ジェームス・マーフィー主宰<DFA>からエイセ・パ(Essaie Pas)がアルバムをリリース
ジェームス・マーフィー主宰の名門レーベル<DFA>から、モントリオール発の夫婦エレクトロニック・デュオ、エイセ・パによるニューアルバムがリリース!
真冬のモントリオールのがらんとした事務所スペースや、ツアーでの生活など自分たちの身の回りの環境からインスパイアされたという前作とは打って変わって、今作はSF文学の巨匠フィリップ・K・ディックによる傑作小説「スキャナー・ダークリー」がインスピレーション源。近未来の監視社会で生きる麻薬中毒者たちを描いた小説から、依存症や喪失、監視社会、マスメディア不信といった現代においてより一層深刻化を増しているテーマを引き出し、彼ららしい退廃的でダークなサウンドに仕立て上げている。
アルバムのアナウンスに先立って2017年12月に公開されたファーストシングル「Futur parle」はデヴィッドソンのフランス語での語りと、冷ややかで鋭いシンセがヘヴィな四つ打ちと不穏なパーカッションに駆り立てられるようなテクノ・トラックだ。そしてアルバムアナウンスとともに公開された「Complet Brouille」は、ダークでインダストリアルな中に<DFA>リリースらしい一捻り効いた実験性の光るセンシュアルなトラックになっている。
クリス&コージーやキャバレー・ヴォルテールといったパイオニアから、現代のフィーヴァー・レイ、ファクトリー・フロアなどと比較される実験的でレフト・フィールドなサウンドに、トリップ感と文学性を匂わせる、エイセ・パの面目躍如たるアルバムだ。
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掲載: 2018年02月16日 19:13