Timeless All Stars(タイムレス・オール・スターズ)1982年ハンブルグでのライヴ録音作『At Onkel Pös Carnegie Hall, Hamburg 1982』
オランダのジャズ・プロモーターWim Wigtが1970 年代後半に設立したTimeless レーベルは、アート・ブレイキーやマッコイ・タイナー、ファラオ・サンダース、シダー・ウォルトンなどの米国人ミュージシャンを続々とレコーディングして不動の地位を築きました。そして、このレーベルを代表するミュージシャンたちを集めて1980 年代初頭に結成された特別なグループがこの“Timeless All Stars”でした。メンバーは、当時オールスター・ジャズ・メッセンジャーズや再編されたジャズテットなどで活躍していたカーティス・フラー、60年代後半以降しばしば共演を重ねてきたハロルド・ランドとボビー・ハッチャーソン、そしてフラーとはジャズテットやジャズ・メッセンジャーズで同胞だったシダー・ウォルトン、シダーのグループ“Eastern Rebelion”のメンバーであるバスター・ウィリアムズとビリー・ヒギンズという顔ぶれ。
このグループは必要に応じて召集され、82 年4 月には『It's Timeless』、翌年には『Timeless Heart』というアルバムをTimeless レーベルに残しました。その後は86 年にDelos から『Essense』を発表し、しばらく間が空いた後の90 年にトロンボーンのみがスティーヴ・ターレに代わった6 人でEarly Bird というレーベルに『Time For The Timeless All Stars』を録音します。これまでは以上の4 作でしかこのオール・スター・グループの演奏を聴くことができませんでしたが、ここに、Jazzline から、今やおなじみとなった“At Onkel Pös Carnegie Hall”シリーズの1 枚としてオリジナル・メンバーによる1982 年4月5 日の演奏が新たに発掘され、リリースされました。
82 年4 月5 日というと、初めてリリースされた彼らのアルバム『It's Timeless』(サンフランシスコのクラブ“キーストン・コーナー”でのライヴ)が同年4月28日の録音だったので、それよりも前ということになります。収録されているのは4曲で、そのうちの「My Foolish Heart」とシダー・ウォルトン作の「Clockwise」は『It's Timeless』でも聴くことのできたレパートリー。一方、バスター・ウィリアムズの書いた名曲「Tokudo」とハロルド・ランドの代表作「Mapenzi」の2 曲は、このグループによる録音が他にありません(後者はフラーの代わりにトランペットのオスカー・ブラシアーを加えたメンバーによる録音あり)。ボビー・ハッチャーソンをフィーチュアしたバラード「My Foolish Heart」が15 分ほどの演奏である他はいずれも20 分前後で、全員の充実したソロをたっぷりと楽しめます。
【収録曲】
1. Tokudo (19:18) [SideA]
2. My foolish heart (14:38) [SideB]
3. Clockwise (20:32) [SideC]
4. Mapenzi (20:52) [SideD]
【メンバー】Curtis Fuller(tb), Harold Land(ts), Cedar Walton(p), Bobby Hutcherson(vib), Buster Williams(b), Billy Higgins(ds)