ブルックナーの未発表ピアノ曲登場!アナ=マリヤ・マルコヴィナ~『ブルックナー:ピアノ作品集』
ブルックナーのピアノ曲といえば白神典子のBIS盤がありますが、それは出版された独奏曲7作で、ほかにもブルックナーは若い頃からピアノ小品を試作していました。多くは未完だったり、判読不可能な不完全なものながら、自筆譜ファクシミリ版を入手することができます。これらがついに世界初録音、ブルックナー関係者狂喜のリリースとなります。
白神盤に収録されている7作のほか連弾作品を2篇収めている点は当然ですが、あとは未知の作品ばかり。練習曲やワルツ、ポルカといったブルックナーらしからぬタイトルの連続に仰天。大半が1分そこそこの小品で、後の交響曲を思わす個性はほとんど見られませんが、シューベルト風や古典派風の親しみやすいものばかり。交響曲作曲家ブルックナーが生まれるまでの成長の経過がうかがえて興味津々です。
アナ=マリヤ・マルコヴィナは1970年生まれのクロアチア人ピアニスト。ウゴルスキ、バドゥラ=スコダに師事し、現在ドイツを本拠に活躍。ヴォルフのピアノ曲全集のほかヘンスラーからC.P.E.バッハのクラヴィア曲全集(26CD) など意欲的なレパートリーで注目されています。ベーゼンドルファー・インペリアル290の深い音色がブルックナーにピッタリ。
(キングインターナショナル)
『ブルックナー:ピアノ作品集』
【曲目】
ブルックナー:
1.ピアノ・ソナタ ト短調第1 楽章(1862)
2.ワルツ 変ホ長調 WAB deest27
3.ギャロップ(ポルカ)ハ長調WAB deest18
4.デュオ
5.主題と変奏 ト長調 WAB deest23
6.行進曲 ハ長調
7.ワルツ ハ長調 WAB deest26
8.半音階的練習曲 WAB deest4
9.ロンド ト長調
10.アンダンテ 変ホ長調 WAB deest3
11.メヌエットとトリオ WAB deest15
12.ヘ長調の主題
13.練習曲 ト長調 WAB deest6
14.アンダンテ ニ短調 WAB deest2
15.ランシエ=カドリユ(全4曲)(1850頃)
16.3つの小品(連弾のための)(1853-5)
17.6つのカドリユ(連弾のための)(1854)
18.ピアノ曲 変ホ長調(1856 頃)
19.秋の夕べの静かな思い(1863)
20.シュタイアメルカー(1850頃)
21.幻想曲ト長調(1868)
22.思い出(1868頃)
【演奏】
アナ=マリヤ・マルコヴィナ(ピアノ)
ルドルフ・マイスター(ピアノ)[16,17]
【録音】
2017年7月18日、ボトロップ室内楽ザール、2018 年2 月10-11 日、デュルメン・ゴットシュリング・スタジオ
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2018年06月18日 00:00