UKサウンドシステム~ベース・カルチャーの重鎮マーラ、待望のセカンド・アルバム
ジャングルから生まれた音楽や、山々から生まれた音楽、アンデス山系のサウンド、先住民のサウンド、アフロ・ペルーの音楽に、僕は初めて接したんだ。そのルーツを遡れば、全てがリズムを原点にしていて、僕は即座に共感できた。そういった原始的なリズムは僕ら皆の中にあるんだよ。-マーラ
ゼロ年代音楽シーンへ多大なる影響を与えたUKベース・カルチャーを牽引し、ジェイムス・ブレイクを筆頭に数々のフォロワーを生み出してきた重鎮マーラが、名盤『マーラ・イン・キューバ』に続く待望のオリジナル・アルバムをリリース!
『ミラーズ』と冠された本作はキューバに続いて、ペルーの伝統的文化や音楽を深く追求し、自身のベース・ミュージックとの究極の邂逅を果たした作品。ペルーの音楽に没頭するため、現地を繰り返し訪れたことによって生まれた本作は、地元のアフロ・ペルー系パーカッショニストや、民衆舞踊のタップ・ダンサー、アンデスの歌姫らを14曲の中に巧く組み入れながら、テンポとフローを軸に展開。
クンビアのルーツでもある1940年代のアンデス民謡のカバー「Cunumicita」、ペルーの民衆舞踊サパテオの達人の足音が巨大なダンスホールで舞う「Sabateo」、『聖なる谷』を流れる川のフィールド・レコーディングとソプラノの歌姫であり人類学者でもあるシルヴィア・ファルコンの歌声をフィーチャーした「Sound of the River」をはじめ、プリミティヴかつラディカルなダンス・ミュージックはマーラにしか創り得ない賜物だろう。キャリアの集大成とも言える本編の終曲「4 Element」は嵐のようなドラムスの喧騒が、一時停止や静寂と完璧なバランスを保つ怒涛のブレイクビーツ・ラッシュで、それはまるで1995年のある暑い日曜日、熱く盛り上がっているゴールディーのクラブ<Metalheadz>で、ドック・スコットのレコード・バッグからこぼれ落ちたダブのようにも聴こえる逸曲!
国内盤にはボーナス・トラック「Tondero」が追加収録される。
タグ : クラブ/テクノ
掲載: 2016年05月10日 19:49