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マイルス・デイヴィス〈ブートレグ〉シリーズ第5弾登場

MILES DAVIS

2016年は20世紀のジャズ・ジャイアンツ、マイルス・デイヴィス生誕90年にして没25年のマイルス・メモリアル・イヤーだ。

マイルスの遺伝子を受け継ぐロバート・グラスパーによるリミックス・アルバム『エヴリシングス・ビューティフル』や、ドン・チードル主演・監督による映画『マイルス・アヘッド』の公開等、話題作のリリースが続き、ふたたびマイルスが世代を超えて注目を集めている。

1966年から68年までの未発表スタジオ・セッション・レコーディングを2時間以上収録したブートレグ・シリーズ第5弾が発売されることとなった。

今日のジャズ・シーンに影響を与え続けている名曲の数々を世に送り出したロン・カーター(ベース)、ハービー・ハンコック(ピアノ)、ウェイン・ショーター(サックス)、トニー・ウィリアムス(ドラムス)による“第2期黄金クインテット”のスタジオ録音をおさめた3枚組だ。

オリジナル4トラック・マスターテープから2016年7月に24ビット/192kHzで新たにマスタリングされた音源を収録。


1960年代後半、マイルスが革新的なスピリットで新たな音楽的方向性を打ち出したサウンドの深奥にせまる内容となっている。

2016年が発売から50年目となる、笑うマイルスが表紙の『マイルス・スマイルズ』(66)を筆頭に、『ソーサラー』(67)、『ネフェルティティ』(67)、『ウォーター・ベイビーズ』(68),『マイルス・イン・ザ・スカイ』(68)からの選曲で実際のマスター・テイクとの聴き比べが出来、録音現場での臨場感を体感できる曲順も魅力だ。

リハーサルをふくむ全セッション・リール、パッチ・テイクやスタジオでの会話等、帝王マイルスがスタジオで実際に音世界を構築・創造していく過程をおさめた音によるドキュメントとしても興味深いこの企画のプロデューサーには、ビートルズやボブ・ディランを手がけたスティーヴ・バーコウィッツ、マイケル・カスクーナ、リチャード・シーデルというグラミー賞受賞チームが名を連ねている。

「サークル」「オービッツ」「ドローレス」「フリーダム・ジャズ・ダンス」は1966年10月24日コロンビア30th ストリート・スタジオでの録音。「ジンジャー・ブレッド・ボーイ」「フットプリンツ」は1966年10月25日同スタジオでの録音。フル・セッションを収録しているため演奏はもちろん、スタジオで交わされた会話も収録している。

「マスクァレロ」はこれまで未発売だった別テイクで 1967年5月17日コロンビア30thストリート・スタジオでの録音。「ウォーター・ベイビーズ」「ネフェルティティ」は1967年6月7日、「フォール」は1967年7月19日、「カントリー・サン」はリズム・セクションのリハーサルのみの収録で1968年5月15日録音。「ブルース・インF」はマイルスのピアノに合わせウェイン・ショーターがデモしているレア音源だ。

マイルスの未発表音源を収録した〈ブートレグ〉シリーズは2011年から発売が開始され これが第5弾となる。生誕90年のマイルス・イヤーに放つ発掘音源は、マイルスが60年代の終りに近づくにつれて突き進んでいく革新的な音楽世界をより深く理解するヒントとなるにちがいない。

『フリーダム・ジャズ・ダンス/ブートレグ・シリーズvol.5』

パーソネル:
マイルス・デイビス (トランペット)
ロン・カーター(ベース)
ハービー・ハンコック(ピアノ)
ウェイン・ショーター (サックス)
トニー・ウィリアムス(ドラムス)

録音:
1966年-1968年

CD1:
1. フリーダム・ジャズ・ダンス(セッション・リール)
2. フリーダム・ジャズ・ダンス(マスター・テイク)
3. サークル(セッション・リール)
4. サークル(テイク5 クロージング・テーマはマスターとして使用)
5. サークル(テイク6 クロージング・テーマ以外はマスターとして使用)
6. ドロレス(セッション・リール)
7. ドロレス(マスター・テイク)

CD2:
1. オービッツ(セッション・リール)
2. オービッツ(マスター・テイク)
3. フットプリンツ(セッション・リール)
4. フットプリンツ(マスター・テイク)
5. ジンジャー・ブレッド・ボーイ(セッション・リール)
6. ジンジャー・ブレッド・ボーイ(マスター・テイク)
7. ネフェルティティ(セッション・リール) (1)
8. ネフェルティティ(マスター・テイク) (1)

CD3:
1. フォール(セッション・リール) (1)
2. フォール(マスター・テイク) (1)
3. ウォーター・ベイビーズ(セッション・リール) (2)
4. ウォーター・ベイビーズ(マスター・テイク) (2)
5. マスクァレロ(別テイク:テイク3) (3)
6. カントリー・サン(リズム・セクション・リハーサル) (4)
7. ブルース・イン・F (マイルスがピアノを演奏するW.ショーターとのデモ)
8. ユア・エイト(マイルスの話し声)

セッション・リールはすべて世界初発売・未発表音源

[オリジナル・アルバム]
無印=『マイルス・スマイルズ』収録
(1)=『ネフェルティティ』収録
(2)=『ウォーター・ベイビーズ』収録
(3)=『ソーサラー』収録
(4)=『マイルス・イン・ザ・スカイ』収録

〈ブートレグ〉シリーズ
Vol.1 『ライヴ・イン・ヨーロッパ1967』
Vol.2 『ライヴ・イン・ヨーロッパ1969』
Vol.3 『マイルス・アット・ザ・フィルモア』
Vol.4 『ニューポートのマイルス・デイビス1955-1975』

タグ : ジャズ復刻&発掘

掲載: 2016年08月19日 13:11