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1989年録音、人気ピアニストのフレッド・ハーシュ(Fred Hersch)初のワーキング・バンドによるアルバムがリマスタリングされて復活

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人気ピアニストのフレッド・ハーシュの初のレギュラー・バンド・レコーディング作品がリマスタリングされて復刻。
ベースのマイケル・フォーマネク(58 年生)、ドラムのジェフ・ハーシュフィールド(55 年生)との、ほぼ同世代のメンバーでの演奏で、当時NY での活動期間も同じくらいだったこともあり、メンバー的には経験、実力ともに均衡が保たれたピアノ・トリオによるセッションが魅力。

その内容は、端正なコード進行を底流にスタンダードの美しさが光るガーシュインの“The Man I Love”をオープニングに、ウェイン・ショーターの楽曲2 曲と、モンクにオーネット・コールマン、そしてオリジナル曲を網羅した全11トラックを収録。美しいハーモニー・センス、選ばれた音によって奏でられるメロディ・ライン、トリオのメンバーそれぞれが信頼し合うことから生まれるスリリングな即興、瞬間のひらめきが生むニュアンスの豊かさは、この時代を原点の一つとして一貫して今に至っていることが感じられる。
軽やかさと共に様々なタッチで表情を変え、色彩感豊かに描かれたタイトル曲“Heart song”はもちろんのこと、スローのルバート演奏で情感豊かな世界が描き出された“ Lullabye”など、これぞフレッド・ハーシュのオリジナルという至高の演奏。一方、ショーターの曲にあるミステリアスな唯一無二の世界に迫るピアノ・トリオの表現、ストライド奏法を大きく取り入れて、音と戯れるようにスウィングするモンクの楽曲、尊敬してやまない革新者オーネットへのリスペクトの深さを感じさせる自由なフレージングが飛びまわるラストまで、どの曲も伝統に立脚しながら、自らの個性を表現するフレッド・ハーシュの演奏が光る。

当時のハーシュ曰く、
「私たちは信頼し合い、お互いの判断を考えている。このレコードは、私たちが年月を共に重ね、演奏してきたことの良きドキュメンタリーとなっている」

 

トラックリスト:
1. The Man I Love (George Gershwin)
2. Fall (Wayne Shorter)
3. Lullabye
4. Free for Three
5. Hearsong
6. Infant Eyes (Wayne Shorter)
7. Beam Me Up (Michael Formanek)
8. I Mean You (Thelonious Monk)
9. Evanessence
10. Rain Waltz
11. The Sphinx (Ornette Coleman)
All compositions by Fred Hersch unless indicated otherwise

フレッド・ハーシュ2017-2018年リリース作4選

Fred Hersch/Live in Europe

2017年11月、3週間におよぶ欧州ツアーの最後から2番目のコンサートでのトリオでのライヴ・パフォーマンスを収録。演奏直後に「いい演奏が出来た"感覚"をもてた日だった」と出来の良さを実感。プレイバックを聴くとメンバーの演奏も最高で、このトリオで活動して9年の歳月の成果が最も表れた一作となった。モンク、ウェイン・ショーターのナンバーからオリジナルではジョン・テイラー、ソニー・ロリンズに捧げたものまで快演を堪能できる。

 

Anat Cohen,Fred Hersch/Live In Healdsburg

これまでたびたびライヴ共演してきた女性クラリネット奏者アナット・コーエンとピアニスト、フレッド・ハーシュのデュオ・パフォーマンス。2016年6月11日に西海岸で行われたヒールスバーグ・ジャズ・フェスティヴァルに出演した際のライヴ録音。二人のオリジナル・ナンバーも交えつつ、ビリー・ストレイホーン、ジミー・ロウルズ、エリントン、ファッツ・ウォラーといったユニークな選曲も取り上げ彩を添えている。

 

Jay Clayton,Fred Hersch/Beautiful Love

1994年NY録音、女性シンガー、ジェイ・クレイトンとピアニスト、フレッド・ハーシュのシンプル・スタンダード・デュオ作(リイシュー)。“LOVE”という言葉がタイトルに含まれたロマンティックなナンバーをNYの空気感とともに綴っていく。時にスキャットを交えながら、楽曲の持つ味わいを引き出すクレイトンに寄り添い、美しい伴奏を聴かせるハーシュの手腕が存分に楽しめる。

 

Fred Hersch/Open Book

ECMのようなジャケットにまずは引き込まれる、ピアニスト、フレッド・ハーシュのピアノ・ソロ作。リリシズムあふれるセンシティヴなプレイで聴く者の心を揺さぶる逸品。韓国のソウルにあるコンサート・ホールでレコーディングされ、その内容は、自身のオリジナルからベニー・ゴルソン、ジョビン、ビリー・ジョエル等のカヴァーとなる計7曲。特に4曲目“Through The Forest”は19分にわたるインプロヴィゼーションをライヴ収録。

 

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掲載: 2018年07月05日 15:00