交響楽団
【録音】
1969年1月26日(1)
1967年12月1日(2)
ステレオ音源
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年03月22日 15:30