これはカマシへのロンドンからの回答か…UKブラック・ジャズの最高峰シャバカ・ハッチングス
ジャズはもちろん、その個性豊かなプレイヤビリティはサンズ・オブ・ケメット、ザ・コメット・イズ・カミング、メルト・ユア・セルフ・ダウンなどボーダーレスなバンド活動でも存分に発揮され、近年ではサン・ラ・アーケストラの一員として活躍し、ムラトゥ・アスタトゥケからジョニー・グリーンウッドまで幅広いアーティストとコラボレート。JazzFMやMOBOなど数々の音楽賞を受賞してきた。
わずか1日でレコーディングされたという今回のアルバムは、ハッチングスが長年称賛してきた南アフリカのジャズ・ミュージシャン集団と行ったセッションの記録である。マックス・ローチ、アーチ―・シェップ、そしてユセフ・ラティーフに師事したアフリカを代表するサックス奏者ジム・ンガワナや南アフリカのセロニアス・モンクの異名をとったベキ・ムセレクといった偉人達もかつて籍を置いたこのグループは、ハッチングスの書いた曲の中で自分達自身を再構成しながら、そこに南アフリカの血脈を注入。アメリカン・ジャズの系譜に彼ら独自の観点をもたらしている。
ジョン・コルトレーン『至上の愛』、ファラオ・サンダース『ラヴ・イン・アス・オール』、〈Black Jazz Records〉諸作、そして2015年のカマシ・ワシントン『ザ・エピック』への回答とも言うべき、UKブラック・ジャズの最高峰がここに誕生した。
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掲載: 2016年08月18日 10:26