ヨアヒム・クノップ~ヨハン・クヴァンダール:ピアノ独奏作品全集
20世紀初頭のノルウェーに生まれた作曲家ヨハン・クヴァンダール。実は彼の父は、当時ドイツとノルウェーで活躍、その作品が高い評価を受けていたダーヴィド・モンラード・ヨハンセンですが、息子であるクヴァンダールは「親の七光り」で評価されることを嫌い、父方の姓を名乗らなかったという人です。彼は1937年から1942年まではゲイル・トヴェイトに師事、1942年から44年までウィーンでヨーゼフ・マルクスから作曲を学びましたが、戦後はノルウェーに戻り、この地の音楽大学でオルガンを学びました。作曲家として活動を始めた初期の時代は、他の同時代の作曲家たちのように、古典的なフォームでノルウェーの民俗音楽を取り入れた明快な作品を書いていましたが、1952年から1954年に住んだパリで、ナディア・ブーランジェに師事、またバルトーク、ストラヴィンスキー、メシアンたちの音楽に触れることで、彼の作風も大きな転機を迎えます(とは言え、この時代の作品は無調の傾向が見られるものの、電子などの前衛的な手法は用いていません)。晩年は独自の手法による調性感に基づく作品に、民俗的な要素を取り入れた神秘的な作品をいくつか作曲、最後の作品である「ピアノ協奏曲」は壮大な楽想が愛されています。このアルバムには、彼のピアノ独奏曲を全て網羅。初期の「ソナチネ」から晩年の作品「モザイク」まで、面白い曲が並びます。
(ナクソス・ジャパン)
【収録曲目】
3つのカントリー・ダンスによる幻想曲 Op.31(1969)
第1番:Skjeggeloppa, Munnharpeslatt
第2番:Langeleikimprovisasjon
第3番:Vigstadmoen〉
5つのピアノのための小品 Op.1(1940)世界初録音
第1番:Moderato con moto
第2番:Moderato
第3番:Allegretto
第4番:Risoluto
第5番:Andantino〉
スキッパー・ワース:グロッケンシュピールのメヌエット(1968)世界初録音
情緒、古いスケッチブックから(1952)世界初録音
8つの民謡 Op.70(1986-1987)
第1番:Skjemtevise, "Kjetta sett' opp veven sin
第2番:Um morgon tidleg, "Um morgon tidleg pa hogste nut"
第3番:Bonden og reven, "Eg gjekk meg i dalen og skaut meg ein rev"
第4番:Kjarlighetssang, "Kvi ror du so du fagre ungersvein"
第5番:Dans, "Tak hardt uti hand, tro lett utpa fot"
第6番:Velkomstsang, "I vare velkommen kong Albret"
第7番:Vesle Ola Finndal
第8番:A hanen han satt upp pa bjelken〉
ロンド・グラツィオーソ Op.5-1(1942)
歌劇「神秘」Op.75 より第2幕 ワルツ(ピアノ版)世界初録音
幻想曲 Op.8(1947)
ワルツ「ユダヤのハープ」(1980)世界初録音
抒情小曲集 Op.5より(1942-1947)世界初録音
第4番:インテルメッツォ第1番 Andante sostenuto
第5番:インテルメッツォ第2番 Andante
第6番:カプリッチョ Alleguro molto
第7番:スケルツィーノ Allegro scherzando
3つのノルウェー民謡 Op.5-2(1948)〈Lokk fra Lom/Sjung amen!/Da e’va liti〉世界初録音
モザイク 第1巻ー踊り(1998)
ソナチネ Op.2(1940)世界初録音
【演奏】
ヨアヒム・クノップ(ピアノ)
【録音】
2014年3月31日-4月3日、ノルウェー、オスロ、Sofienberg Church
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2016年11月20日 00:00