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フィッシャー=ディースカウ最後の弟子、ベンヤミン・アップルによる包容力のあるバッハ・アルバム

アップル

英国BBCラジオ3が1999年より毎年選出している、ニュー・ジェネレーション・アーティスツ「新しい世代のアーティストたち」。その2014年に選ばれたドイツの若手バリトン歌手、ベンヤミン・アップル(1982年、ドイツ、レーゲンスブルク生まれ)のソニー・クラシカルへの2枚目のソロ・アルバムは、バッハのアリア集。「マタイ受難曲」の有名なバスのアリア2曲のほか、世俗カンタータと教会カンタータから、9曲のアリアが選ばれています。

バッハの作品では様々な解釈や表現が必要とされますが、アップルの演奏はどちらかというと厳しさよりも優しさを追求したものに感じられます。その丹念に磨かれた瑞々しい感性、抑制のきいた知的な歌唱は、宗教的作品の意味を現代のわたしたちに伝えてくれます。低音から高音まで輝かしい響きが印象的で、「その力みのない歌い口は、まるでディートリヒ・フィッシャー=ディースカウのようだ」と高い評価を受けており、アップルは、その20世紀の生んだ最高のリート歌手の最後の弟子として晩年に薫陶を受けました。
共演はピリオド楽器アンサンブルの雄、コンチェルト・ケルンです。ここ数年ますます声に深みを加え、バロック宗教的作品のコンサートでも多数起用されているアップルの魅力が全開した、極めて魅力的なバッハ・アルバムの登場です。

なおベンヤミン・アップルは2018年10月1日、NHK音楽祭でのパーヴォ・ヤルヴィ指揮N響とのオルフ「カルミナ・ブラーナ」で初来日が予定され、さらに12月にも再度の来日が計画されています。
(ソニーミュージック)

【収録予定曲】
J.Sバッハ:
1. カンタータ『喜びて舞いあがれ』BWV36~アリア「ようこそ、いとも尊い宝よ」
2. カンタータ『わが心には憂い多かりき』BWV21~シンフォニア
3-4. 『マタイ受難曲』BWV244~レチタティーヴォ「夕暮れの涼しいときに」、アリア「わが心よ、おのれを浄めよ」
5. カンタータ『見よ、われらエルサレムに向かう』BWV159~アリア「事は成し遂げられた」
6. 『マタイ受難曲』BWV244~アリア「われに返せ、わがイエスを」
7. カンタータ『わしらの新しいご領主に』BWV212~シンフォニア
8. カンタータ『速く、速く、渦巻く風よ(アポロとパンの争い)』BWV201~アリア「踊れ、跳ねろ」
9. カンタータ『轟け太鼓よ、響けトランペットよ』BWV214~アリア「われらが 冠りなる 王妃よ」
10. カンタータ『貧しきものは食し』BWV75~第2部へのシンフォニア
11. カンタータ『神なしたもう御業こそ、いと善けれ』BWV100~アリア「神なしたもう御業こそ、いと善けれ」
12. カンタータ『見よ、われは多くの漁る者を遣わし』BW.88~アリア「見よ、われは多くの漁る者を遣わし」
13. カンタータ『こよなく待ちこがれし喜びの祝い』BWV194~アリア「栄えの、み座には」
14. カンタータ『片足は墓穴にありてわれは立つ』BWV156~シンフォニア
15-16. カンタータ『目覚め、祈り、心を備えよ』BWV70~レチタティーヴォ「ああ、この大いなる日」、アリア「至福なる浄化の日よ」
17. カンタータ『キリストは死の縄目につながれたり』BWV4~シンフォニア
18. アリア『あなたがそばにいてくだされば』BWV508
19. カンタータ『心と口と行いと生活で』BWV147~コラール「イエスは変わらざるわが喜び(主よ、人の望みの喜びよ)」
【演奏】
ベンヤミン・アップル(バリトン)
コンチェルト・ケルン
【録音】
2018年4月13-16日, ヴッパータール、クルトゥーアツェントラム、インマニュエル教会

カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2018年07月20日 00:00