すべて初ディスク化!アマデウス四重奏団のRIAS初出音源集第5弾『ロマンティシズム』(CD6枚組)
高音質復刻で評判を呼ぶドイツauditeレーベルからリリースされているRIAS音源によるアマデウス四重奏団の初出音源集。「ロマンティシズム」と題された第5弾にはブラームス、メンデルスゾーン、ドヴォルザーク、ブルックナー、ヴェルディ、そして、ディスコグラフィとして非常に貴重なシューマンとグリーグが収録されております。
RIAS音源による当シリーズは1950年から1969年にかけて収録されたもので、アマデウス四重奏団の意欲と新鮮な解釈に満ちており、とりわけ当団の魅力である優美な演奏は結成初期からのものだということがわかります。また、演奏の素晴らしさもさることながら、auditeレーベルの見事な復刻にも注目で、非常に鮮明な音質で蘇りました。なお、これらRIAS盤は録音の際に各楽章編集なしのワンテイクで収録したとのことですので、セッション録音でありながらライヴさながらの気迫に満ちた演奏となっております。
(キングインターナショナル)
アメリカの地から「最高のベートーヴェン演奏」との世界的評価を勝ち得たブダペスト四重奏団の最後の4人は、ハンガリーの名称を持ちながら、ドイツ式の音楽を教育を受けたユダヤ系ロシア人たちによって構成されていました。同じようにイギリスの地で「最高のクァルテット」の名声を欲しいままにしたアマデウス四重奏団は、チェロのロヴェットを除いた3人が、やはりユダヤ系のオーストリア人とドイツ人によって占められていました。2つのクァルテットの違いは、ハンガリーの首都で結成された前者が何度となくメンバーを入れ替えながら名称を受け継いで存在したグループだったのに対して、後者は3人の亡命の地であったイギリスで結成してからというもの、活動期間である39年間一度もメンバーの入れ替えがなく添い遂げたという点でしょう。
アマデウス四重奏団の演奏スタイルは、その名称のごとく典型的なウィーン流とされ、第1ヴァイオリンのブレイニンが聴かせるロマンティックな名人芸とともに、水気をたっぷり含んだような厚くて潤いのあるハーモニーが魅力でした。まさにウィーンの室内楽の伝統が、イギリスの地で花開いたクァルテットだったのです。なかでもクリフォード・カーゾンと組んだピアノ五重奏のパフォーマンスは「別格」とされましたが、カーゾンは英Decca、アマデウスQはDGとレコード会社の専属が異なっていたため、正規のレコーディングが残されなかったことは、音楽ファンにとって痛恨の極みでしょう(幸いなことにメンバー3人とによるモーツァルトのピアノ四重奏曲は2曲とも録音があります!)。
その渇きを癒すように、今回のBOXに収録されたRIASへの放送用録音には、ピアノのハンゼンや、クラリネットのゴイザーという名人たちとの共演が記されているのは何よりの朗報です。
(タワーレコード)
【収録曲目/演奏/録音】
【CD1】
ブラームス
弦楽四重奏曲第1番 ハ短調 Op.51-1
[録音]1950年10月30日、RIASフンクハウス、第7スタジオ、ベルリン
弦楽四重奏曲第3番 変ロ長調 Op.67
[録音]1957年11月29日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
【CD2】
ブラームス
ピアノ五重奏曲 ヘ短調 Op.34
コンラート・ハンゼン(ピアノ)
[録音]1950年11月1日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
クラリネット五重奏曲 ロ短調 Op.115
ハインリヒ・ゴイザー(クラリネット)
[録音]1951年4月24日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
【CD3】
ブラームス:弦楽五重奏曲第2番 ト長調 Op.111
セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)
[録音]1953年9月19日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
ブルックナー:弦楽五重奏曲 ヘ長調 WAB.112
セシル・アロノヴィッツ(ヴィオラ)
[録音]1957年11月29日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
【CD4】
シューマン
ピアノ五重奏曲 変ホ長調 Op.44
コンラート・ハンゼン(ピアノ)
[録音]1950年10月31日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
弦楽四重奏曲第3番 イ長調 Op.41-3
[録音]1962年2月11日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
【CD5】
メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第1番 変ホ長調 Op.12
[録音]1969年11月18日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
メンデルスゾーン:弦楽四重奏の4つの小品 Op.81よりⅢ .カプリッチョ
[録音]1952年5月25日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
ヴェルディ:弦楽四重奏曲 ホ短調
[録音]1962年11月26日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
【CD6】
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 Op.81
コンラート・ハンゼン(ピアノ)
[録音]1950年11月1日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
グリーグ:弦楽四重曲 ト短調 Op.27
[録音]953年12月4日、ジーメンスヴィラ、ランクヴィッツ、ベルリン
アマデウス四重奏団
ノーバート・ブレイニン(第1ヴァイオリン)
ジークムント・ニッセル(第2ヴァイオリン)
ピーター・シドロフ(ヴィオラ)
マーティン・ロヴェット(チェロ)
カテゴリ : ニューリリース | タグ : ボックスセット(クラシック)
掲載: 2016年10月12日 10:16