『激ロック』スペシャルコーナー【5月レコメンドアイテム】
SHOOT THE GIRL FIRST / 『I Confess』
GENRE : POST HARDCORE, ELECTROCORE
フランスの男女混合トリプル・ヴォーカル&エレクトロコア、遂に日本デビュー!
カンヌ出身のSHOOT THE GIRL FIRSTによる日本デビュー作となる2ndアルバム。男女混合トリプル・ヴォーカルが特徴で、シャウトからクリーンまで幅広い歌声を聴かせてくれる。また、アグレッシヴさとキャッチーな部分の使い分け、疾走感に相対するミドル・テンポのブルータルな重厚感。その音像を覆うシンセ・サウンドも決して表面的なものではなく、楽曲に奥行きを与えることに成功している。紅一点であるCrystal嬢のヴィジュアルも美しく、日本でも一気にブレイクする可能性は大きい。
藤崎 実【ライター推薦】
SAOSIN / 『Along The Shadow』
GENRE : SCREEMO, POST HARDCORE
伝説のバンド、SAOSINが復活!
スクリーモの神髄を究める
今作にはブレイクダウンも、グロウルも、煌びやかなシンセのフレーズも、速いビートも、ダンス・ビートもない。あるのは、ギターのアルペジオとともに奏でられる、たゆたうような演奏とその中で繰り返される激しいスクリームと美しいクリーン・ヴォイスによるダイナミックな交差だけだ。2010年から活動休止していたSAOSINが約7年ぶりに3作目となるアルバムをリリース。その復活作はなんでもありを良しとせず、スクリーモの神髄を究める試みと言ってみたい。
山口 智男【ライター推薦】
DEVILDRIVER / 『Trust No One』
GENRE : GROOVE METAL, NU-METAL
エクストリーム・メタルの重鎮、攻撃性に満ち溢れた新作をリリース!
通算7枚目となる本作は、オリジナル・メンバーのギタリスト、ドラマー両氏が脱退後初となるアルバムでもあるが、ギターのメロディアスな絡みやソロなどが多く盛り込まれ、デス・メタル由来の暴虐性、スラッシーな疾走感こそ控えめながら、強烈なグルーヴを軸に放たれるDEVILDRIVERサウンドは不変である。カリスマティックなヴォーカルの叫び、胸を抉るようなメロディは、聴く者の心の奥まで突き刺さる。シーンの重鎮たる存在感、貫録に満ちた一級品のヘヴィ・メタル・アルバムだ。
井上 光一【ライター推薦】
LIGHT UP THE SKY / 『Nightlife』
GENRE : SCREEMO, POST HARDCORE
R&B色際立つスクリーモの真骨頂!Rise Recordsが放つ新星のデビュー作!
いわゆるスクリーモにメタル、エレクトロニックな要素も加えたうえで、ポップなロック・ナンバーからバラードまで、多彩なサウンドにアプローチ。その意味では、巧みに取り入れたR&Bの影響が彼らの個性を際立たせているが、王道バラードのみならず、R&Bナンバーをハードコア・サウンドで演奏するなんて荒業も。ストリングスを加えたアコースティック・ナンバーで美しいファルセットを聴かせる一方で、デス声の咆哮を轟かせる落差の美学は、まさにスクリーモの真骨頂。
山口 智男【ライター推薦】
ERRA / 『Drift』
GENRE : DJENT, PROGRESSIVE METALCORE
新ヴォーカル加入!透明感溢れるDjentに磨きをかけた3rdアルバム!
昨年の来日公演時、そして前作EPでもデス・ヴォイスを担当したIan Eubanksが早くも脱退し、元TEXAS IN JULYのJT Caveyが今作のデス・ヴォイスを担当した今作。バンドの中心人物Jesse Cashのクリーン・ヴォイスを筆頭に、随所に煌びやかなメロディを際立たせるギターも今まで以上に透明度が高い。SAOSINばりのハイトーンが冴え渡るTrack.2、美メロの洪水を巻き起こすTrack.3、Djentリフを刻みつつも疾走感漂うTrack.5など、全編期待を裏切らない普遍の完成度を誇る。
今谷 重治【ライター推薦】
SIXX:A.M. / 『Prayers For The Damned』
GENRE : HARD ROCK
MÖTLEY CRÜEのNikki Sixx(Ba)率いるSIXX:A.M.のダブル・アルバム第1弾!
昨年、MÖTLEY CRÜEが活動停止となり、メンバーのDJ Ashba(Gt)はGUNS N' ROSESを脱退。そして今年は2枚のアルバムをこのSIXX:A.M.でリリースするという気合い十分の今作。そんな3人の意気込みを十二分に感じられる先行トラック「Rise」から幕を開ける今作は、前作と比べてどこか憂いを帯びたメロディが印象的。そして表題曲は、男泣き必至の芯の通った大人なハード・ロックで非常に興味深い仕上がりになっている。第2弾にもぜひ期待したい。
今谷 重治【ライター推薦】
WILDWAYS / 『Into The Wild』
GENRE : POST HARDCORE
ラップとシャウトを散りばめたミクスチャー・サウンドでシーンに切り込むロシアの新鋭!
やたらスケールのデカい世界観を作り出すシンセ・サウンドの中に、響き合うハーモニー、散りばめられたラップとシャウト。これは、ポスト・ハードコアなのか、スクリーモなのか、ラップコアなのか、オルタナティヴ・ロックなのか。ヴォーカルの表現だけでも様々な顔があるのに、やたら臨場感のある、ダイナミックなドラムなど、思考を停止させるほど気になる技の数々。女性ヴォーカルをゲストに迎えた「Princess」が、なかなかエモくて聴きやすいので、おすすめ。
山本 真由【ライター推薦】
SUBLIMINAL FEAR / 『Escape From Leviathan』
GENRE : MELODIC DEATH METAL, INDUSTRIAL METAL
イタリアのモダン・メロデス・バンドによる3rdアルバム!
クリーン&デス・ヴォイスのツイン・ヴォーカルをフロントに据え、SONIC SYNDICATEのような適度にデジタライズされたどこか哀愁の漂う北欧的なニュアンスの強いメロディが心地いい。Track.1ではデンマークのメロデス・バンド MNEMICのヴォーカル、Track.2ではスウェーデンのデスラッシュ・バンドDARKANEのヴォーカルが参加するなどのトピックを盛り込みつつ、興味深いのはTrack.6でUKのシンセ・ポップ・グループ TALK TALKの楽曲を違和感なくカバーしていることだろう。
今谷 重治【ライター推薦】
THE HYPOTHESIS / 『Origin』
GENRE : MELODIC DEATH METAL
北欧メロデスの血統を受け継ぐフィンランドの5人組によるデビュー作!
結成自体は2009年と意外に古く、新人と言えどもその完成度は非常に高い。70年代プログレ調のスペーシーな旋律で幕を開け、ブルータリティとメロディアスな旋律が渾然一体となったサウンドが絡み合う様は、まさに北欧流儀のスタイルである。現代的なメタルコアからの影響を感じさせつつ、ツイン・ギターによるテクニカルなプレイの応酬に重点を置いて、キーボードの荘厳な音色も全面的にフィーチャー。モダン且つクラシカルな良質メロデスをお探しの方々、是非。
井上 光一【ライター推薦】
【激ロック】
ラウドミュージックに特化したフリーマガジン、ポータルサイトの運営、そして国内外のバンドを招聘してのライブイベント、13年間続くROCK DJパーティーの企画、運営を行っている。さらには渋谷宇田川町に位置する「Music Bar ROCKAHOLIC」と同じく宇田川町にあるロックファッション・ショップ&通販サイト「GEKIROCK CLOTHING」の運営など、クロスメディアを超えたクロスカルチャー展開をシーンに仕掛けるラウドミュージック専門のクリエイティブ集団である。
タグ : ハードロック/ヘヴィメタル(HR/HM) PUNK/EMO
掲載: 2016年05月17日 18:26